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散財日記 in 冬物語

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 ということで、夏に向かうこの時期に逆行するようなタイトルですが散財日記。前回の更新より一週間ほどなので、それほどめぼしい物は買ってないので小ネタ。

冬物語/原秀則 全7巻セット・(古本/小学館) 送料込み400円

 漫画(の特にセットもの)は場所をとるため基本的には買わないのですが、7冊のセットで400円ということは一冊あたり100円にもみたない上に送料も込みということで、あまりのお買い得さに負けてふらふらと買ってしまった。漫画喫茶で使用されていたものとのことだったが、店のシールやスタンプもなく、(おそらく)カバーでもかけられていたのか、表紙もつるぴかだった。


 冬物語とは、シェイクスピアのロマンス劇であり、ビールの商品名であり、ケツメイシの楽曲であり、最近では三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBEの歌ですが、ある世代にとっては漫画のタイトル。さらに調べたら72年のテレビドラマもあった。ここでの冬物語は、ヤングサンデー誌に1987年~90年にかけて連載されていた原秀則氏の作品。予備校を舞台とした青春群像を描いている。


 少子化の影響もあり、大学が全入時代を迎えて代ゼミが大量閉鎖を行うなど、予備校というのはスポットがあたらない衰退産業になっていますが、この80年代末から90年代半ばにかけて団塊世代Jr(いわゆる氷河期世代)の受験期にあたっていたこともあって、大学入試の競争倍率が20倍だとか偏差値も鰻上りになったりだとか、大変な時期がありました。予備校の講師がスター先生になったり、90年には予備校ブギというドラマ(主題歌はフリッパーズギターの恋とマシンガン)も作られたり、わりと浪人することが普通となっていた背景がありました。


 これは、その頃もにわりと珍しかった予備校漫画の先駆けとなった作品。それまでの浪人生といえば、藤子F不二雄先生の勉三さんみたいなイメージで、暗くて苦しいものというイメージでしたが、大ヒットとなっためぞん一刻や柴門ふみ先生のデビュー作P.S. 元気です、俊平でも予備校生活から物語がスタートするなど、少しずつ変わっていました。その決定版となったのが、この作品。物語は、受験に失敗して予備校に通うことになった主人公森川光が、憧れの女の子と同じコースを受講するため東大専科コースを選択することから始まります。その後、私立文系コースに移ることになり、大学にも合格したものの仮面浪人を始めてしまったりと、迷走しながらも物語は続いて行く事になります・・・。


 けっこうなスマッシュヒットとなったため、1989年には東宝で映画化もされている。


 主演は光役に山本陽一さん、奈緒子役に宮崎萬純さん、しおり役に水野真紀さん。惜しむべきことに、VHS版のみでDVD化されてない。


 この頃は、子供が多かったので予備校生活ですらまぶしい生活の舞台となったのですね。また、詳しく調べてネタとして紹介します。


ダンジョン飯 1巻(ビームコミックス)・(古本/KADOKAWA/エンターブレイン ) 1円(送料250円)
ダンジョン飯 2巻(ビームコミックス)・(古本/KADOKAWA/エンターブレイン ) 99円(送料250円)

 ダンジョン飯は、KADOKAWA エンターブレイン系列の雑誌に連載されている九井諒子氏作の漫画。グルメ・ファンタジー漫画という独特のジャンルに分類分けされている。あちこちで評判になり、話題となっている作品ということで買ってみました。


 物語は、主人公の戦士(剣士)ライオスのパーティが、狂乱の魔術師の支配する迷宮の奥深くを探索するところより始まる。レッドドラゴンに襲われ、ライオスの妹である僧侶のファリンがパーティをかばって喰われてしまう。ファリンの死の直前の帰還魔法によりからくも迷宮を脱出できた一行は、ファリン救出のため再度迷宮に挑むことになるが、装備、食料、仲間などが不足して資金難に陥ってしまう。節約のため、迷宮で食料を確保することにしたライオス一行であったが・・・。


