散財日記というタイトルは付いてますが、今年は案外低調でほとんど高価なものや稀少なものは買わないままでした。オークションでもここ半年以内に買ったものは、トミーのミニカー2個のみ。レトロ関係でない買い物では、大相撲の巡業チケットやコンサートチケットなど、それなりに買っているのですが、レトロゲーム関連ではほとんど古本ばかり。そんな中久々の大物を入手しましたので紹介。
PasocomMini MZ-80C・(HAL研究所/新品) 19,800円(送料・税別)
PasocomMini MZ-80Cは、今年の10月に株式会社HAL研究所より発売された小型のパソコン。シャープ株式会社の協力のもと、1979年に発売されたシャープの8ビットパソコン、MZ-80Cを現代の技術で再現したもの。限定生産ではないが予約制を取っていて、5月くらいから予約が始まり1次予約、2次予約ときて、ようやく10月に発売された。販売も、Beep秋葉原さんのみとえらいマニアックな販売方法で、Amazonでもヤフーでも扱っていない。
yasuhoさんとこの記事で5月にはその存在を知っていたのですが、私が一番思い入れがあるのは、PC-8801mkIISR以降、FM-7やX1が御三家となった時代で、MZ-80Cの時代はちょっと古すぎてよく知らなかった。そういう関係でスルーしようかとも思っていたのですが、予約販売が終わった後にキャンセル分の販売が行われていることを知った。当時268,000円もしたコンピュータが、今になって新品で買えるというロマンに負け、迷いに迷って購入に踏み切った。
箱より出したところ。梱包は今のフィギュア風でロマンはない。発泡スチロールとは言わないが、紙製の内箱をつけて欲しかった。Raspberry PiA+を使用しているので、ラズパイの説明書付き。ちなみに箱のデザインは、当時のシャープ純正の外箱のデザインを再現しているそう。
外観を造形したのは、あの青島文化教材社。そのため再限度は相当にクオリティが高い。
大きさ的には、手のひらに乗るサイズ。ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ、ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコンと同じような大きさ。モニタ部分には画面を再現するためのシートが付属しているが、付けないとRaspberry PiA+の基盤がそのまま見える。
カセットのミニチュアやシールも付属している。その他、取り扱い説明書、ソフト供給用のmicroSD、本体横と後部の蓋などが付いている。
外から見えている部分、モニター、キーボード、カセットなどはすべてダミー。ネット上では、結局Raspberry PiA+用のケースではという評価も見受けられる。
もうひとつ残念な点としては、MZ-80Emulatorは内蔵しているのだが、権利の関係でMZ-80で使われていたBASICが付属していない。そのため、ベーマガに収録されていたような当時のBASICのプログラムを打ち込んで、遊ぶという使い方ができない。その代わり最新のベーシックであるSmileBASICが搭載されており、プログラムを組むことはできる。また当時のMZ-80用プログラムでもマシン語ならば動く。もうひとつの目玉として当時のゲームが5本収録されている。
Raspberry PiA+はAmazonでも4,000円ほどなので、Raspberry PiAを買って無料で配布されているEmulatorを入れれば済むという話もあったりはする。けれどRaspberry Pi本体、アオシマ製の筐体、MZ-80Emulator、SmileBASIC、microSD、5本のゲームを付属して、すべての権利関係をクリアしていることを考えれば、手間に比してもうけはないのではという気もする。利益というより製作者が作りたいから作ったというロマンための製品だと思える。これの売れ行きしだいでPC-8001、FM-7のシリーズ化もあるらしい。
個人的には、すべて権利関係をクリアにした株式会社HAL研究所の製品というところに価値を感じた。HAL研究所と言えば、多くの方には星のカービィや元任天堂社長の故岩田聡氏だろうが、個人的にはジョイボール(MSX用の青いバージョン)とぶた丸パンツ。それにMSXで発売されていたエッガーランドミステリーとホールインワン。
