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Boxing(ボクシング)・バンビーノ

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 これは、バンビーノ社が1979年に発売したBoxing(ボクシング)です。蛍光表示管を使用したFLゲームの中でも、かなり初期のゲームになると思います。


 1978年にインベーダーゲームが発表され大ブームが起こります。学校でゲームセンターへの出入が禁止されてしまうなど、社会現象にまでなりました。家庭でそれを遊びたいという需要は大きかったと思いますが、当時のTVゲームは値段も高く性能もまだインベーダーが出来るほどのものではありませんでした。その需要を埋める形となって次々にインベーダー風の電子ゲームが発売されました。


 BOXアートが秀逸な外箱。本体もでかいが、箱もでかいです。

 しかし最初から液晶や蛍光表示管があった訳ではなく、最初は電子回路をもたず電気の点滅などでそれらしくみせた、いわゆるエレメカから始まっています。次に表示部にLEDを使って、制御は電子回路が行なうLEDゲームが登場してきます。バンダイのミサイルベーダーやLSIベースボールなどが有名。その後に表示に蛍光表示管を使ったFL機が登場してきました。出始めの頃は、FLゲームはかなり高価な玩具でした。(LED機が5,000円〜位だったのに対して、1万円近い価格)。1980年くらいになると、国内メーカーがノウハウを蓄積して安い金額で発売されるようになり、当時の玩具の中心的な位置を占めるようになりました。


 バンビーノは、ブームの初期に幾つかのFL機を販売していました。これはその頃の物で、同時期発売にスペースレーザーファイトもありました。技術も(ゲーム用には)出始めの頃ですから、色数も1色でしかも本体の大きさに比べて表示部も小さくてどこか電卓みたいです。(現在では9色以上表示可能なんだとか)。ゲーム内容もまだ複雑なものはできず、洗練されているとは言い難いです。


 電子ゲーム界のフェラーリ?と評される、高級感漂う筐体。当時9,750円という、ほとんど一万円に近い圧倒的な価格。まだ出始めのFLゲームで、しかもこんな価格帯のものを子供に買い与える家庭とは、やはりお金持ちか。


 対戦が可能。操作部もいちいちお洒落。


 まるでヨーロッパのブランドのような、クールなバンビーノロゴ。


 本体の注意書きもすべて英語表記。特別なもの感を醸し出しています。

 バンビーノの本体デザインは造型の専門家が行なっていたそうで、印象的で記憶に残るものが多く出されていました。(デザイン的に優れたものが多かった)。これもそういう意味では、なかなかインパクトのあるデザインとなってます。高価だったため、子供向けというよりは、ある程度の高年齢層を狙ったのかも。あるいは、最初から海外を見越していた商品ということもあるのでしょうか。


 とても子供向けという感じはしません。今見てもシビレル。


 箱裏の説明書きも全て英語表記。説明書には、日本語のものがついてました。


 ちゃんと日本製、MADE IN JAPANの文字が。エミックス株式会社の表記も。


 当時は、デパートのショーケース内の目立つところに鎮座しており、購入する対象とはならなかったよう記憶してます。身近でも持っていた人はいなかったような。ただTVCMも打たれてましたので、知名度は高かったように思います。

参考:CVS ODYSSEY、帰ってきた電子ゲーム、8bit年代記/ゾルゲ市蔵・マイクロマガジン社

2006年10月9日の記事を、加筆・修正して再構成。

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