 ということで、ベースとなる世界観はウィザードリィの影響を色濃く受けたものであり、モンスターを食するというところはダンジョンマスターからの影響を色濃く受けた作品だと思います。スライムがなまこやほやみたいな生き物だったり、宝箱に擬態するミミックがヤドカリみたいな生き物だったりと、独自の解釈が楽しい。


 表題的には、ダンジョンファンタジーものに孤独のグルメとか、クッキングパパのようなグルメ漫画の要素を持ち込んだ色物の漫画に見えますが、実はストーリーやキャラクターが良く出来ていて、かなり面白い。グルメ部分に焦点が当たっているというより、迷宮でトイレの管理はどうしているか、行き倒れた冒険者はどうなっているか、植物や生き物の生態系はどうなっているかなど、ゲームでは省略されてしまっている部分を、深く考察して独自の解釈を与えリアリズムを追求した作品といったほうが近い。この漫画の作者の九井諒子氏、そうとうRPGをやり込んでいていて、かなりの才能の持ち主だということが分かります。


 評判どおりかなり良くできた作品です。純粋なファンタジー漫画として捉えても、トップクラスに良くできているのではないでしょうか。ということで、こちらも詳しく調べて、またネタとしてやります。


レジェンドパソコンゲーム80年代記・(古本/総合科学出版) 655円(送料250円)

 レジェンドパソコンゲーム80年代記は、2014年に発売されたフリーライター佐々木潤氏の手による80年代のレトロパソコンの周辺を描いた書籍。80年代マイコン大百科に続いて出版された第二弾であり、激レア!お宝発掘!!80年代マイコン読本 という第三弾が存在する。元の定価は1,728円とそこそこ高い本なのだが、送料込み900円ほどということで購入してみた。


 前作80年代マイコン大百科では、筆者のコレクションである当時の雑誌やカタログなどの写真をふんだんに使い、この頃のトピックスを広く浅く紹介するという体裁の本だった。このような書籍は、最近少しずつ増えてきたが、これまでは皆無に近いという状況だったので、そういった意味でも貴重だった。


 本作では、80年代を前期、中期、後期と3つに分けて、パソコンのハード、雑誌、ゲームやソフトハウスなどのエッセイをまとめてあるという感じになっている。カタログ本という性格が強かった前作と比べて、エッセイや読み物としての割合が大きくなっている。アマゾンでの評価がいまひとつなので、購入に二の足を踏んでいたが、読み物としては面白く良く出来た一冊だった。


 惜しむべきことに、アマゾンでの評価がいまひとつなことの理由でもあると思うが、全ページモノクロで版も小さくカラー写真がないため、懐かしさはいまひとつ伝わりにくい。黄色い表紙も目立つことは目立つが、内容が伝わりにくく他の2冊とも区別がつき難いので、そういった意味でも不利でしょうか。


 それでも、この時期の広告写真を使ってのエッセイは貴重であるし、この手の本は未だに少ないため資料としての価値も持っていると思う。アマゾンでの評価を見て、二の足を踏んでいる人がいるとしたら、モノクロという点を除けばわりと良い出来なのでお勧め。


王子の対決 (現代教養文庫―アドベンチャーゲームブック・(古本/社会思想社) 1,000円(送料別)

 こちらは、社会思想社より1987年に現代教養文庫内の一冊として発売された王子の対決。かなり珍しい2人対戦用のゲームブックとなっています。こちらは、オークションより入手。


 「魔法使いの書」「戦士の書」として、通常のファイティングファンタジーシリーズの一冊分にあたるものが2冊セットになっている。当時の定価も、2冊合計分の1,000円。この王子は双子という設定で、2人のプレイヤーは魔法使いか戦士かをそれぞれ選んで、プレイすることになります。


