PC88ゲームの世界とは、Y.ROMI氏という方が中心となって纏められた同人ソフト。NECのパソコンPC-88のゲームを網羅したデータベースになります。かなり前の2000年頃に発売されて、品切れとなりプレミア価格で流通していた作品ですが、BEEP通販でBEEP専売品として再販されていたため購入。
WEB上でPC88ゲームライブラリーとして公開されているもののいわば完全版。ネット上で見られるものをわざわざ買うまでもないかとも思ったが、ネット上に公開されているものはいつまでもあるわけでもないし、そもそもPC-88のゲームデータベースなんてこれから先も作られる可能性は低いだろうということで、手に入れておきたかった。
ネット上で公開されているのは、一部であり検索機能にも制限がかかっている。ゲームライブラリーではタイトルによる検索と年代別による検索しか選べないが、PC88ゲームの世界ではこれにメーカー別の検索が加わる。データベースはそれほど詳しいゲームの解説はないが、PC88ゲームの世界の方では、レビューPC-88の歴史という項目が加わり、年代ごとのPC8801とゲームの動向、AVG、RPGなど当時の代表的なゲームレビュー、その他裏技やらクイズ、ゲーム音楽、インタビューなど盛りだくさんの内容となっている。いわば別物といってもよいくらい追加要素が多い。2000年頃には、WEB上にレトロパソコンの紹介記事もたくさんあったが、無料ホームページのサービス終了に伴って随分減ってしまった。このCD-ROM内には、ボリューム的にはチャレアベに匹敵するほどの情報と熱量が込められている。
ザナドゥと人気を2分したハイドライド2。このように特に人気が高かった作品、有名な作品には検索機能とは別に解説が付いている。これがかなり詳しくて読み物としても読み応えがある。当時は作品の解説や攻略情報は、パソコンゲーム誌に頼るしかなかった。パソコンゲーム人気も高まったことからか、次々と雑誌が創刊されて書店の売り場も花盛りといった感じだった。個人的には、この1985年頃が一番熱中した。
のちにファミコンで一斉を風靡するハドソンのAVGデゼニランド。この頃はアドベンチャーゲームは高価なパソコンでないと遊べなかったので、なんとかして遊んでみたい特別なゲームであった。
もちろんファルコムのドラゴンスレイヤー、ザナドゥシリーズや、ソーサリアン、イース等、有名どころはきちんと押さえられている。
中でも個人的にツボだったのが、ログインやポプコムに紹介されたムーンストーンの画面が収録されていたこと。ムーンストーンとは、日本初(と言われる)のRPGザ・ブラックオニキスの第三弾で、散々待たされ期待もされたのだが、遂に発売されることなく終わった幻の作品。当時のログインやポプコムで製作過程の記事が紹介されており、ゲーム画面も掲載されていた。これがまた見れただけでも満足。
ということで同人ソフトPC88ゲームの世界でした。PC88、X1、FM-7などのレトロ8ビットパソコンゲームが好きなら買って損はない内容。今、入手できるものの中ではチャレアベ並に詳しい資料のひとつだと思います。古いパソコンゲームの情報は、なかなか入手できませんので、そういった意味でも貴重なものと言えるのではないでしょうか。
参考:PC88ゲームの世界・同人/Y.ROMI氏