これは、1995年頃に日本で発売されていたTV BOY (TVボーイ)。発売元はNICSとなっていますが、他にも何種類かの名義があったようで、通信販売や雑貨店といったルートで売られていたようです。
これはどういったものかというと、126(127)種類のゲームを内蔵した126in1機。ゲーム内臓型のいわゆるパチモノゲーム機で、FC互換機などでよく見られるタイプのものです。FCとカセットビジョンの中間くらいの解像度のゲームが、126本収録されているのですが、問題はその中身。実はこれに収録されているゲームの元ネタは、FC以前に(米国で)一世を風靡したATARI 2600(VCS)のもの。ということで、パチモノ界の裏王位継承者、あるいはパチモノ界のみにくいアヒルの子とでもいえるマシンなのでした。
昭和な感じと、アジアンな感じが同居しているパッケージ。
デパートの屋上を思い出します。
126(127)種類のゲームを内蔵ということをアピール。そんなに遊べない。
ということでパチモノ界の一人アタリショック、TV BOY本体。これ幾つかバージョンがあるようで、こちらは付属品も少ない簡素なもの。コントローラー型の本体にケーブルやアンテナが付いています。
説明書、ぺら紙一枚。トランスミッターを内蔵し、付属のアンテナでTVに電波を飛ばせます。アタリ規格のジョイスティック端子も装備して、MSX用やX68用ジョイスティックも使用可能と、無駄に高機能。
126種類のゲーム一覧付き。タイトルのみで、遊び方等はなし。オリジナルとは関係ない適当なタイトルが付いています。126種の解説が書かれた虎の巻付のバージョンもありますが、こちらはペラ紙一枚にタイトルが列挙されているのみ。どうやって遊べと。
本体にシールを貼っただけという漢らしい仕様。
デザイン、なにそれ、食えるの?とでもいいたげ。なんだかクール。
裏側。電池で動きます。
こんな感じのゲームが126本。オリジナルがなんだか、さっぱりわからない。本体は、ATARI 2600(VCS)と完全互換いったわけではなさそうで、メーカーの表記が削除されるなど内容も改変されている。
知らない人が買ったら絶句しそう。子供へのプレゼントとかだと泣き出しそう。
ATARIからは正式な互換機もフラッシュバックの名で数種発売されており、それはプレミア価格で取引されてたりもしている。こちらは、数年前に流行ったプラグインTVタイプ。メーカーの許可を取った正式なもので、10種のゲームが内蔵。
ゾルゲ市蔵氏の謎のゲーム魔境・第二弾アタリ編では、発売当時のことが詳しく紹介されています。店頭では100円で投売りされたり、ATARI 2600のゲームが126本収録ということが判明してからは、プレミア的な価格で取引されたりなどあったようです。
ということでパチモノ界の王様と乞食、TV BOY (TVボーイ)でした。
参考:Wiki ATARI 2600(VCS)の項、謎のゲーム魔境/ゾルゲ市蔵・キルタイムコミュニケーション、Classic 8-bit/16-bit Topics