10年くらい前にMSXの機能をFPGAという特殊なチップを使って再現した1chipMSXというものが、これも予約制で発売されていました。価格も同じ2万円くらいだったのですが、MSX実機を持っていることもあり当時スルーしてしまいました。今や1chipMSXは5万以上して入手不可能になってしまいましたので、とりあえず押さえておきたいという事情もありました。
これは、もう少し詳しく調べてネタとして紹介します。ちなみにBeep秋葉原さんではまだ予約キャンセル分が販売中。何時まであるかわからないので、気になる方は早めのチェックが良いかもしれません。
みんながコレで燃えた!NEC8ビットパソコン PC-8001・PC-6001・(古本/アスキー書籍編集部) 2,250円(送料350円)
みんながコレで燃えた!NEC8ビットパソコン PC-8001・PC-6001は、2005年にアスキー書籍編集部より発売されていたムック本。80年代のNEC製の8ビットパソコン PC-8001・PC-6001に焦点を当てて、当時のゲームを収録したレトロパソコンのエミュレータ本。10年くらい前にMSXマガジンの復活という形をとってこのような書籍が少しだけ話題となり、アスキーよりMSX本が3冊、PC-98本が2冊、PC-88本が1冊発売された。これで、当時のアスキーレトロコンピュータエミュレータ本はすべて揃った。
上でも書いたように、当時思い入れがあるパソコンはPC-88、FM-7、X1の新御三家の頃なので、PC-8001とPC-6001には触れたことがなく、それほど思い入れはなかった。そのため定価が3,000円ほどと高価だったこともあり、当時迷って買わずにスルーしてしまっていた。後から探したのだけれど、プレ値が付いていて5,000円~ほどとなかなか買えなかった。ここ最近、Amazonに2,000円台のものが出品されていたのでようやく手に入れることができた。
PC-8001は1979年とMZ-80Cと同世代のパソコン。PC-8001の頃はパソコンゲーム市場も未発達で、どちらかというとビジネス機という売られ方だった。友達の持っていたPC-8801mkIISRにはV1モードという互換モードがあり、そこで幾つかのPC-8001のゲームを遊ぶことができた。PC-6001は88シリーズより安めの10万円を切るような価格帯で発売されたホビーパソコンの元祖みたいな機種であり、これは欲しかったけれど当時触れる機会はありませんでした。
PC-8001やPC-6001の当時の開発者のインタビュー記事が収録されている。コンピュータに個性があり、夢があった時代。今は、道具として必要不可欠だとは思うけれど、こんな楽しさはないかな。
こんにちはマイコンでPC-6001を取り上げた、キーマンのひとりすがやみつる先生にもインタビューがなされている。あらしの新作も収録。
チュンソフトの中村光一氏、芸夢狂人氏、Bug太郎氏、五代響氏など、当時の有名プログラマーのインタビュー記事も収録。これらは、今となってはそうとう貴重な記事だと思う。
PC-8001やPC-6001のゲームが31本も収録されている。残念ながら1本を除いてすべて知らない。
PC-6601添付用ソフトウェアとして、日本電気ホームエレクトロニクスが制作したコロニーオデッセイ。チャレンジ!!パソコンアドベンチャーゲーム&ロールプレイングゲームでも紹介されていた。個人的に知っているのは本作のみ。これがこの本の一番の売りのようで、大研究と称して攻略記事が掲載されている。
チャレアベみながら、遊んでみてえと思ったものです。
他にもおまけとして袋とじになった月刊アスキー・パロディ版のAhSKI 1984年版、2005年度版や、PC-8001やPC-6001のペーパクラフトなどが付いている。
ということで、PC-8001やPC-6001自体に思い入れがないため後回しになり、買いそびれてしまっていたムック本だったのですが、記事としては一番充実しており、インタビューなど読み物として面白いと感じる。PC-8001やPC-6001自体に思い入れがない方でも、ベーマガなどを読んでいた方であったなら楽しめる一冊だと思います。