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スーパーギャラクシアン・エポック社

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 こちらは、1981年にエポック社より発売されたLSIゲーム・スーパーギャラクシアン。


 元ネタは、いわずとしれたナムコのギャラクシアン(79)。インベーダーのブームも沈静化した後に、ポストインベーダーとして登場してきたゲームでした。インベーダーの移植を競っていた電子ゲームの方にも、さっそくビームギャラクシアン(バンダイ)、ビックバード(ギャル ボス)、GALAXIAN(コレコ)などが登場しました。


 そのような中に、電子ゲームの名門エポック社より発売されたのがこちらのビームギャラクシアン。ギャラクシアンの続編のギャラガは、81年の発売ですから電子ゲームブーム期に間に合っているのですが、こちらは何故か電子ゲームには移植されず仕舞い。FCやMSX、電波新聞社の手によって8ビットPCなどに移植されていました。ギャラクシアンという素材は、インベーダー、パックマンなどと並んで、電子ゲーム的にちょうど旬なゲームだったのだと思います。


 取り説と保証書。


 箱横の説明書き。エイリアンの動き方の説明と、?〜?までのステージ+ボーナスステージからなる事などが記載されています。特にエイリアンの多彩な動きについて、その軌跡とともに詳しく書かれており、このゲームの売りだったことが想像できます。


 本体に書かれたASTRO WARSとは、海外版のタイトル。それまでのデジコムシリーズとは一線を画した、奥行きのある画面に拡大レンズを使用した仕様になりました。


 操作系は、移動レバー、攻撃ボタン、ON/OFFスイッチ、レベルセレクト、スタートボタンと、この頃の標準的なもの。しかしグッと大人びてシックな感じ。


 スクリーンから蛍光表示管のゲーム画面まで、かなり奥行きがあります。またスクリーン前方には宇宙空間を描いたオーバーレイ付き。これらが、机上の宇宙戦争のちょっとした神秘的な雰囲気を醸し出すことに一役買っていました。


 アーケードの筐体を連想させて、今見ても十分に物欲を刺激されます。


 こちらがゲーム画面。画面上にビックバード(ギャル ボス)、待機中のパープルエイリアン、攻撃中のパープルエイリアンという構成。画面を流れる星空こそ再現されていませんでしたが、オリジナルの(雰囲気の)最限度はかなり高い。


 ステージ?では、パープルエイリアンの編隊を相手にします。この時、ビックバードは降下してこず、攻撃も出来ない。キャラの重ねあわせができないという、電子ゲームの表示の都合上仕方が無い部分もあります。パープルエイリアンは、クイックターンやジグザグなど2種類の動きを使い分けてきます。


 ステージ?では、スピンエイリアンとの一騎打ち。円を描くような、宙返りをするような多彩な動きを仕掛けてきます。こいつは、あまり弾は打たずに画面内を動き回ります。


 ステージ?では、いよいよビックバード(ギャル ボス)との対決。残念ながら彼らは降下してこず、左右に動きながら弾幕を張ってきます。バンダイ・ビームギャラクシアンでも、コレコ・GALAXIANでも、キャラの重ねあわせができない電子ゲームの事情により、ボスの降下は再現されていませんでした。この後、90年代にバンダイより発売された豆ゲーム版では再現されました。


 この時点では、オリジナルにそっくりなギャル ボスを再現してくれただけでも意味はあったと思います。


 これらをクリアすると、いよいよお待ちかねのボーナスステージ。自機の操縦席部分がいきなりジェット噴射を始めて本体と分離します。一定の高度に達した後、今度は降下を始めて再び本体とドッキングします。


 ゴゴゴ・・・


 一定の高度まで来ると噴射が止まる。本体は横に移動し始めます。


 攻撃ボタンを押すと、ジェット噴射を行うことが出来、時間内にタイミングを調整しながらドッキングを完了させるとボーナス得点が入ります。これを見た、当時の誰もがムーンクレスタ(80)じゃんと呟いた瞬間。


 ギャラクシアンといえばゲームセンターあらし。インベーダーブームにより登場してきたあらしですが、丁度ギャラクシアンが発売された辺りが人気が急上昇するタイミングに重なっており、物語内でも何度も対戦用ゲームとして使用されました。


 ナムコのファミコン参入第一弾でもあり、MSXへの参入と家庭用ブランドナムコットの第一弾でもありました。また第一線を退いた後も、駄菓子屋やデパート屋上の10円ゲームなどとして長いこと稼動していました。


 ゾルゲ市蔵氏の8ビット年代記でも一話を費やして、ギャラクシアンとゲームセンターだけで輝くことのできた銀河戦士の物語を紹介しています。


 ギャラクシアンといえば、同じくエポック社のカセットビジョンにも登場しています。この作品、タイトルはギャラクシアンなのですが、敵は弾を撃ってこずに隊列も作らないため、どちらかと言えばムーンクレスタの移植(に近い)。母船へのドッキングという形で、合体も再現しています。


 このタイトルだけギャラクシアンのムーンクレスタ、ちゃんとナムコより版権を取っていたそう。もしかすると、スーパーギャラクシアンの方でも取っているのかもしれません。電子ゲーム版に合体が挿入された理由も、何らかの形でカセットビジョン版と開発者の方の交流があったのかもしれませんね。


 当時の思い出としては、デパートの試遊機で遊んだのみでした。凄いとは思いましたが、この時点(81)だとG&WやGDなど液晶ゲームがかなり安くなってきた頃で、学校に持ち寄っては交換したり、売買をしていました。そのような感じだったので、9,000円近くするこれを買おう(買ってもらえる)とは考えませんでした。ゲーム内にムーンクレスタ(80)の要素が入っていることからもわかるように、ギャラクシアン(79)のゲーム化としも少し遅かったのかもしれませんね。


 ということで、国内のLSIゲームへの移植としては、屈指の出来の良さを誇るエポック社のスーパーギャラクシアンでした。



参考:Wiki ギャラクシアンの項、帰ってきた電子ゲーム、CVSオデッセイ、ゲームセンターあらし/すがやみつる(小学館)、8ビット年代記/ゾルゲ市蔵(マイクロマガジン社)

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