プロジェクトA(A計劃、Project A)は、1983年に公開された香港映画。
ジャッキー・チェンのデビュー10周年に、主演、監督、武術指導、脚本をジャッキーが勤めた記念すべき作品。構想4年、製作に2年を費やしたジャッキーの代表作にして、未だに最高傑作と言われることも多い映画です。また、それまでの酔拳、蛇拳、ヤングマスターなどの古典的な香港カンフー映画から、スピードを重視した現代的な作風へと脱皮を遂げた作品でもあります。
舞台は、1900年代のイギリス植民地下の香港。ジャッキー扮するドラゴンの所属する水上警察と、ユン・ピョウ扮するジャガーの陸上警察が、反目しながらも協力して、香港の海を荒らす海賊を退治するストーリー。そこへサモ・ハン・キンポー扮する盗賊も絡んできて、当時の香港映画3大スターにして中国戯劇学院の七小福3人組が競演した作品でもありました。
当然、日本でもヒットを記録して、ブルースリーとは異なるコミカルカンフーで注目を集めていたジャッキーの人気が、本物へと変わるきっかけとなりました。中でも有名なのが、20メートルの時計塔からの落下シーン。危険なアクションもスタントを使わず自分でやることが香港時代のジャッキーの売りであり、CGもない時代ですから、実際に3回も落下しています(本編とNG集で3回とも見れる)。その他にも、今見ると計算されつくしたアクションが詰め込まれています。また、若いためハリウッド進出以降のものと比べても、アクションの切れが格段に速い。
80年代以降のジャッキー人気を決定付けた作品で、続編としてプロジェクトA2、3大スターの競演作として、スパルタンX、サイクロンZと、続々とジャッキー映画が作られていきました。この時代のジャッキーは、バトルクリークブロー、キャノンボール、プロテクターとまだハリウッド進出は成功していませんでしたが、日本での人気は最高潮に達していたと思います。
続編プロジェクトA2。サモ・ハン、ユン・ピョウの3大スター競演はなりませんでしたので、幾分か地味。それでもゲーム化されるなど、注目を集めました。個人的には、ポニカから発売されてたMSX2版が印象深い。
2004年に講談社より発売されたジャッキー本、ジャッキチェン最強伝説。マイナーなものからメジャーなものまで、ジャッキー主演の映画を紹介しています。
当然、このプロジェクトAは、ジャッキー映画の金字塔という扱い。
当時の思い出としては、劇場に見に行ったよう記憶しています。この頃は、2本立て3本立てで入れ替えもありませんでしたので、新作から、日本で公開されていなかった旧作、主役でなくカメオでゲスト出演したものまで含めて、次々とジャッキー映画が上映されていました。まだゴールデン洋画劇場など、地上波でも頻繁にカンフー映画が放送されていました。その後の漫画やゲームなどに与えた影響も大きいものだったと思います。
ということで、明るく楽しい80年代ジャッキーを象徴する一本。ジャッキー・チェンのプロジェクトA(A計劃、Project A)でした。
参考:Wiki プロジェクトA、ジャッキー・チェン、サモ・ハン・キンポーの項、ジャッキーチェン最強伝説/講談社