日本懐かし夏休み大全は、日本懐かし大全シリーズが好調な辰巳出版より、昨年2016年に発売されたムック本。この懐かし大全は、(仮)の状態で予告されてから発売まで数ヶ月はかかるのですが、こちらはかなりのスピードで発売されました。夏休みという時期をねらった企画だったと思います。季節的にちょうどよいので紹介します。
これまでの懐かし大全では、レトロ食品自販機だとか10円ゲームだとか、カセットテープ、アイス、インスタント麺など、ニッチな隙間を狙って企画されたシリーズでしたが、こちらは夏休みということで、より広い層にアピールする一冊になっています。特別編ということなのか他のシリーズ違って版が大型で、ページ数も100ページ足らずと少なめ。価格も780円とかなり安い。書店の店頭に置いてあったら、懐かし大全シリーズを知らない人でも思わず手にとってしまいそうな一般性があります。
内容は、70年代~80年代あたりの小学生位の年代の夏休みを広く扱っている。海水浴、プール、山、キャンプ、夏祭り・・・。夏休みの風景というものは、いつの時代も変わらないと思いますが、風物詩のひとつとして登場してくる商品郡が、そのあたりの年代に焦点を絞っている。
夏休みの友。毎日少しずつ進めていく形式でした。毎日の天気なんかも書かなければならなかったため、溜めてしまうと後で困った。自由研究やら工作などもやりました。
夏の定番、風物詩ともいえる商品郡。CMがいかにも夏という感じがして印象的でした。金鳥の蚊取り線香などは、現在でもほぼ同じものが売られているのですけどね。
冷蔵庫に麦茶などを冷やしてあったアイスポット。家にあったのは、真ん中のオレンジのやつ。今はペットボトルでしょうが、この当時はこれとカルピスが定番だった。
当時のアイスから、家庭で作るシャービック、ゼリーエース、フルーチェ。雪印の宝石箱は、掲示板の懐かしい話題では必ずといってよいほど貼られる定番。それだけインパクトがあったのでしょう。
ビン入りのジュース、スターウォーズ、スーパーカーなどのコーラの王冠。王冠の裏がめくれるようになっていて、そこにイラストが書かれていて、集める楽しさがあった。
朝の6時半には、近所の広場や学校に集まってラジオ体操。自宅に帰ってから朝の子供劇場でアニメを見た。
カブトムシの飼育セットと、今は珍しい昆虫採集セット。今では、安全面から売られることのない玩具のひとつ。やはり今と比べると、おおらかな時代だったんでしょう。
薄い本なので、掲載されている商品数が少なかったり、夏休みに関する思い出やエッセイなどの記事も少なかったりと、喰い足りない部分はあります。しかし、リーズナブルな価格ですし、このようなワンテーマに沿って懐かしものを集めてくれたムックは、それほど多くないと思いますので、この表紙やタイトルにビビットくる人にはお勧め。
参考:日本懐かし夏休み大全・辰巳出版