ということで、夏に向かうこの時期に逆行するようなタイトルですが散財日記。前回の更新より一週間ほどなので、それほどめぼしい物は買ってないので小ネタ。
冬物語/原秀則 全7巻セット・(古本/小学館) 送料込み400円
漫画(の特にセットもの)は場所をとるため基本的には買わないのですが、7冊のセットで400円ということは一冊あたり100円にもみたない上に送料も込みということで、あまりのお買い得さに負けてふらふらと買ってしまった。漫画喫茶で使用されていたものとのことだったが、店のシールやスタンプもなく、(おそらく)カバーでもかけられていたのか、表紙もつるぴかだった。
冬物語とは、シェイクスピアのロマンス劇であり、ビールの商品名であり、ケツメイシの楽曲であり、最近では三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBEの歌ですが、ある世代にとっては漫画のタイトル。さらに調べたら72年のテレビドラマもあった。ここでの冬物語は、ヤングサンデー誌に1987年~90年にかけて連載されていた原秀則氏の作品。予備校を舞台とした青春群像を描いている。
少子化の影響もあり、大学が全入時代を迎えて代ゼミが大量閉鎖を行うなど、予備校というのはスポットがあたらない衰退産業になっていますが、この80年代末から90年代半ばにかけて団塊世代Jr(いわゆる氷河期世代)の受験期にあたっていたこともあって、大学入試の競争倍率が20倍だとか偏差値も鰻上りになったりだとか、大変な時期がありました。予備校の講師がスター先生になったり、90年には予備校ブギというドラマ(主題歌はフリッパーズギターの恋とマシンガン)も作られたり、わりと浪人することが普通となっていた背景がありました。
これは、その頃もにわりと珍しかった予備校漫画の先駆けとなった作品。それまでの浪人生といえば、藤子F不二雄先生の勉三さんみたいなイメージで、暗くて苦しいものというイメージでしたが、大ヒットとなっためぞん一刻や柴門ふみ先生のデビュー作P.S. 元気です、俊平でも予備校生活から物語がスタートするなど、少しずつ変わっていました。その決定版となったのが、この作品。物語は、受験に失敗して予備校に通うことになった主人公森川光が、憧れの女の子と同じコースを受講するため東大専科コースを選択することから始まります。その後、私立文系コースに移ることになり、大学にも合格したものの仮面浪人を始めてしまったりと、迷走しながらも物語は続いて行く事になります・・・。
けっこうなスマッシュヒットとなったため、1989年には東宝で映画化もされている。
主演は光役に山本陽一さん、奈緒子役に宮崎萬純さん、しおり役に水野真紀さん。惜しむべきことに、VHS版のみでDVD化されてない。
この頃は、子供が多かったので予備校生活ですらまぶしい生活の舞台となったのですね。また、詳しく調べてネタとして紹介します。
ダンジョン飯 1巻(ビームコミックス)・(古本/KADOKAWA/エンターブレイン ) 1円(送料250円)
ダンジョン飯 2巻(ビームコミックス)・(古本/KADOKAWA/エンターブレイン ) 99円(送料250円)
ダンジョン飯は、KADOKAWA エンターブレイン系列の雑誌に連載されている九井諒子氏作の漫画。グルメ・ファンタジー漫画という独特のジャンルに分類分けされている。あちこちで評判になり、話題となっている作品ということで買ってみました。
物語は、主人公の戦士(剣士)ライオスのパーティが、狂乱の魔術師の支配する迷宮の奥深くを探索するところより始まる。レッドドラゴンに襲われ、ライオスの妹である僧侶のファリンがパーティをかばって喰われてしまう。ファリンの死の直前の帰還魔法によりからくも迷宮を脱出できた一行は、ファリン救出のため再度迷宮に挑むことになるが、装備、食料、仲間などが不足して資金難に陥ってしまう。節約のため、迷宮で食料を確保することにしたライオス一行であったが・・・。
ということで、ベースとなる世界観はウィザードリィの影響を色濃く受けたものであり、モンスターを食するというところはダンジョンマスターからの影響を色濃く受けた作品だと思います。スライムがなまこやほやみたいな生き物だったり、宝箱に擬態するミミックがヤドカリみたいな生き物だったりと、独自の解釈が楽しい。
表題的には、ダンジョンファンタジーものに孤独のグルメとか、クッキングパパのようなグルメ漫画の要素を持ち込んだ色物の漫画に見えますが、実はストーリーやキャラクターが良く出来ていて、かなり面白い。グルメ部分に焦点が当たっているというより、迷宮でトイレの管理はどうしているか、行き倒れた冒険者はどうなっているか、植物や生き物の生態系はどうなっているかなど、ゲームでは省略されてしまっている部分を、深く考察して独自の解釈を与えリアリズムを追求した作品といったほうが近い。この漫画の作者の九井諒子氏、そうとうRPGをやり込んでいていて、かなりの才能の持ち主だということが分かります。
