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Wizardry 7 Crusaders of the Dark Savant /ガーディアの宝珠・Sir-Tech/ローカス・データーイースト

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 Wizardry ? Crusaders of the Dark Savant(邦題はガーディアの宝珠)は、1993年に米国Sir-Tech社より発表されたWizardryシリーズの7作目。


 シナリオの6から8は、オリジナルの製作者2人が抜けて、リルガミンの街を廃止し、それまでの魔法の体系も大きく変えるなどシステムが大幅に変更されており、新ウィズとも呼ばれています。この3作品は、ストーリーもつながっており、真ん中にあたる本作では、宇宙生成の秘密を隠したとされるアストラル・ドミナを求めて、惑星ロスト・ガーディアを探検するものとなっています。邦題のガーディアの宝珠は、これを指しています。


 ウィザードリィ7は、オリジナルのIBM PC版を初め、国産PCではPC-9801、FM TOWNSなどに移植されており、1996年にはWindows版がWizardry Goldとしてリメイクされています。こちらは、1994年にPS初期に移植されたプレイステーション版(SCE/ソリトンソフトウェア)。


 プレイステーション1初期に、ウィズの新作として鳴り物入りで発表され、その後も中古品が安い価格で出回っため、おそらく最も多くの人に遊ばれたと思われるウィザードリィ7です。キャラクターなども日本向けにローカライズされており、PSの性能を生かしてグラフックスやアニメーションも強化されています。しかしPS初期の製作であったため、PSの仕様書を鵜呑みにして作られており、致命的にロードが多く、スピードも遅い。これが日本でのウィズ7の評価を決定付けてしまったと思われます。


 ロストガーディアの地図付き。新ウィズになって、ダンジョンから屋外中心の冒険へと変わりましたが、いくつもの異なった地形のマップがつながっているという印象だったウィズ6に比べても、広大なマップ内に街が点在している形になって、より自然なものになりました。


 こちらは、1996年に出たセガサターン版、ウィザードリィ?&?コンプリート。6と7が一緒になったお徳版。6と7は、6の最後が7のオープニングへとつながるキャラの移動を前提としたシナリオのため、ある意味理想の形。残念ながら、バグや速度の問題などから、これも評価が高くない。


 2枚組みっぽい大きなケース入りですが、CDROM1枚。2作品がカップリングされているということを示すため、あえてこの形にしたのでしょう。


 こちらは、グラフィックスはオリジナルに近くなっています。これまた残念ですが、オリジナルのグラフィックス自体がかなりバタ臭いので、末弥ウィズに慣れ親しんだ日本人には、どう考えても受けそうには無い。


 実は、PS版も7から8へキャラを移動させることが予定されていたそう。ウィザードリィ8の開発が難航し、その間に新シリーズを主導してきたデイヴィット・W・ブラッドリー氏(David.W.Bradley)も辞めてしまい、Sir-Tech社が倒産するなど、新ウィズはどうも恵まれていませんでした。PC版の8を発売していたローカス社もゲーム事業より撤退しており、コンシューマへの移植もされていないためウィザードリィ8で遊ぶことは、かなり困難になっています。


 ウィザードリィ?&?コンプリートの発売元は、あのDATA EAST社。数々の名作、奇作を送り出してきた、このデコ社も今はもうありません。



 Windows版であるWizardry Goldは入手しがたいため、今となってはPC版の7を遊ぶためには、最も現実的と思われるのが、ウィザードリィ・コレクション版。PC-98版の1〜7までをエミュレータを使ってWindows上で動かしています。8は、これにも未収録。もっとも販売元が前述のローカスのため、これも入手困難になってます。


 ウィザードリィの権利関係は、カナダSir-tech社より日本の会社が取得しているそう。ここがリメイクしてくれないと、新ウィズ関係は止まったままになってしまいます。残念ながら、新作は日本オリジナルのウィズばかりというのが現状のようです。せめて8まで入れた、ウィザードリィコレクション・コンプリートは出せないものでしょうか。ウィズ6は、アスキーのPC-98本甦る98伝説に収録されたため、まだ遊べる余地もあるのですが。


