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ピカデリーサーカス貯金箱・コナミデジタルエンタテインメント

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 これは、2007年にコナミデジタルエンタテインメントより発売された、ピカデリーサーカス貯金箱。70年代にコナミ工業が製造して、レジャック株式会社が販売した、全国の駄菓子屋やデパートなどに置いてあったメダルゲームを貯金箱として復刻したもの。


 ピカデリーサーカス(Piccadilly Circus)とは、イギリスのロンドンにある広場の名前のようです。劇場やネオンサインなど、観光やエンターテインメント施設で有名なところで、その華やかなイメージからとられたネーミングなのでしょうか。コナミの前身であるコナミ工業(販売は系列のレジャック株式会社)から、1976年に発売されました。ゲーム内容は、コイン(10円玉)を投入して、好きな数字にBETしスタートボタンを押すとルーレットが回って、当たりに応じてコインや景品が払い戻されるというおなじみのもの。駄菓子屋やデパートの屋上などに置いてあった10円ルーレットの代表格と言えるものでした。その懐かしいゲームが、コナミ自らの手によって貯金箱として甦った。


 パッケージ裏面。


 貯金箱なので、500円玉で最大10万円まで貯金が可能と書かれている。


 箱の側面には、元ネタとなったピカデリーサーカスの解説もしてある。


 当たりの払い出しは、硬貨と景品の選択ができる。


 取り扱い説明書。付属品は、これと盤面に貼るシールが付いている。


 こちらが本体。結構、大きくて本格的。元ネタとなったピカデリーサーカスのイメージをうまく再現している。模型ではないので、硬貨投入口や景品の払い出し口など、細部は異なる。部屋のディスプレイとしても見栄えがする。


 2007年発売当時の実売価格は、3,000円台でした。当時のエレメカのディティールを再現し、なおかつそのギミックまで再現された、これほど凝ったものが、この価格で買えたというのはなかなか凄いこと。数あるギミック付き貯金箱の中でも、突出した出来の良さではないでしょうか。今現在だと、アマゾンで1万円前後、オークションだと5~6,000円程度の相場で落札されている。販売当時は、クリアランスで1,000円くらいで売られてたりもしましたので、数は相当数出ていると思われます。


 背面に仕切り版を入れることによって、当たりの払い出しをお金かお菓子などの景品かの選択ができる。


 景品の投入口。飴とかキャンデーとかを入れられる。


 単三電池3本で動く。


 お金の投入口は上面に付いている。コインのセレクト機能はなく、サイズが合えばどのコインでもいける。投入口に白く見えるものが、コインの投入を感知するセンサー。これが、コインをBETする機構のスイッチになっている。


 コインを投入し、どの目に光のルーレットが止まるか予想し賭けていく。


 当たると一度に払い戻されるため、当たった枚数だけ払い戻すという複雑な機能は付いていない。よって、この辺りは雰囲気の再現ためのもの。それぞれ押した数だけランプが点滅するようになっているというだけでも凄い。


 入れた枚数分のBETが終了すると、ルーレットが回りだす。ちなみにルーレットが回るサウンドも、それらしいものが再現されている。


 ルーレットの目がBETしたところに止まると、下部の蓋がパカっと開いて、景品か硬貨が払い出される。景品が出たり硬貨が払いだされるのは、当たったか、当たらないかというだけの判定なので、元々のルーレットの持つギャンブル性は再現されていない。一応、モードが3つ設定でき、①当たった枚数と同じ数のランプが点灯して、回転盤に1周のランプが点灯すると扉が開くモード。②当たった枚数の半分のランプが点灯、回転盤1周分のランプが点灯すると扉が開くモード。③当たると必ず扉が開くモードがあり、この中から選べる。


 オリジナル版のピカデリーサーカスは、ヒット作となったため、長いこと作られていた。そのため数多くのバリエーションが存在する。おなじみのこのタイプ以外にも、ドックファイトファンタジーワールド、ライオン、スーパーマリオブラザーズ3など時代によって幾つかのバージョンが存在する。ちなみに最近のバージョンでは、ピカデリー2000というのもあった。イラストなどは時代に合わせてアレンジされているようですが、基本的な遊び方は不変のようです。ちなみに復刻なった貯金箱でも4種のシールが付属しており、購入者の思い出の中にあるバージョンを再現できるようになっている。(ピカデリーサーカスの「サーカス」は通りの合流点の円形地の意味のようですが)個人的には、ライオンのバージョンが印象深いでしょうか。


 ちなみに元ネタのピカデリーサーカスも、純粋に確率だけのルーレットではなく、払い出し用のコインが少なくなると当たらなくなるなどの、確率調整ができたそう。どうやったら当たるか、ルーレット盤の目の数を数えたり、対角線上の位置にかけたり、当時あれこれと必勝法が考えられた。


 2006年頃から貯金箱ブームというのが起こっていたそうで、この当時はザラスなどに貯金箱のコーナーが設置してあったりして、キャラクターものから電子ゲームを組み込んだものなど、様々なギミックをもった貯金箱が販売されていました。そのような流れと、この頃の復刻ブームにより企画されたものなのでしょう。コナミ自ら(コナミデジタルエンタテインメント)の手により復刻されていますので、ある意味コナミ純正品。ただ、非常に残念だったのは、同じくコナミのメダルゲームである国盗り合戦貯金箱も出る予定で、試作品までお披露目されていたのだが、ピカデリーサーカス貯金箱が思うように売れなかったのか発売中止になってしまった。


 こちらは、コインを弾いてゴールまで運ぶという新幹線ゲームを再現した、駄菓子屋ゲーム貯金箱。駄菓子屋博物館の館長、岸昭仁氏の監修でバンダイより発売された。同じ時期に、タカラトミーよりスペースインベーダーのテーブル筐体を再現した貯金箱も出ていた。いまはUFOキャッチャー(クレーンゲーム)の玩具なども売られていますし、ビデオゲームの筐体を再現したコレコの電子ゲームなどと並べたりすれば、結構楽しいかもしれません。


 ピカデリーサーカスの登場した昭和50年代というのは、駄菓子屋ブームだったのだそうです。80年頃からはビデオゲームが置かれはじめ、駄菓子屋ゲームセンターのようになっていました。個人的には、駄菓子屋のイメージはクレージーコングやフロッガー、駄菓子屋用の小さな筐体でのスクランブルやSNKのファンタジーだったりして、ピカデリーサーカスは寂れた観光地や、デパートの屋上(エレベーターの側など隅っこ)というイメージがある。それにしても、そういう味のある場所もだんだん少なくなってきて、玩具として記憶に残るのみというのも寂しいことですね。



※2008年の記事に写真などを追加して再構成。

参考:駄菓子屋ゲーム博物館、ASCII.jp 懐かしーい! 駄菓子屋'sギャンブル「ピカデリーサーカス」型の貯金箱が出た!

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