評判どおりかなり良くできた作品です。純粋なファンタジー漫画として捉えても、トップクラスに良くできているのではないでしょうか。ということで、こちらも詳しく調べて、またネタとしてやります。
レジェンドパソコンゲーム80年代記・(古本/総合科学出版) 655円(送料250円)
レジェンドパソコンゲーム80年代記は、2014年に発売されたフリーライター佐々木潤氏の手による80年代のレトロパソコンの周辺を描いた書籍。80年代マイコン大百科に続いて出版された第二弾であり、激レア!お宝発掘!!80年代マイコン読本 という第三弾が存在する。元の定価は1,728円とそこそこ高い本なのだが、送料込み900円ほどということで購入してみた。
前作80年代マイコン大百科では、筆者のコレクションである当時の雑誌やカタログなどの写真をふんだんに使い、この頃のトピックスを広く浅く紹介するという体裁の本だった。このような書籍は、最近少しずつ増えてきたが、これまでは皆無に近いという状況だったので、そういった意味でも貴重だった。
本作では、80年代を前期、中期、後期と3つに分けて、パソコンのハード、雑誌、ゲームやソフトハウスなどのエッセイをまとめてあるという感じになっている。カタログ本という性格が強かった前作と比べて、エッセイや読み物としての割合が大きくなっている。アマゾンでの評価がいまひとつなので、購入に二の足を踏んでいたが、読み物としては面白く良く出来た一冊だった。
惜しむべきことに、アマゾンでの評価がいまひとつなことの理由でもあると思うが、全ページモノクロで版も小さくカラー写真がないため、懐かしさはいまひとつ伝わりにくい。黄色い表紙も目立つことは目立つが、内容が伝わりにくく他の2冊とも区別がつき難いので、そういった意味でも不利でしょうか。
それでも、この時期の広告写真を使ってのエッセイは貴重であるし、この手の本は未だに少ないため資料としての価値も持っていると思う。アマゾンでの評価を見て、二の足を踏んでいる人がいるとしたら、モノクロという点を除けばわりと良い出来なのでお勧め。
王子の対決 (現代教養文庫―アドベンチャーゲームブック・(古本/社会思想社) 1,000円(送料別)
こちらは、社会思想社より1987年に現代教養文庫内の一冊として発売された王子の対決。かなり珍しい2人対戦用のゲームブックとなっています。こちらは、オークションより入手。
「魔法使いの書」「戦士の書」として、通常のファイティングファンタジーシリーズの一冊分にあたるものが2冊セットになっている。当時の定価も、2冊合計分の1,000円。この王子は双子という設定で、2人のプレイヤーは魔法使いか戦士かをそれぞれ選んで、プレイすることになります。
箱より出したところ。箱にはファイティングファンタジーのマークが付いているし、装丁のフォーマットも社会思想社のファイティングファンタジーシリーズと共通。ただ、これがファイティングファンタジーシリーズに数えられるのかは微妙。本国では、別のシリーズなのかも。Wikiでは、その他という扱い。
カバーイラストや挿絵は、ソーサーリーのジョン・ブランシュ氏。ちなみにJohn Blancheで検索すると、あのソーサーリーの狂気に満ちた混沌とした絵柄からは想像もできない世界が広がる。実に多彩な人ですな。
御大S.ジャクソン氏、I.リビングストン氏監修。アンドリュー・チャップマン氏は宇宙の連邦捜査官、海賊船バンシー号、宇宙の暗殺者などを手がけた方。
特に未使用品とかいうわけでもなかったが、記録用紙も未記入で、ほとんど使用感もないものだった。ちなみに2人用ゲームブックというのは珍しいが、この本自体はそう希少なものではありません。
1987年9月に第1刷、約8ヵ月後で第4刷とは、ゲームブック末期に入ってきていると思いますが、まだまだ勢いがあった頃でしょうか。個人的には、この時期にはそろそろゲームブックへの興味を失いかけていた。
ということで、株式会社ウィズのオレのRPGノートを除くとゲームブックを買ったのは実に7~8年ぶりくらい。綺麗なものなので1,000円であれば、まあお買い得に見えるが、送料、振り込み手数料を加えると1,6倍ほどの金額となった。レトロゲームやレトロハードと比べても、ゲームブックは設定される値が元の価格に比べて高めで、送料なども含めるとネットで買うのはなかなか難しい。オークションでも高めなので、ブックオフの100円コーナーで見つけたというように手軽にはとても買えません。ということで、こちらもまたネタとして紹介します。