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MSXマガジン永久保存版2・アスキー

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 こちらは、アスキーより2002年に発売されたMSXマガジン永久保存版の第二弾として、翌2003年に発売されたMSXマガジン永久保存版2。MSXマガジン永久保存版が発売された2002年という年は、アスキーより80年代から90年代にかけて発行されていたMSXマガジンが休刊してから10年目という節目であり、翌2003年はMSXというハードが1983年に誕生してから20周年という節目だった。80年代に発行されていたMSXマガジンが10年ぶりに復活ということで、アマゾンの書籍ランキングで1位になるなど当時は結構な話題となり、その結果MSXマガジン永久保存版は第3弾まで発売された。


 市場では10年ほど前に終了したMSXというコンピュータの規格が、2000年代になってあらためて動き出したということから、当時を知るものには驚きの企画だった。MSXマガジン永久保存版では、公式のMSXエミュレーターであるMSXプレイヤーが紹介され、MSXマガジン2ではUSBでウインドウズPCに接続するとMSXのゲームで遊べるカードリーダーが発表(後に販売)された。MSXマガジン3ではMSXのハードを蘇らせた1チップMSXが登場した。このMSXマガジン第一弾は、アスキーの予想外に売れたようで、MSXマガジン2、MSXマガジン3の発売時にも再販されるほどだった。


 このムックの一番の売りは、当時、市価数千円もした市販ゲームが十数本収録されていること。こちらは、アーケードからMSXやファミコンにも移植されたぺんぎんくんWARS。向かい合ってボールを投げる、卓球とドッチボールを組み合わせたようなゲーム。デパートの電化製品売り場に置いてあったMSXのデモ機でよく遊んでいた。


 アスキーより発売されていた、ロボット対戦のウォーロイド、MSXには珍しかった多人数参加型RPGのダンジョンマスター、ぷよぷよのルーツともいわれる魔道物語1-2-3などが収録されている。


 ゲームも懐かしいけれど、当時の記事を再現したうーくんのソフト屋さん、桜玉吉氏ののんきな父さんなど、紙面そのものも当時のMSXマガジンの雰囲気を再現している。MSXマガジンは、インクが独特の匂いがしていたのだけれど、さすがにそれは無理か。


 なぜ、最近になって2003年という十数年前のムック本を買ったかというと、MSXマガジン 永久保存版1と3だけ持っていて、2は持っていなかったから。保存版3は、2005年当時書店で買い、保存版1の方は同時期にブックオフで買った。2だけ持っていないまま、10年ぶりに3冊揃ったということになる。もうひとつは、この手の書籍はプレミアが付いていて、アマゾンでもオークションでも高かったけど、ここのところ値段が落ちいてきたということもある。保存版1は何度か再版されていて数が多いということと、1と2に収録されているMSXプレイヤーがXP以降のパソコンでは動作しないという事情があるのかも。動かないのは残念だけれど、MSX復活祭りの思い出、記念ということで持っておきたかった。


 この永久保存版2の内容ですが、保存版1が売れたということと、西和彦氏が新しいハードとしてMSXを復活させるということから、期待感に満ちていて楽しい。80年代には孫氏やビルゲイツ氏と並ぶカリスマだった西氏が、MSXという自身が企画したハードを使って新しいことを仕掛けるということが、夢があって楽しいものだった。この02~03年という時点だと、2001年にアスキーを退社した西和彦氏がMSXという規格を使って、何か仕掛けるのではという期待感が持てた時期でもあった。結局、2005年の第3弾の以降は発売されず、その後はMSX関係では表立った動きはないまま。2013年は30周年と言う節目になるのですが、この時はアスキーのウェブマガジンで特集記事が組まれたくらいで、20周年に雑誌とハードが復活した時と比べると寂しいものでした。ということで、MSXという規格自体も懐かしいし、2000年代初頭のインターネットの空気が封じ込められている意味からも、2重に懐かしい一冊でした。

参考:西和彦氏の項、MSXマガジン永久保存版、永久保存版2、永久保存版3・アスキー

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