RAMBOランボー 地獄のヒーロー!激闘救出作戦は、1985年にPACK-IN-VIDEOより発売されたMSX用のゲーム。
同じく85年に公開されたランボー/怒りの脱出を下敷きにしており、映画を題材にしてゲーム化した版権もの。好評だったのか、同じく85年にPC-88用にSUPER RAMBO スーパーランボーが、翌86年にはMSX2でSUPER RAMBO Speci スーパーランボー・スペシャルが発売されています。
内容は、ランボーとなって単身ジャングルの捕虜収容所に幽閉されたVIPを救出しに行くというもの。ジャンルは、リアルタイム・ロールプレイングゲームとパッケージに誇らしげに謳われています。
ROMカセットと取扱説明書。版権もののRPGにしては、かなりシンプルにまとめられています。容量は、メガロムすら使っておらず32KBと極少。
版権ものということで、写真を使って簡単なストーリーの説明が。この時代、ゲームも良かったですが、映画も味があって良かったですね。
タイトル画面。シリアスな内容にあまりそぐわない、やけに軽快な音楽が。解像度の低いMSXということでモノクロでランボーを表現。MSX2版では、256色表示を生かして、映画からの実写取り込みになっていました。
ゲーム画面。同時期に発売されたハイドライドに非常に似た印象。4×6の24画面という非常にコンパクトなマップ内に、川や壁で仕切られたジャングル内の要塞が、見事に詰め込まれています。ハイドライドは、PC-88で使われていたZ80Aで直接扱えるメモリ容量(最大64KB)に収まるように作られており、一度読み込んだら再度読み込む必要がありませんでした。(MSXに移植された際には、MSXで標準的だった32KB内に収まるよう作られています)。そのため非常に狭いマップ内に、墓場、城、地下ダンジョン、砂漠、用水路と詰め込まれていて、箱庭感覚が楽しい作品でした。このランボーでも、そのハイドライドの持っていた箱庭感覚が再現されています。
リアルタイム・ロールプレイングゲームと謳われていますが、経験値の要素はなく、アイテム(武器)を入手することで強くなり、食料(パン)を入手することでHPが増える、リアルタイム制のアドベンチャーといった方がふさわしい作り。この頃は、ハイドライド、ドラゴンスレイヤー&ザナドゥ等の影響で、アクティブロールプレイングが大流行でした。またアドベンチャーといっても謎らしい謎はなく、巧妙に組み立てられた4×6の24画面のマップ内を駆け回って、目的を果たすようになっています。もう一つ銃火器を使用すると音で敵に気付かれてしまい、建物内から敵が集団で現れるという要素が組み込まれていました。これを避けるためには、音を立てずに忍び寄り、気付かれないようナイフで倒す必要があり、これは87年のメタルギアに先駆けたステルスアクションでもありました。
4×6の24画面のマップのアドベンチャーですから謎が分かっていれば10〜20分程度で解けてしまいます。MSX実機でやった場合には、コンティニューがありませんので、そう簡単には解けませんが。当時の思い出としては、デパートの試遊機で遊んでいて、何度か通ってやっているうちに、最後まで行けてしまいました。ただ簡単すぎるという悪い印象はなく、当時としてもコンパクトに良くまとまった良作だなあと感じていました。
ということで、版権ものには原作の人気におんぶに抱っこの内容が伴わない作品が多い印象ですが、これは意外なほど良く出来ていました。32KBと極少の容量内に10〜20分の短いプレイ時間が詰め込まれていて、凝縮した世界を体験させてくれるこの頃のゲームは、大作ばかりの今となっては貴重なもののような気がします。
参考:Wiki PACK-IN-VIDEO、ランボー/怒りの脱出の項、retro & blues レトロゲーム攻略