こちらは、ソフトバンクより1994年に発行されたザ・ナムコ・グラフィティ〈1〉完全保存版!NG総集編&特別編集号。キャロットハウスなどで無料配布されていた、ナムコの広報誌(namco COMMUNITY MAGAZINE)NGを収録したムック本。80年代ナムコもの(ALL ABOUT NAMCO――ナムコゲームのすべて、新明解ナム語辞典など)とか、電波新聞社のものなどは、とんでもない高値が付いていることがほとんどなのですが、こちらは付属のCDが欠品していたことから安めのに入手できた。
NGは、1983年に創刊され、ナムコ直営のキャロットハウスなどに無料で配布されていたナムコのゲーム広報誌で、情報誌のはしりのような冊子でした。この当時だとゲームが発売される間隔も広くて、ナムコの新しいゲームが発表されると、楽しみにしてゲームセンターに足を運んだものでした。
ようやく電波新聞社のベーシックマガジンに、1983年11月頃よりスーパーソフトマガジンというゲーム攻略を専門に紹介した冊子が付き始めた頃で、まだファミ通などのゲーム情報誌も影も形も無い頃でした。そのためメーカー自らが出したゲームの情報というのは貴重だった。
NGだけではなく、80年代ナムコにまつわる周辺の事情にも触れられています。ナムコがスポンサーであった、大橋照子のラジオはアメリカンなども懐かしい。NGは、季刊時代、月刊時代、隔月間時代をへて、1993年4月号のNo.52を経て終了しますが、このムックが発売されたのはすぐ後の94年。そのため94年特別号として、新作のNGが収録されている。このときの特集は、次世代機とリッジレーサー。このムック内では94年の時点で80年代黄金期のナムコは、良かった、凄かったと懐古されていますが、この94~95年という時期はプレイステーションやセガ・サターンが発売されて日本製のゲーム機、日本製のゲームが世界を制した絶頂期とでもいえる時期だったわけで、まだまだ良い時代だった。
というわけで、80年代黄金期ナムコを取り上げつつ、この本自体が94年発行と2重の意味でも懐かしいムック本、ザ・ナムコ・グラフィティ〈1〉完全保存版!NG総集編&特別編集号でした。
チャレンジ!!パソコンアドベンチャーゲーム&ロールプレイングゲーム・通称チャレアベは、1980年代にマイコンベーシックマガジンに掲載されていた山下章氏の連載を別冊としてまとめたもの。80年代当時のPCゲームの攻略法を紹介したゲーム攻略本の先駆けと言えるものです。84年からチャレンジ・アドベンチャーゲームとしてベーシックマガジン誌上で連載を開始し、Ⅰ~Ⅴまで発売されていた。80年代後半にも版を小型化した復刻本が出され、2003年にも復刊ドットコムの企画で再販されている。古い8ビットPCゲームの資料としては、これ以上のものはないため、今でも根強い人気があってアマゾンでもオークションでもプレ値で取引されている。
Ⅲの方は、残念ながら収録数が7本と少ない。チャレンジ!!パソコンアドベンチャーゲーム&ロールプレイングゲームが25本、Ⅱが10本と当時のゲームの内容の高度化、複雑化にあわせて少しずつ掲載本数が減っている。マイクロキャビンのめぞん一刻、うる星やつら、日本ファルコムのイース、工画堂スタジオのサイキックウォー、ウィザードリィⅠ~Ⅲが収録されている。ウィザードリィの攻略は、別にチャレアベでなくとも読めるため、チャレアベの中ではそれほど人気がない号にあたるかもしれません。
何故これを買ったかというと、なぜかアマゾンで新品が売られていたから。このチャレアベは2003年に復刻されて以降、ずっとプレ値が続いてきたのですが、なぜだかこのⅢのみ2016年になってもアマゾンに2回ほど入荷していた。入荷するなり1~2日ほどであっという間に完売してしまっていましたが。
再販されたかなと思って発行年月日を確認すると2003年のまま。Ⅲのみまだ出版社に在庫が残っていたということなのかも。何度かアマゾンや楽天ブックスなどに在庫が復活し、今現在では品切れとなっていることから、最後の在庫だったのかも知れません。ただし、最近まで売っていたということで、まだ新古本や未読本などは見付けられるかも。
ということで、チャレアベとしては収録本数も少なく、いまひとつといった感じなのですが、新しめの再販本が入手しやすいというだけでも貴重。最近になって、当時の8ビットPCゲームを扱った書籍もちらほらと出版されていますが、資料としての価値としては、未だに一線級と言えるものなので、買える機会があれば押さえておきたい一冊。