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デジコムサッカー・エポック社

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 これは、1980〜81年頃にエポック社より発売されたデジコムサッカー。


 デジコム9(ナイン)、デジコムフットボール、デジコムベースボールに続く、デジコムシリーズのスポーツもののひとつ。この薄型のデジコムシリーズの最後でもあります。野球ゲームは当時の野球人気もあって、バンダイのベースボール・スーパーベースボール、学研のベースボール1〜3、モリタニのマイコンベースボール・盗塁王など数多く発売されていたのですが、沢山の選手を動かす必要のあるサッカーゲームはとても少なかった。キャプテン翼人気から、液晶のゲームが数種出ていたくらいでした。


 そもそもアーケードゲームですら、83年のアルファ電子のエキサイティングサッカーまでは、パスやシュートを繋げる本格的なものはほとんどなかった。そんな中、キャラ人気に頼ることも無く、本格的なサッカーゲームを作り上げています。


 取り説。ルールが独特なので、ないと遊び方を理解するまで大変。


 ひとチーム、C.F(センターフォワード)、R.H、L.H(ライト&レフトハーフ)、G.K(ゴールキーパー)と4人編成の変則的なルール。C.F(センターフォワードとG.K(ゴールキーパー)は、プレイヤーが操作し(一緒に動く)、R.H、L.H(ライト&レフトハーフ)はコンピューターが操作します。


 (スライディングは再現されてませんが)敵のボールを奪ったり、逆サイドにシュートを打ち込むなどのテクニックも紹介。 


 箱から出したところ。初期デジコムは、薄型で梱包もシンプル。当時8,000円近くした玩具なので、少し素っ気無い感じ。これ以後のスーパーギャラクシアン、スペースディフェンダー、ドラキュラハウスでは、大型で豪華な箱入りになりました。


 1人でも2人でも遊べるよう、両側にコントローラーが装備されています。サッカーを連想させるサッカーグラウンド型の筐体が素敵。デジコム9では球場型でしたが、内容と本体がリンクしているところが電子ゲームの良い点。


 グリーンで塗られたスクリーン周りが、青々とした天然芝を連想させる。


 ゲームとは直接関係ないですが、観客席も再現。気分を盛り上げます。


 操作は、C.F(センターフォワードとG.K(ゴールキーパー)の操作ボタン、シュートボタン、電源、PRO/AMAのレベル、1人用2人用の切り替え。サウンドのON/OFFが無く、やかましい電子音が鳴り響きます。


 ゲームスタート、キーパーを除くとフィールド内にいるのは3人と寂しい。


 横5列しかスペースが無く、パスボタンやボールの方向の蹴り分けもありませんので、独特なルールを採用しています。真ん中3列でキックすると真っ直ぐボールが飛び,両サイドでキックすると逆方向に飛びます。


 オフサイドは再現されていませんが、ゴールキックやスローインは再現。シュートが決まると選手が駆け回る演出も。


 後のサッカーゲームでは、ボールを持ったキャラをプレイヤーが操作することが可能になり、他のキャラをコンピュータ操作にすることで、大人数を一斉に動かすサッカーのルールを再現していました。これは最初期のものということで、操作できるキャラを1人(+ゴールキーパー)に絞っています。


 面白いかどうかは、良くわかりませんが、一応サッカーゲーム(らしきゲーム)としては成立しています。対戦したら楽しいのかも。


 Jリーグ発足後は、Jリーグ人気、日本代表人気もあって、SFCの時期にはサッカーゲームが氾濫しました。この時点では、まだサッカーが脚光を浴びる前でした。実に玄人好みの渋いゲームに仕上がっていると思います。


 この頃だとキャプテン翼の人気もあって、前述のエキサイティングサッカー(83/アルファ電子)、トラックボールを使用したテーカン ワールド カップ(86/テクモ)、家庭用では任天堂サッカー(85/任天堂)など、じわじわとサッカーゲームが登場していました。写真は、シミュレーションを使用したテクモの意欲作キャプテン翼(88/テクモ)


 ウイニングイレブンシリーズの源流とも言える(?)コナミのサッカー。セガからもチャンピオンサッカーが発表されていました。


 それ以前だと、トミーのLEDを使ったゲームにもサッカーがあったようです。点滅するボール(LED)を追っていく、まだ雰囲気だけを再現したものだったよう。これより前だと、エポック社が出していた野球盤のサッカー版みたいなボードゲームもありました。


 当時の思い出としては、野球のLSIゲームは遊びましたが、こちらは遊んだことはありませんでした。7,000〜8,000円する高価な玩具でしたので、インベーダーやパックマン、ギャラクシアンなど、アーケードからの移植のような派手なものに目を奪われていました。買ってもらうとしても、そのようなものをまず優先しただろうだと思います。


 ということで、玄人好みの激渋なゲーム性がイカス、エポック社のデジコムサッカーでした。

参考:Wiki サッカーゲームの項、デジコムサッカー取扱説明書(エポック社)

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