ということで、前回よりちょっと間が空いての久々の散財日記です。4月5月は税金やらなにやらで何かと物入りのため、安いDVDと書籍のみと散財もセーブ気味。アマゾンのカートには後で買うリストが溜まっていきます。
ファミコンとその時代・(古本/NTT出版) 1,190円(+送料250円)
ファミコンとその時代は、2013年のファミコン生誕30周年の節目にNTT出版より発売されたファミコン本。この本の一番の売りは、シャープから任天堂に移ってハードの設計を担当された上村雅之氏が直接書かれた一冊であること。京都の立命館大学がコンピューターゲームの情報収集、データベース化を目的としたゲームアーカイブプロジェクトというものを行っており、その一環として書かれたもの。執筆者も立命館大学の先生たち。
いわゆる攻略本や懐古本としてのファミコン本などとは異なり、ファミコンが生まれてきた時代背景、時代に与えた影響などを記した、学術書みたいな作りになっている。コンピュータやコンピュータゲーム史が学問の対象となる時代がやってきているんですね。
そういうつくりの本のため、ファミコンソフトなどの紹介は基本的になし。2部構成になっており、第1部はテレビゲームの誕生と題して、ファミコンが生まれてきた時代背景を世界初の家庭用テレビゲーム・オデッセイやATARI社のPONGの時代から、アタリショックを経て、日本での電子ゲームやゲームウォッチのブームまでを紹介しつつ紐解いていく。第2部に入って、ようやくファミコンの開発史となる。
欄外には参考文献も明記されていて、まったく専門書みたいな作り。大学でもテキストとして、使われているんじゃないでしょうか。こういう教科書なら、眠くならないでしょうし、講義も楽しいでしょうね。そのような夢のような講義を受けてみたかった。
写真は、巻頭に少しとモノクロの小さなものがあるだけで、ほとんど文字だけで構成されている。
図表や参考文献など、このような感じのお堅い本。このようなゲーム史を扱った書籍としては、2005年に発売された“それは「ポン」から始まった-アーケードTVゲームの成り立ち”が有名。この本は長らくプレミア価格で売られていたのだけれど、2015年に再販されたようで、現在では普通に定価で買うことが出来る。もっと古い本としては、1988年のテレビゲーム―電視遊戯大全が有名。こちらは、再販される見込みが薄いため、とんでもないプレミア価格が付いている。1994年には電視遊戯時代―テレビゲームの現在として、続編も書かれている。
この本も定価2,808円と決して安い書籍ではないのですが、帯付きのほぼ新品が1,200円程度で出ていたので買ってみた。とにかく、ファミコンの開発をされた当事者が書かれていますので、資料としても一級品でその価値は高い。NHKの電子立国、新電子立国とかが好きだった方にもお勧め。幼少期や少年期にファミコンの時代を経験して、ファミコン好きを自認する方ならば、とりあえずもっておきたい一冊だと言えると思います。
おもちゃのすぎやま―小さな町の昭和のおもちゃ屋/斎藤 巧一郎・(新品/有峰書店新社) 1,300円
おもちゃのすぎやま―小さな町の昭和のおもちゃ屋は、有峰書店新社より2013年に発売された写真集。カメラマン斎藤 巧一郎氏の作品で、東京都練馬区桜台で2012年まで57年間営業していたおもちゃのすぎやまという小さな玩具店の日常から閉店までの一年間を追ったもの。
個人の玩具店は、すでに80年代頃から姿を消し始めていたように思います。電子ゲームやファミコンのブームでそれまでプラモデル、人形などの素朴なおもちゃを扱ってきたお店が対応できなくなり、90年代に入るとアメリカからの外圧で大店法が改正されて、米資本の大型店トイザらスが日本各地に進出して行った。その後、2000年代には少子化の影響もあってか、おもちゃのバンバンやハローマックなどの大手資本によるチェーン店が姿を消し、個人の玩具屋さんというのは大変難しい時代になっている。専門の工具や細かな品揃えで固定客を掴んでいる模型店などは、まだちらほら残っていますが、店主の高齢化など跡継ぎがいないことから、そちらも少しずつ減ってきています。
そんな中、2012年まで個人の玩具屋さんを守り抜いた店主の記録と、そこに通った(かっての)子供たちの記憶が写真集の中に封じ込められています。昔は、学校の近くに駄菓子屋や文房具店と兼務している店があったり、ビデオゲーム全盛の頃には駄菓子屋にゲームが入って駄菓子屋ゲームセンターになったり、ファミコン全盛期になると中古ファミコンソフトを扱いだしてファミコンショップへと鞍替えしたりと、そんな多くの人の記憶に残っているだろう、それぞれの思い出の中の玩具店の残像を見ることが出来ます。
