こちらは、ボーステック社より1986年に発売されたゲームソフト・レリクスRELICS MSXのテープ版。レリクスに関しては、ファミコン版の暗黒要塞とWin版のアンソロジーを紹介済みで、今さら(しかもテープ版を)というところなのだけれども、このパッケージそのものが欲しかったため入手した。当時、MSXのテープ版とMSX2のロム版を所有していたので、思い入れの深い作品になります。
レリクスは、プロジェクトエッグの象徴的な作品であり、ネット上でも攻略記事などが溢れているのだけれども、パッケージ情報は意外と少なかった。本編も変わった作品だったが、パッケージも変わっていた。ということで、少なければ自分で紹介しておきたかった。
パッケージ最大の売りであり特徴が、この発泡スチロール製のレリーフ。ソフトを梱包している保護財が、こんな素敵なオブジェに変身していた。ギーガーのエイリアン風のキャラクターが彫られている。説明書には、これに着色をしたものが掲載されている。
こちらが変わっている点2つ目の説明書。一枚の紙を四つ折りにしたごく簡素なもの。
裏にはスタッフが掲載されている。この当時としては多かったと思うけれど、何百人の人が関わる現在から見れば、きわめて少ないスタッフで作られていた。ゲーム作りが素人にも手が届いた、幸福な時代だったのかもしれない。
マニュアルとは別に、操作法やテープ、ディスクの起動法などを書いた紙が2~3枚付属してきた模様。これが全部そろっていないため、B級品として、安くで買うことができた。
マニュアルは4つ折の簡単なもので、操作法と光と闇が交錯する簡単な世界観しか描かれていない。とにかくあいまいでぼんやりとしており自分が何者なのか、冒険している場所がどこなのかもわからない。はっきりいってこれのみでゲームが理解できる人は少数だろう。ただ雰囲気の演出といった意味では、すごく良い味をだしていた。
こちらが、ゲームを記録したテープ。昔は、フロッピーディスクやロムカセットと並んで、テープもデータを安価に保存するひとつの方法だった。ただ、今となっては果たしてゲームが再生できるのかも定かではないし、フロッピー版、ロム版に比べても敷居が高すぎる。特にこのテープ版は、暗黒要塞もびっくりのあまりにもの惨さだっため、後にロム版との有償交換がなされたほどの伝説級の一品。
こちらがMSX1版のゲーム画面。ただでさえ描写能力に劣るMSX1のさらに解像度の低いモードを使って作られているため、何が動いているのかわからないレベル。当時としても、この表現力は惨かった。レリクスのテープ版は、ゲームを始める前に読み込みをする必要があり、場面が変わると再び読み込みを始める。その間プレイヤーは待つ必要があるということでパソコンの前でじっと待った。
こちらがMSX2版。他の8ビットパソコン版と比べても画面がスクロールするようになり、ロムのため読み込みの時間もないため、かなり快適なものとなった。ただし、メガロムを使ってはいるのだけれど、容量の関係かオープニングが省略された。MSX2版はMSX1版を手に入れてから3年ほど後に、学校近くのリサイクルショップでMSX2の中古(8千円だった)と一緒に手に入れた。その時、PC-エンジンもメガドライブも出ていたので、すでにMSXは懐かしい存在だった。
テープ版の読み込みについては実際に調べた方がいるようで、オープニングデモまで4分22秒、ゲーム開始まで3分55秒、最初のシーンから次のシーンまで3分47秒とのこと。クイックディスクを使った暗黒要塞では約8秒だが、これより更に頻回にロードが入る。ちなみにレリクスにはセーブ機能がないため、死んだら最初から。まあどちらも惨いとこには変わりはないが、そうとうのんびりした時代だった。再び入手してみての再発見としては、この当時すでにバーコードが使用されていたこと、当時のパソコンゲームって高かった印象ですが、テープ版ということもあってか意外とリーズナブルだったことでしょうか。
参考:Wiki レリクス、ボーステックの項、レリクスアンソロジーマニュアル、週間アスキー 懐かしの名作「レリクス」が現行のPCでも遊べるって知ってた?、tyr105店員氏(Twitter)