これは、1980年頃に学研(学習研究社)より発売されたLSIゲーム・インベーダー1000。
学研のLSIゲームとしては初期〜中期にあたるもので、学研が最初に発売したLSIゲーム・インベーダーの改良版になります。この後インベーダー2000という更なるリニューアル版も発売されました。
LSIゲームは、この頃最新の電子玩具で玩具メーカー各社から発売されていましたが、学研のゲームは専業メーカーのものに比べると学習教材のような趣もあり、どこか垢抜けない(優等生がはしゃいで見せるような)ぎこちない雰囲気もありましたが、この辺りからだんだん板に付いてきました。
パッケージ裏の遊び方の説明書きもどこか真面目。ズバリ!インベーダーゲームの決定版なんて書いてあります。学研が独自に開発したカスタムLSIとカラー表示管使用とアピールしています。この辺りは、さすが学研といった感じ。
キャラのデザインは、初代インベーダーから大きく変わっていないと思います。少し垢抜けた感じ。カラー表示になったことが新しい。199点が最高得点であった初代から、最高得点1,000点までに大きく引き上げられてゲーム性が増しています。
本体デザインもリニューアルされてかっこよくなりました。この後のインベーダー2000では更に垢抜けて、電子ゲーム1、2を争うほどのお洒落な筐体に。
ミサイル発射台移動レバーは自動でニュートラルに戻ります。初級ロースピード、中級ミドルスピード、上級ハイスピードのレベル切り替えスイッチ付き。黄色と黒のコントラストが綺麗ですな。
ゲーム画面はこのような感じ。インベーダーは2匹出現。高度によって5〜1点と得点が変わります。ちゃんとUFOも出現して、こちらは10点。最下段はミサイル発射台残機数で3台。得点が700点と超えると、ミサイル50発と発射台1機が追加されます。
ミサイル発射台が全て破壊されてしまうか、インベーダーに最下段まで侵略されたらゲームオーバー。
インベーダーの数が少なかったり、トーチカ(バリア)こそ再現されていませんが、この頃のものとしてはなかなかの出来。さくさくと軽快に遊べます。
1978年のタイトーのスペース・インベーダーのブームを受けて、ぞくぞくと電子ゲームでも発売されました。中でも有名なのが、安価なLEDゲームとして発売したバンダイのミサイルベーダー(ミサイルインベーダー)。写真は、蛍光表示管が出始めの頃で高価だったけれどインベーダーの隊列も再現して再現度の高かったエポック社のデジコムベーダー。
こちらも隊列を表現して再現度は高かったけれど、なぜか前2機種に比べるとマイナーだった、トミーのスペースアタック。モノクロ版とカラーフイルムを使用したマイナーチェンジ版まであるという力の入れよう。
TVゲームの老舗エポック社からは、TVゲームでも再現されました。1980年発売のTVベーダー。ブロックの組み合わせみたいな粗い画面でしたが、インベーダーが家庭で遊べるということ自体が驚きだった。
そのほかのメーカーからも、電子回路を持たない安価なエレメカやLEDの点滅でそれらしくみせたインベーダーもどきが続々と発売されていました。老舗玩具メーカー新生からは、げきめつインベーダーとワープインベーダーの2台が発売。
インベーダブームを受けて(初の?)ゲーム漫画ゲームセンターあらしも登場。ゲームセンターには行けない子供に、まだ大人のものだったゲームの世界を垣間見せてくれました。
この頃のインベーダー狂想曲と電子ゲームの熱狂の様子は、ゾルゲ市蔵氏の8ビット年代記でも詳しく再現されています。
当時の思い出としては、平安京エイリアンなどとならんで学研の科学と学習の巻末の折り込み広告で毎号紹介されていましたが、高価なものだったためあんまり買える対象としては見ていなかったような気がします。電子ブロックも同じちらしに掲載されており、こちらも憧れの電子玩具でした。
学研は電子ゲームに関しては、後発のメーカーでしたがアーケードからの移植作品を数多く出しており、どれも出来が良かった。この辺りは、さすが電子ブロックで4ビットマイコンまでやった学研という気がします。これらの電子ゲームや電子ブロックも、安価な家庭用コンピュータの普及に伴って姿を消してしまいました。
参考:帰ってきた電子ゲーム、ゲームセンターあらし/すがやみつる(小学館)、8ビット年代記・ゾルゲ市蔵(マイクロマガジン社)