ポリス・ストーリー/香港国際警察 Police Story 警察故事は、1985年に公開されたアクション映画。
ジャッキー・チェンが監督・脚本・主演・武術指導をこなし、香港映画50周年記念として公開された作品。プロジェクトAと並んで人気、評価とも高い作品で、ジャッキー自身もベストの作品に上げたり、お気に入りの一本としている。大ヒットとなり続編が4本も作られて、2004年には香港国際警察/NEW POLICE STORY(新警察故事)として新作も作られている。
物語は、香港警察のチェン刑事は大掛かりな捜査の末、香港最大の麻薬組織のボス、チュウ・タオを捕まえることに成功する。チュウを有罪に持ち込むため、裁判を維持するための証人の保護にチェン刑事が当てられるのだが、その過程でチュウの罠により濡れ衣を着せられてしまう・・・。
現代劇のため荒唐無稽でコミカルな要素は少なく、わりとリアリティを重視した内容になっています。ただ、乗りに乗っている時期のジャッキー映画のため、ストーリーとは直接関係のない部分にギャグが散りばめられています。警察署で留守番をしているジャッキーの元に次々と電話がかかってきて、4、5人と同時に話しているうちに会話の内容が混線してしまうという、ドリフのコントみたいなことやっています。
しかしこの作品で話題となったのは、やはりスケールの大きなアクション。オープニングではスラム街に車ごと突っ込み、斜面を駆け下り傘を使ってバスに飛び移ってチュウ・タオを逮捕します。ラストではデパートを舞台に大立ち回りを繰り広げ、クライマックスにはプロジェクトAばりのポールを滑り降りる落下シーンが用意されていました。これらは、日本のバラエティ番組でも取り上げられるなどしましたので、ジャッキーアクションの中でも特に有名なシーンの一つだと思います。
宣伝にも使われたポリスストーリーの顔とも言える白バイに乗るジャッキー。実は、劇中では白バイで活躍するシーンは無い。
この頃は、若くて乗りに乗っている時期のため動きもシャープで、なおかつワイヤーや特撮も使っていない本物のアクションを見ることが出来ます。公開当時は全然知りませんでしたが、これらのジャッキーのアクションやスタントには、アメリカのトーキー時代の喜劇役者バスター・キートンやハロルド・ロイドの影響があったんですね。後年、ハリウッドで認められたのも、これらによる部分も大きかったのかも。
2004年に講談社より発売されたジャッキー本、ジャッキーチェン最強伝説。
ジャッキーの代表作の一つにして、ジャッキー自身のマイベストムービーという紹介のされ方をしています。
うっちゃんもまねした有名なバスのスタントシーン。このようなシーンからもバスター・キートンの影響やオマージュが見て取れます。
カンフーアクションもとにかく技の切れがいい。後年のハリウッド進出後のものと比べると、とにかく動きまくる。日本での人気も最高潮の頃で、まさにジャッキー全盛期を代表する一本。
ヒット作のため続編がたくさん作られているのですが、88年のポリス・ストーリー2/九龍の眼では、なぜか公開時のタイトルは九龍の眼/クーロンズ・アイのみでポリスストーリーの文字は無し。96年の第4作目警察故事4ではファイナル・プロジェクトと、こちらもポリスストーリーの文字はない。そのくせ94年の重案組には、関係ない作品なのに新ポリス・ストーリーの邦題が付けられています。また2004年の香港国際警察/NEW POLICE STORYは、新警察故事と続編ですがストーリー上の繋がりはありません。ポリスストーリーのタイトルを使って宣伝したいんだか、したくないのだか、よくわからない。
当時の思い出としては、劇場に見に行ったと思います。この頃は、ゴールデン洋画劇場や日曜ロードショウなどでも盛んにジャッキーの映画が上映されていました。ファミコンではありませんでしたが、ポニーキャニオンよりMSXにゲーム化もされていて、デパートの試遊機などで遊んでいた思い出もあります。このポニカのジャッキーゲーム(プロジェクトA、スパルタンX、プロテクター、ポリスストーリー、プロジェクトA2)、面白くないんだけど、なぜかやってみたいと思わせる不思議な魅力がありました。
ということで、ジャッキー全盛期を代表する一本、ポリス・ストーリー/香港国際警察 Police Story 警察故事でした。
参考:Wiki ポリスストーリー、ジャッキーチェン、バスター・キートン、ハロルド・ロイドの項、ジャッキーチェン最強伝説/講談社