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Ultra2000 サンソフト クラシック ゲームズ 1・サンソフト/メディアカイト

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 Ultra2000 サンソフト クラシック ゲームズは、2001年にメディアカイトより発売された、ファミコン時代に人気のあったサン電子のファミコンゲームを集めたオムニバス集。


 サン電子の作品を集めたオムニバスとしては、同じ2001年にメモリアル☆シリーズとして、プレイステーション1用のソフトVol.1~Vol.6が発売されている。サン電子は、1980年にスピーク&レスキューをアーケードゲームとして発表。これは音声合成技術を使用し、しゃべるアーケードゲームとして画期的なものだった。翌81年には、迷路内のアイテムを回収していく、80年のナムコのラリーxに似たタイプのルート16を発表。翌82年には、可愛らしいキャラクターを生かしたカンガルーを発表する。これは4面構成の固定アクションゲームで、ボクシンググローブをつけた母親カンガルーを操作して、画面上に囚われの身となっているわが子を救出する。85年には、あの有名ないっきが登場。これはファミコンにも移植されて、SUNSOFTを代表する作品となった。またファミコンでは、セガのファンタジーゾーン、アフターバーナーの移植を行って、セガ自らが移植したマークⅢ版を上回る出来栄えを誇った。88年には、麻雀牌を積む米アクティビジョン社のパズルゲーム、上海のアーケード版、ファミコン版が、ともにSUNSOFTより発売されている。


 ということで、ファミコンしか知らないと“いっき”とか“水戸黄門”のようなコミカルな作品を発売していた、ちょっとB級なソフトハウスという印象を持ってしまいがちですが、アーケード黎明期より活躍していた古参メーカーでもあります。SUNSOFTは、サン電子のゲームブランドで、本体のサン電子は、通信機器・パチンコ関連機器を扱うメーカーとして健在です。最近では、海外の子会社がスマホのロック解除を行いFBIに協力したのでは、ということで話題となりました。現在では、SUNSOFTはソーシャルゲームを開発しているようですが、そんなSUNSOFTの黄金期とも言えるファミコンゲーム3本を収録したのが、このサンソフト クラシック ゲームズということになります。


 説明書、葉書、2001年当時のメディアカイトの広告。ピンクのドット絵がなかなか斬新。


 収録されているのは、サン電子のファミコン参入第1弾ソフトであるスーパーアラビアン(85)、知名度的には、いっきと同等かそれ以上のアトランチスの謎(86)、ビキニアーマーの美女剣士にRPGの要素を取り入れ、ボスキャラや隠しキャラを満載して、この時代の売れ線を全部入れてしまったかのようなマドゥーラの翼の3本。


 ナムコやセガに比べると、地味な印象もあるサン電子だが、こうしてみると実に華やかで楽しげ。


 実は、ファミコンの現役当時にはユーザーでなかったため、ほとんど遊んだことがなく、3本ともパッケージやゲーム雑誌で知るのみという距離感だった。どちらかというと、サン電子はアーケードから入って、セガマークⅢの移植を超えたファンタジーゾーンやアフターバーナーのファミコン版を移植したことに度肝を抜かれ、ゲームへの興味が減少してからは、アーケードゲームの上海を時間つぶしによく活用していた。


 スーパーアラビアンは、83年にサン電子が開発してATARI社が販売したアラビアンのファミコン移植版。サン電子のファミコン参入第1弾ソフトでもある。そのような経緯の作品のためか、他に移植された機種は、Acorn Electron、Amstrad CPC、BBC Micro、コモドール64、ZX Spectrumなどという激しぶのラインナップ。アラビアの王子となり、画面上に散らばる壷を回収し、お姫様を助けるという内容。アラビアンナイト風というか、絵本をめくるような演出のデモがあって、オリエンタルな音楽とともにどこかエキゾチックな西洋の寓話みたいな作品。


 アトランチスの謎は、その頃流行っていた横スクロール型のアクションゲームで、スーパーマリオを超えることを目指して開発された。数々のパワーアップアイテムや隠し要素、ワープによるステージの移動など、この時代に流行っていた要素を目一杯詰め込んである。理不尽な謎や難易度を誇るゲームとしても有名で、ゲームセンターCXの有野の挑戦のコーナーに取り上げられたり、ゲーム芸人フジタ氏のネタとしても使われている。難しいのだろうけど、今見るとステージが多彩でとても魅力がある。


 マドゥーラの翼は、日本テレネットの夢幻戦士ヴァリス、 SNKのアテナ(ATHENA)、ナムコのワルキューレの冒険(ともに86年)など、この頃に流行り始めていたビキニアーマーの美少女の剣士を主人公に据えた作品。サンソフト版のワルキューレ、アテナと言っても良い位置付けだと思う。横スクロールのアクションゲームだが、RPGの要素を取り入れており、剣や魔法のアイテムを取る事でパワーアップを果たす。ステージ制で、各ステージのラストにはボスキャラも用意されており、この時期の流行を実に上手に捉えている作品。漫画化されたり、サンソフトが運営していたファンクラブの会員証や会報の表紙にも女剣士ルシアの絵が使われていたりと、サンソフト1の人気キャラと言えるかも。


 ということで、実に上手に時代の波に乗っているメーカーという印象がします。このファミコン市場が出来た当時、雨後の筍のように登場してきたメーカーたちは、そのほとんどが倒産したり、合併・吸収されたり、消滅したりと姿を変えていますが、アーケードの黎明期から活躍してきて、現在でもソーシャルゲームの開発メーカーとして健在というのは、やはりただ者ではない強さを持ったメーカーなのだという気がします。


 ということで、Ultra2000 サンソフト クラシック ゲームズ1でした。引き続きUltra2000 サンソフト クラシック ゲームズ2編へと続きます。

参考:サン電子HP、Wiki サン電子、アラビアン、アトランチスの謎、マドゥーラの翼、メモリアル☆シリーズの項、ゲームカタログ@Wiki~クソゲーから名作まで~ マドゥーラの翼、COOL!MEGADRIVE 愛すべきファンタジーゾーン、The International Arcade Museum®

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