店が閉店するということで、商店街の有志が集まり、この写真集が作られたみたいです。東京のど真ん中で、57年間個人のお店を守り抜いた店主(おばあちゃん)の姿に、なにかすごく人生を感じてしまう一冊。
バック・トゥ・ザ・フューチャー トリロジー・ボックスセット・(中古/ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン) 1,170円(+送料350円)
バック・トゥ・ザ・フューチャー トリロジー・ボックスセットは、2003年にユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパンより発売されたバック・トゥ・ザ・フューチャーのDVDセット。定価だと10,000円ほどして、ブックオフなどでは2,980円~3,980円くらいで売られていたと思います。バック・トゥ・ザ・フューチャーのセットは、バック・トゥ・ザ・フューチャー DVDコレクターズBOXとして新しいバージョンが発売されており、旧版のBOXセットが1,000円台になっていたため購入。
バック・トゥ・ザ・フューチャーは、1985年に公開され1990年までに3部作が作られたいわずと知れたタイムパラドックスものの金字塔。好きな映画ベスト10などのランキングでは、常に上位に入る作品。1,000円ちょいと廉価でしたが、ブックレットも付いており綺麗なものだった。3枚組みで、それぞれにメイキングや未公開シーン、NG集などの特典映像などを収録している。
製作はスピルバーグで、監督はロバートゼメキス。主演は、マーティ役のマイケル・J・フォックスとエメット・ブラウン博士(ドク)役のクリストファー・ロイド。その後、マイケル・J・フォックス氏が30歳の若さでパーキンソン病にかかり闘病生活に入ったことでも話題となった。バック・トゥ・ザ・フューチャー PART4の製作が何度も噂されては立ち消えとなり、2015年には、トヨタのCM内でマイケル・J・フォックス氏とクリストファー・ロイド氏の出演により、当時予想されていたものが、どれほど実現したかという短編、長編映像が公開された。
とにかく明るくて楽しい作品。脚本の完成度がやたらと高い作品という印象。この作品とスターウォーズ3部作、インディアナジョーンズ3部作は、80年代のみならずSF映画を代表するトリロジーだと思います。
ルパン三世 - カリオストロの城 [DVD]・(中古/スタジオジブリ) 1,180円(+送料350円)
ルパン三世 - カリオストロの城は、1979年に公開された劇場用ルパン三世の第2作目。宮崎駿氏の初監督作品でもある。スタジオジブリが出来る前の作品ですが、後にジブリがいっぱいコレクションにも収録された。何度もVHS、DVD化されており、これもバージョンによっては宮崎駿監督作品としてはなんとか安く入手できる。
今では名作として認知されていますが、公開当時は宇宙戦艦ヤマトや銀河鉄道999など宇宙を舞台とした作品が流行っていたため、劇場に観客が入らず、宮崎監督はしばらく劇場用作品が作れない事態となった。当時、徳間書店のアニメージュ編集部にいた鈴木敏夫氏の勧めで、アニメージュ誌上で漫画版のナウシカを連載するようになり、そこから鈴木氏との付き合いが始まり、スタジオジブリが誕生する契機となった。
79年当時は、この映画の存在自体を知らなかったよう思います。80年代に入るとアニメージュ誌上で何度も取り上げられたり、テレビ放映が行われたことで再評価が高まってゆき、パソコンやファミコン用のゲームとしてゲーム化もされるようになっていた。宮崎監督の名も一般にはまだあまり知られていなかったと思いますが、すでにコアなアニメファンの間では知名度、評価とも高まっていた。
90年代頃にテレビやVHS版で見たきりだったのですが、改めて見直してみると、やはり凄い完成度。当時の劇場用アニメ映画としては破格の5億円という制作費で作られたが、その後のジブリ映画の水準からすると一桁ほど少ない費用であり、製作期間が足りなくてたった4ヶ月ほどの突貫工事で作られたとは思えない完成度を誇る作品だと思います。
天空の城ラピュタ [DVD]・(中古/スタジオジブリ) 1,388円(+送料350円)
天空の城ラピュタは、1986年に公開された宮崎駿監督の劇場用アニメーション映画。宮崎監督にとってはオリジナルの劇場用作品の第2作目であり、スタジオジブリ作品の第1作目。宮崎監督の初期の作品としては、ナウシカ、トトロと並んで1、2位を争うほど人気が高い作品だと思います。ジブリがいっぱいコレクションは新版が発売されており、旧版のこちらであればなんとかこのくらいの金額で入手できる。
