これは、2014年に株式会社ウィズより発売されたオレのRPGノート。ジャンルは難しいところですが、ゲームブックの新作ということで良いと思います。
コンセプトは、授業中や勉強中にノートに落書きした、俺の考えたロールプレイングゲーム、あるいは俺の考えたゲームブックを再現したもの。学習ノートの体裁を取ったB4サイズ90ページの本に、前半50ページにはゲームブックが、後半40ページは普通の罫線の入った白紙のノートが収められています。株式会社ウィズは、たまごっちやデジモンの開発元で、自社オリジナルの雑貨や貯金箱なども開発しているみたいです。
80年~90年代辺りにゲームブックやロールプレイングゲームに親しんだ層には、誰しも自分お手製のロールプレイングやゲームブックを、夢想した経験があるんじゃないでしょうか。その狭い隙間のストライクゾーンに投げ込まれた、アイデア勝負の一種のお洒落雑貨(文具)という感じでしょうか。ほとんどアイデアだけで成り立っているような商品であり、この着眼点は凄いと思います。
帯を外すとこんな感じ。ジャポニカやコクヨのノートブックのような体裁を取っています。名前欄には、職業のほか、レベル、HP、MP記入欄も。レジェンドオブシャイニングイージスサーガという、壮大で頭の悪そうなサブタイトルもいかにもな感じ。いきなりエピソードⅣとかなってるし。
ゲームブックだと記録用紙にあたるキャラクターシートも付いている。しかもカラー。アイテムはシールになっており、アイテムや情報を入手した後で、キャラクター用紙に貼り付ける形になっている。洒落たアイデア雑貨(文具)の側面もあるため、実際に貼り付ける人や書き込む人は少ないかと思いますが。
前半のゲームブック部分は、ノートの落書き風。項目こそ少ないですが、パズルやクイズなども仕込んであって、意外と本格的なつくりになっている。ゲームブックではお約束の余白に印刷されたサイコロも再現。芸が細かいですな。
このRPGノートと連動してスペシャルアプリも無料配信されている。このアプリを使うことで、よりRPGノートの世界が堪能できるという仕掛け。このグッズのすばらしいところは、価格がリーズナブルなこと。これだけやってあって555円ほど。発売当初は、アマゾンでもあっという間に品切れで、通販でも軒並み売り切れとなり手に入りにくかった模様。あまり販売されている場所も多くなく、入手がし難いのが難点のようです。現時点では、アマゾンでも販売されており価格も300円+送料ほどで売っています。
人により世代によって、このようなノートの落書きの形は様々だと思います。個人的には、自作のゲームブックを教科書の隅に書いた記憶が残っています。後は、1万円を切る価格で売られていたカシオの格安ポケコンPB-100Fで、キャラクターに割ける容量がないので、数値のみで自作のRPGを作っていた記憶も。こういうことをやっていると、勉強時間や学校の授業もあっという間で、全然苦にならなかったように記憶しています。
ゲームブックは、2000年代に創土社や扶桑社が昔の版を復刻して以降は動きが無く、とっくに終わったと思っていたのですが、調べてみると意外と動きがあります。このオレのRPGノートもそのひとつですが、ウェブ上で人気の脱出ゲームを体験型+ゲームブックの形式にした脱出ゲームブックというものや、漫画や雑誌などでもちょこちょこと活用されているようです。考えてみるとフリーの脱出ゲームなどは選択肢を選ばせて物語を進める形式を取っており、ウェブ上でも簡単に再現しやすいことから、ネットとの相性は良いのかもしれませんね。
参考:株式会社ウィズHP、サンケイアプリスタ エンタメ記事、パラグラフの狭間で