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太陽のしっぽ WILD・PURE・SIMPLE LIFE・アートディンク

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 これは、1996年にアートディンクより発売された原始生活ゲーム、太陽のしっぽ WILD・PURE・SIMPLE LIFE。

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 あまりにも古いネタが続きましたので、新めのものを。といっても、18年も前のものになります。プレイステーション1の時期に数多く発売された、ゲームという枠組みを超えた実験的な作品のひとつ。ジャンル分けが難しいですが、アクション、謎解き、成長の要素を組み入れた、シミュレーションといったところ。作者は、アクアノートの休日、巨人のドシンの飯田和敏氏。

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 WILD・PURE・SIMPLE LIFEの副題が付いており、裏面の解説にはけものをみがけ!のコピーが。原始生活ゲームの名のとおり、原始人となって原始生活を体験するという内容。今ではクソゲー扱いされることも多い作品ですが、当時のファミ通では8、8、8、6の40点満点中30点と、殿堂入りシルバーの得点を与えられるほどの評価がされていた。

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 作者の飯田和敏氏が、多摩美術大学油絵科卒ということもあって、パッケージにもアートよりの雰囲気が漂う。当然、当時としてもそれが売りだった。

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 説明書とCDにもアートイメージで統一されている。なんだかんだいっても、このような作品は他にはなかった。

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 ゲームは、原始人となってポリゴンで作られた仮想の原始世界を自由に散策するというもの。仮想の海を散策するアクアノートの地上版といった趣。実在する魚を使いリアルさを売りにしていたアクアノートとは異なり、原始人も動物もコミック調になっている。日が昇ってやがて日が沈む原始世界を走り回っていると、いきなり原始人が寝てしまい操作不能になるなど、従来のゲームという概念からははみ出す要素があちこちに加えられていた。

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 ゲームの文法的な方向からは、落ちている食べ物アイテムを食べることで成長する要素が入っている。原始人は、生命力、腕力、ジャンプ力、繁殖力など様々なパラメータを持っているが、マスクされておりプレイヤーからはわからない。落ちているアイテムを食べることで、少しずつパラメーターが上がる。各地に散らばる遺跡から紋章を入手することでも、水泳が可能になったりとパワーアップする。

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 基本的に自由で、しなけらばならないことは少なく、やりたいようにやるのが目的のデザインだが、ゲームの文法的な目的やエンディングも入っている。繁殖力を上げて仲間の原住民を増やし、パワーアップしてマンモスを狩れるようにする。マンモスの牙を持ち帰り、牙をくみ上げて塔を作って太陽のしっぽに到達するというもの。マルチエンディングとなっており、シュールなエンディングが数種類ほど用意されている。

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 あちこちにシュールな要素や、前衛的な試みがされており、(子供でも遊べないことは無いが)大人向けの作品。ファミコンで大きくなった子供が、そのままプレイステーションに移行して、ゲームが子供のものではなくなり始めた時代を示している。

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 プレイステーション初期に登場して、非ゲーム的な作品として話題となったアクアノートの休日。プレイステーションでは、それまでゲームをしなかったライトユーザーの取り込みとともに、ゲームの枠をはみ出す試みが多くなされていた。

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 特に決まった目的も無く、ポリゴンで形成された仮想空間(仮想の海)をうろつく、環境ソフトの走りともいえる作品。アクアノートの休日は、ヒットしたため続編がいくつも作られた。

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 アートだとか、お洒落方向の意匠を施されていたのも、この時期の非ゲーム的作品の特徴。プレイステーション自体が、ROMカセットに代わりCD-ROMを使用していたりだとか、AV機器やウォークマンのような音響機器の様でもあった。

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 飯田氏の作品ではないが、同じアートディンクの環境ソフト的な風のノータム。気球で自由に空の散策を楽しむというもの。ゲーム性はかなり低かった。

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 アートよりではないが、同じような方向性のエニックスのグーグートロプス。マンモスを狩るのが目的で、原始人がいきなり寝てしまうなど、太陽のしっぽからの影響が見られる。変わった方向性のゲームとしては、エニックスにはAI(人工知能)を使用したアストロノーカという作品もあった。

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 見た目は普通のゲームっぽくなってますが、これもかなり変わった作品のよう。プレイステーション1の時期には、このような非ゲーム的な変わった作品が一つのジャンルになるほど数多く出ていた。

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 個人的な感想としては、広いのだけど延々と同じ風景が続く作りなので、すぐ飽きます。プレイステーション初期には効力のあった、アートっぽい方向性というのも現在では効力を失っています。ただ、原始世界を自由に散策できるという体験は、してみたいかと問われればしてみたいと思えますし、それをかなえられるという意味では、現在でも十分通用するのではないかと思います。プレイステーション出始めの頃は、様々な新しい試みがされて、ファミコンなどの頃に匹敵する位、わくわくさせられるような時期だったよう思います。

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参考:Wiki 太陽のしっぽ、アクアノート休日、飯田和敏、アートディンクの項

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