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トロン Tron・ディズニーピクチャー/トミー

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 トロン(Tron)は、1982年に公開されたされたアメリカ映画。世界で始めて本格的にCG(コンピュータグラフィックス)を導入した映画として有名。2010年には、続編トロン: レガシー(Tron: Legacy)も公開されました。


 元ネタとなった映画は、1982年に公開され世界初のCG映画として話題となった作品です。公開時は、それほどヒットしなかったようですが、ビデオ化、DVD化されて、しだいにコンピュータ・グラフィックス映画の古典として金字塔となりました。この当時は、当然インターネットはないし、家庭用にようやく8ビットPCが入り始めた頃。それは、当時の子供にとってはまだ未体験の未知の世界でした。


 物語は、コンピュータエンジニアのケヴィンは、自分の開発したゲームのデータを同僚のデリンジャーに盗まれてしまう。ケヴィンは、盗作の証拠を探すため会社の大型コンピュータにハッキングを試みるが、デリンジャーの仕掛けた罠(物質転送機)によって、コンピュータ内部に送り込まれてしまう。そこは、デリンジャーの開発したMCP(マスター・コントロール・プログラム)により支配され、管理された世界だった…。


 ということで、世界で始めてCGを使用した映画ということで、コンピュータ内部の世界を描いた映画になります。とはいっても、この頃のCGはまだ高価で、約90分の上映時間中CGシーンは15分ほど。後は、俳優のコスチュームやセットでそれらしく見せたり、アニメーションを使用してCGらしく見せていました。80年代は、ようやく家庭用に8ビットPCが入り始めた時代であり、ファミコンよりも以前(FCの登場は83年)の映画ですから、CGはまだ稚拙なものです。しかしデザインの力によって、それを補って余りあるほどの映像世界を描き出した古典(金字塔)のひとつです。


 CG映画ということで期待して見に行ったら、タイトルエンドで台湾のアニメーターの名前がずらずらっとクレジットされずっこけたという話もあります。しかし世界観のコンセプト・デザインにジャン・ジロー・メビウス(フランスの漫画家)や、シド・ミード(工業デザイナー/ブレードランナーや∀ガンダム)が関わったこともあって名作といってよい作品になっていると思います。


 これは、ディズニー製作の実写映画でもあります。当時のスターウォーズなどSFX映画のブームに乗って、ディズニーもSF作品などを発表していました。同時期に莫大な金額を投入してずっこけたブラックホール。海底2万マイルを宇宙に持っていったかのようなお話。


 一番の見所はフルCGで描かれたライトサイクル(電子のバイク)でのバトル。2分ほどのシーンなのですが、トロンといえばこれ、というくらいインパクトを残しました。


 そこで本題でもある、映画公開当時に発売されたトミー製のトロンのゲーム。FCでは、数多くの版権をとった映画のゲーム化が行われましたが、電子ゲームでは映画版権ものは珍しいと思います。


 劇中でもっともインパクトのあったライトサイクルのシーンを再現しています。実はライトサイクルのシーンは、当時実際にゲームセンターにあったグレムリン社ブロッケードという陣取りゲームみたいな作品を映画内に再現したもの。元々ゲーム向きの題材なんですね。映画を見た子供の、自分でもこのバイクゲームをやってみたいという気持ちをかなえるものであったわけです。


 本体はなんとスケルトン。iMac(1998)を先取りすること15年以上前。


 まだファミコン(1983)以前、ゲーム&ウォッチとかの頃のゲームです。この当時の子供には、どう考えても10年は早い無駄なお洒落れ感。


 スケルトンにすることで内部基盤(実は見せるためのダミー)を見せて、映画のイメージを筐体でも表現しています。


 コンピュータ内部に取り込まれた電子の仮想空間での冒険の話ですから、電子ゲームで表現するのにぴったりの素材なんですね。


 ゲーム画面はこのような感じ。ライトサイクルのシーンだけでなく、2面目ではフリスビーのようなディスクを投げ合うゲーム(映画の元ネタは、ポンでしょうか)、3面目では、ラスボスのMCP(マスター・コントロール・プログラム)のバリアをかいくぐってディスクを投げ込むゲームと、3面構成になっています。そのひとつひとつが、まったく別のゲームとなっており、映画のストーリーを再現しているなど、版権ゲームとしての完成度は高いです。しかもライトサイクルのシーンでは、スクロールまで実現しています。


 今から30年以上前に、このような洒落たゲームが作られていたんですね。子供向きとはとても思えません。映画もデザインの力により非常にお洒落な作品ですが、今でもビレッジバンガードなどの雑貨店に置いてあっても、十分に人目を引きそうです。


 TRONは公開当時、アーケードにも※移植されていました。トロン: レガシー(Tron: Legacy)の公開に前後してPCゲームになったり、ちょくちょくフィギュアやモデル化もされています。そんな数多くのトロングッズの中でも、ちょっと珍しいものだと思います。※ディズニーピクチャーのサイトで、遊べます。


  ということで、LEDのネオン看板のような、光と線とで構成された映画・トロン(Tron/82)の美しい世界を、蛍光表示管で再現したトミーのTRON トロンでした。



参考:Wiki 映画トロン、トロン: レガシー、ジャン・ジロー・メビウス、シド・ミードの項

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