今では、テレビで放送のたびにパルス祭りが開かれるなど人気の高い作品ですが、公開当時は興行収入約11.6億円、配給収入5億8,300万円と、宮崎監督のジブリ作品の中でも振るわなかった。ナウシカは、松本隆、細野晴臣という豪華な布陣によりテーマソングが作られて、安田成美さんがテレビ番組でも歌っため、アニメを知らない一般層にも作品を知る機会があったのですが、こちらはアニメファンでない一般層にはあまり知られていなかった。後のテレビ放送やビデオ化によって、徐々にその知名度が浸透していった。
宮崎監督の映画は、もののけ姫のようにテーマを持っていることが多かったり、トトロや千尋、ポニョなど子供向けに作られることも多いため、単純明快な冒険映画ということで、監督の作品の中でも一番好きと上げる人も多い作品。30年前の映画とは思えない完成度で、今見ても全く古くなっていないところが凄い。
個人的には、劇場公開時には知らなくて、後に地上波かビデオ版で見たと思います。見たときの感想は、未来少年コナンの世界がより広がりを見せて、さらに発展したものという印象でした。当時、インディ・ジョーズシリーズが好きでしたので、古代の遺跡を舞台にした冒険活劇ということにもロマンを感じた。更には、主人公パズーが暮らす町並みや親方、町の人の様子にどこかしらアルプスの少女ハイジの世界観を感じて、懐かしいと思った。
ということで、宮崎監督の作品としても、日本で作られたアニメーション映画としても、冒険活劇ものの映画として見ても、完成度が高く、上位に入ってくる作品だと思います。
がんばっていきまっしょい [DVD]・(中古/ポニーキャニオン) 1円(+送料350円)
がんばっていきまっしょいは、1998年に公開された田中麗奈さん主演の青春映画。監督は磯村一路監督、製作はShall we ダンス?の周防正行氏。1996年に発表された同名の小説が原作となっている。2005年にはテレビドラマ化もされた。
1970年代の愛媛県松山市の高校を舞台に、ボート部の活動を描いている。朝日ベストテン映画祭第1位、1998年日本インターネット映画大賞 日本映画作品賞、キネマ旬報ベストテン第3位などを受賞しており、主演の田中麗奈さんも1998年度 キネマ旬報ベスト・テン 新人女優賞、第22回日本アカデミー賞 新人俳優賞、第36回ゴールデン・アロー賞 映画新人賞など数々の賞を受賞するなど、田中さんの代表作とも言える作品。この作品のチームにより後にウォーターボーイズ、スウィングガールズなど、青春部活動ものの同路線のヒット作が生まれた。
このように評価の高い青春映画ということで手に入れてみました。VHS版も持っているのですが未視聴のため、またいずれネタとして紹介したいと思います。
アイコ十六歳 [DVD]・(中古/アミューズ・ビデオ) 1,100円(送料込み)
アイコ十六歳は、1983年に公開された富田靖子さん主演の青春映画。こちらも、1981年の堀田あけみさんの原作小説を元に映画化したもの。堀田さんは、当時現役の高校生であり、当時史上最年少の17歳で文藝賞を受賞したということで話題となった。いとうつかささんの主演でテレビドラマ化もされている。
物語は、名古屋郊外に住む高校生1年生の日常を描いたもの。主演の富田靖子さんは、この映画のためのオーディションで選ばれ、女優としてデビューした。当時まだ14歳。
ストーリー自体は、高校生の等身大の生活を描いているため、それほど起伏がなく大きな事件も起こらない。ごくありふれた日常生活の中に飼い猫が死んだ思い出話、友人の中絶へのカンパ、憧れの先生の自殺未遂といった、死を匂わせるエピソードが挟み込まれ、元彼の暴走行為による死亡事故でクライマックスを迎える。
誰にも訪れるまぶしくて仕方がない季節を描いており、きらきらとした映画。藤田弓子さんがお母さん役を演じており、その後さびしんぼうでも富田さんと共演していた。この時、藤田さんは30代の後半から40歳位。今では、富田さんがその年齢以上になっていて、誰にとっても一度きりの時間のはかなさも表現している。
80年代はアイドル主演の青春映画が数多く作られましたが、ほとんどはVHSどまりでDVD化されていない。DVD化されても、再販がないものがほとんどで、プレミア的な値段が付いている。そんな中、30年前の作品にも関わらず今でも再販され普通の値段で入手できるということで、この作品もすでに青春映画の名作のひとつとなっているのかもしれませんね。