 攻略本。攻略本を見ても解けないといわれるほどの、膨大な謎、データ、ゲームバランスのため、公式ガイドブックは完全攻略編とデータ編の2冊組み。左側の普通の厚さの攻略本では、なかなか最後まで行けないと思います。


 セガサターン版では、無茶なことに攻略本も2本まとめて。正解ルートのみ記してある、フローチャートみたいな作りになっています。


 ウィザードリィ・コレクション版には、攻略本は無いと思われますが、近いのが書籍版ウィザードリィ・コレクション。Apple II版の1〜5の攻略と、Apple II版エミュレータ用イメージファイルが収められています。残念ながら、こちらもローカス発行のため絶版。


 ここからは、ウィザードリィの歴史。ファミコン版1〜3とSFC版5は、遠藤雅伸氏率いるゲームスタジオ製作のアスキーより発売されました。アスキーは、PC-88、98などの国産PCへも移植を手がけていましたが、残念ながらこの会社もありません。


 こちらも同じ布陣で作られたGBC版。ゲームスタジオは、SFC版1〜3も手がけています。バンダイよりWS版が発売されたことも。


 ということで前述のロード過多&重い&遅いことに加えて、オリジナルでは6よりキャラクターをコンバートすることが前提のゲームバランスになっているものを、6が出ていないプレイステーションに、そのままデータを移植している仕様(PC版は、調整されている)のため、大変遊びにくくなっています。絶妙なゲームバランスがウィズの売りの一つだったのですが、そうとう難しい微妙なゲームバランス。正統派ファンタジーだった6までと比べても、宇宙へと飛び出し、ライトソードや銃なども登場し、ダースベーダーみたいなラスボスと戦うなど、B級SFの世界観になったのも、不人気の一因だと思われます。


 とここまで書いてきて、個人的にはシリーズ中でも最も好きな作品で、これまで経験した全RPG中でも1、2という位置付けです。理由はいくつかありますが、惑星ガーディアにはアストラルドミナを狙ってダークサーバント(暗黒の科学者)、ティーラング(エイリアンのような種族)、アンパニ(サイのような種族)が訪れています。これに加えて、ゴーン(戦士、侍系)、ダーン(魔術師系)、ムンク(モンク)、ラットキン(盗賊、忍者系)、ヘラゾイド(バルキリー)という原住民の種族がいます。かれらは、それぞれ軍隊組織を持っており、対立していたり戦争状態にあるなど、複雑な関係を持っています。これら、登場する種族それぞれに拠点となる町があり、ゲームの中心となるニューシティへは全ての種族が集まっているなど、シリーズ中で最もスケールの大きな世界観を誇っています。


 プレイヤーのパーティは、これらの種族の助けを借りたり、裏切ったりしながら、目的のアストラルドミナを探索していきますが、基本的に道順やクエストの順序は決まっておらず、かなり高い自由度を持ちます。それぞれの種族にはキーとなるNPCがおり、その中でも何人かは最終目標を求めて、プレイヤー同様に探索を行っています。プレイヤーの知らないところでNPC同士の戦いが行われ死んでいたり、プレイヤーがたどり着いたときには、宝物がすでに他のNPCに奪われた後だったりします。これによってシナリオが変わってくるなど、現在のオンラインゲームにも似た自由度の高さと、スケールの大きさを誇っています。また、ゲームバランスが微妙で難しいとも書きましたが、6〜8中で唯一1人旅が可能になってるなど奥の深さも持っていて、あのムラマサよりも強力な武器ケーンオブコープスなども登場します。


 スケールの大きさと処理の遅さからシリーズ1〜6までを全部遊ぶのと変わらないくらい時間がかかるといわれています。私が遊んだ、最後の(その当時の)新作RPGでもあります。今となっては、このような作品はもう二度と遊べないでしょう。

参考:Wiki ウィザードリィ、ウイザードリィのシリーズ一覧の項、ウィザードリィ・コレクション書籍版/ローカス・ウィザードリィ7 ガーディアの宝珠を攻略するページ

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