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任天堂コンプリートガイド -玩具編-・主婦の友社&横井軍平ゲーム館 RETURNS ─ゲームボーイを生んだ発想力・フイルムアート社

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 任天堂コンプリートガイド -玩具編-は、主婦の友社より2014年に発売されたソフトカバー本。任天堂博士としても知られる任天堂コレクターの山崎功氏の著書。


 ファミコン登場までの任天堂の歴史を、その商品を紐解いてゆくことで紹介している。本の冒頭で書かれているが、その製品まで含めたビジネス本ではない任天堂の歴史本はこれまで書かれた事がなく、任天堂本社にも資料が残されていないとのこと。この本は氏のコレクションと膨大な資料を元にして書かれており、そのため前代未聞の任天堂の歴史本になっている。


 花札やトランプ、カルタなどを作っていた京都の小さな玩具メーカーだった頃の商品から、歴史を紐解いてゆく。この頃、いったい誰がこんな世界的な企業になると想像できたでしょうか。


 任天堂躍進のきっかけとなった横井軍平氏の初期の作品、ウルトラハンド、ウルトラマシン、ラブテスター、光線銃など、有名どころはしっかり抑えてある。それらよりも重要なのは、見たことのないボードゲームやらラジコンやら、ペーパークラフト、ブロックなど、膨大な製品群が収められている点。それらの数々の玩具の中であっても、フィギュアとかキャラクター玩具は少なめというかほとんど見当たらず、生粋のゲーム会社だったことがわかる。


 任天堂が飛躍する土台となった、横井軍平氏のゲーム&ウォッチもしっかり収録。ゲーム&ウォッチは、今でもほかの媒体でいくらでも見ることができますが、これがないと任天堂の歴史本にはならない。


 ウルトラマンのボードゲーム。トミーのポケットメイトみたいな、ミニゲームも作っていたことは知らなかった。任天堂の歴史というと、カルタ、花札を作っていて、横井軍平氏がアイデア玩具を発明して、レジャー施設経営で失敗して、ゲームウォッチのヒットで土台を作り、ファミコンでの大成功と簡略化して語られることがほとんどですが、語られない膨大な商品郡がその試行錯誤の歴史を伝えてくれる。


 ベビーカーやファックス、わた飴製造機など、玩具ではない商品も作っていたなんて知りませんでした。


 これら以外にも、任天堂製品のテレビコマーシャル、レジャー施設やタクシー会社等の多角経営など、任天堂に関することがらが多岐にわたって紹介されている。


 分厚い高価格本ではなく、安価なソフトカバー本なのですが、その内容は実に濃厚です。横井軍平氏の横井軍平のゲーム館と並んで、任天堂について知るためには必携の一冊だと思います。すべての世代の任天堂好きにお勧め。


 横井軍平ゲーム館 RETURNS ─ゲームボーイを生んだ発想力は、ゲームウォッチやゲームボーイの生みの親である、元任天堂開発者の横井軍平氏が生前に唯一書かれた本。1997年にアスキーより発売された横井軍平ゲーム館の復刻版で、この本が出るまではプレミアの付いた価格で取引されていた。現在では、ちくま書房より文庫本も出ている。


 いわゆるレトロゲーム本としては、超有名で名著のひとつといって良いでしょう。


 横井軍平氏。横井軍平氏の開発した玩具を一章ごとに分けて、ひとつひとつ解説してある。


 横井軍平氏の唯一の著書といっても、インタビューを起こしたもので牧野武文氏と共著という感じになっている。牧野氏は、横井氏の評伝や任天堂の分析本なども書かれている。


 偉大な発明のひとつといわれる、十字キー。それまでのゲーム機は、大概ジョイスティック式だった。横井氏自身は、そうたいしたものだとは思っていなかった模様で、単にコストと耐久性の問題でこれをファミコンに使用したと述べられている。


 ブルボン小林氏の帯の推薦文に尊敬すべきリア充とありますが、横井氏はお洒落で遊びの上手な方だった模様。イメージだと地味で頑固な技術畑の方という感じですが、超遊び人でスマートな方だった。ゲームウォッチにしても、ファミコンロボットにしても、バーチャルホーイにしても、横井氏の作品はどれも機能だけではなくデザインがずば抜けて良いと感じますが、そこにはやはり氏の美学が表れていたのだと思います。


 レトロゲーム好き、ファミコン好き、任天堂好きな方なら、ぜひ本棚に置いておきたい必携の一冊だと思います。

参考:任天堂コンプリートガイド -玩具編-・主婦の友社、横井軍平ゲーム館 RETURNS ─ゲームボーイを生んだ発想力・フイルムアート社

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