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キャプテンシルバー CAPTAIN SILVER・データイースト/セガ

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 キャプテンシルバー CAPTAIN SILVERは、1987年にデーターイースト社より発表されたアクションゲーム。写真は、88年にセガより発売されたセガ・マーク?版。


 元ネタは、言わずと知れたロバート・ルイス・スティーヴンソンの宝島に出てくるジョン・シルバー(John Silver)だと思います。設定は、ジム青年(小説・宝島の主人公と同名)を操作して海賊と戦いながら南洋の島に眠るキャプテンシルバーの財宝を探すというもの。今の時代でしたら、パイレーツ・オブ・カリビアンかワンピースのイメージで作られるのでしょうが、チェルノブを作ったデーターイースト作品とは思えない、文学の香り漂う格調高い設定になっています。

 
 マーク?版パッケージのイメージイラストも海洋ロマンを思わせる世界文学の挿絵みたいな感じですが、海賊船らしきところに、原住民みたいな男がまぎれ込んでいたり、アラビアンないでたちの大男がいたり、かもめが飛んできたりと、どこかカオスの香りを漂わせます。


 パッケージ。マーク?用ソフトは89年で製造を打ち切られているため、かなり後期のもの。(ほぼ)セガ一社のみで供給されていたため、初期のものと変わらずさすがにフォーマットは統一されています。


 ゴールドカートリッジといいつつ、黒のロムカートリッジ。白も多かった。


 ゲームは横スクロール型の魔界村のようなアクションゲーム。主人公の武器は剣で、妖精を取るごとにパワーアップをして衝撃波を放てるようになります。最初のステージは、中世ヨーロッパの町が舞台、そこからボートを使って海賊船に乗り込み、南洋の宝島に渡って洞窟を抜け、キャプテンシルバーの亡霊が守る財宝へと辿り付きます。BGMにグリーグ作曲の「アニトラの踊り」「山の魔王の宮殿にて」が用いられており、特に最初のステージでは、絵本から抜け出したようなファンタジックで幻想的な中世ヨーロッパの町並みが印象的です。


 とここまでは、なんだか格調高い文学の香りがするファンタジー世界なのですが、そこはデーターイースト。なんだかよくわからないけど怪しい空間を作り出しています。最初のステージに出てくる雑魚は狼男、ハメルーンの笛吹き男、魔女、ジャックランタン、猫、こうもりと、海賊にどこが関係するのかわからない脈絡の無さ。南洋のステージに渡ってからは、カモメにトビウオ、カニや原住民、黒ヒョウなどなど、選択の基準が良くわからない敵が主人公目がけて襲ってきます。


 こちらは、ゾルゲ市蔵氏の謎のゲーム魔境。4ではついにデーターイースト(とビック東海)で一冊本を作ってしまいました。


 ゾルゲ氏のキャプテンシルバー評−20点。ちなみにセガ・マーク?だけではなく、FCにも移植されています。


 実は、マーク?版は意外に出来が良い。サイクロプス(Cyclops)やドラゴンなど、オリジナルのボスが追加されており、ハリーハウゼンテイストも盛り込まれています。後期のため、2メガにFM音源対応と無駄に豪華。


 セガ・マーク?までは、ほとんどセガ一社のみでソフトを供給しており、サードパーティという考えはあまり無かった模様。後期になって、ようやくバブルボブル(タイトー)、Rタイプ(アイレム)、覇邪の封印(工画堂スタジオ)、イース(日本ファルコム)、ダブルドラゴン(テクノスジャパン)など他社作品がセガの手により販売されましたが、時すでに遅し。登場時には、スペースハリアーやアフターバーナー、アウトランなど体感ゲームを次々と移植するなど、8ビット機とは思えない輝きを見せたセガ・マーク?ですが、ひっそりと消えていきました。それにしても、なんでキャプテンシルバーだったんでしょうか。


 ということで、世界観も開発意図も、マーク?に移植された経緯もよくわからないカオスな海洋冒険ファンタジー・キャプテンシルバー CAPTAIN SILVERでした。



参考:Wiki キャプテンシルバー、ジョンシルバー(宝島)、セガマーク?のゲームタイトル一覧、謎のゲーム魔境4/ゾルゲ市蔵

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