 箱より出したところ。箱にはファイティングファンタジーのマークが付いているし、装丁のフォーマットも社会思想社のファイティングファンタジーシリーズと共通。ただ、これがファイティングファンタジーシリーズに数えられるのかは微妙。本国では、別のシリーズなのかも。Wikiでは、その他という扱い。


 カバーイラストや挿絵は、ソーサーリーのジョン・ブランシュ氏。ちなみにJohn Blancheで検索すると、あのソーサーリーの狂気に満ちた混沌とした絵柄からは想像もできない世界が広がる。実に多彩な人ですな。


 御大S.ジャクソン氏、I.リビングストン氏監修。アンドリュー・チャップマン氏は宇宙の連邦捜査官、海賊船バンシー号、宇宙の暗殺者などを手がけた方。


 特に未使用品とかいうわけでもなかったが、記録用紙も未記入で、ほとんど使用感もないものだった。ちなみに2人用ゲームブックというのは珍しいが、この本自体はそう希少なものではありません。


 1987年9月に第1刷、約8ヵ月後で第4刷とは、ゲームブック末期に入ってきていると思いますが、まだまだ勢いがあった頃でしょうか。個人的には、この時期にはそろそろゲームブックへの興味を失いかけていた。


 ということで、株式会社ウィズのオレのRPGノートを除くとゲームブックを買ったのは実に7~8年ぶりくらい。綺麗なものなので1,000円であれば、まあお買い得に見えるが、送料、振り込み手数料を加えると1,6倍ほどの金額となった。レトロゲームやレトロハードと比べても、ゲームブックは設定される値が元の価格に比べて高めで、送料なども含めるとネットで買うのはなかなか難しい。オークションでも高めなので、ブックオフの100円コーナーで見つけたというように手軽にはとても買えません。ということで、こちらもまたネタとして紹介します。

ダンジョン飯/九井諒子・KADOKAWA/エンターブレイン

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 ダンジョン飯は、2014年からKADOKAWA エンターブレイン系列の雑誌に連載されている九井諒子氏作のファンタジー漫画。ビームコミックスレーベルより、既刊2巻が発売されている。


 ダンジョン飯という奇抜なタイトル通り、ファンタジーRPGに出てくるような架空の世界での冒険者たちの食に焦点を当てた作品。空腹、食料という概念は古くはウルティマから、ザナドゥ、ハイドライド3などコンピュータRPGの世界では基本となるパラメーターのひとつだった。ただウィザードリィやその他の多くのRPGでは省略されていたり、ドラゴンクエストでも取り入れられることはなかった。これは当時のコンピュータの表現力や容量の制限の問題もあって省略せざる得ない場合も多かっただろうし、食事をしないとスタミナが減ったり、ヒットポイントが減るなどプレイヤー側への足枷や制限となって、ゲームに組み込んでもあまり面白くならないという事情があったのかもしれない。とにかく、この作品ではその省略されてしまいがちな冒険者たちの食生活についてスポットを当てて細かく描いている。


 物語は、主人公の戦士(剣士)ライオスのパーティが、狂乱の魔術師の支配する迷宮の奥深くを探索するところより始まる。迷宮の奥深くでレッドドラゴンに襲われ、ライオスの妹である僧侶のファリンがパーティをかばって喰われてしまう。ファリンの死の直前の帰還魔法によりからくも迷宮を脱出できた一行は、ファリン救出のため再度迷宮に挑むことになる。しかし装備、食料を置き去りにしてきた上に、仲間の脱退もあり資金難に陥ってしまう。節約のため、迷宮内で食料を確保することにしたライオス一行であったが・・・。


 パーティのメンバーは、冒険者のリーダーであり物語の主人公でもある戦士(剣士)ライオス。前々からモンスターを食べてみたいという密かな欲求を抱いていたりとマニアックな嗜好を持つ。次に本作のヒロインでもあり、少し神経質で潔癖症ぎみなエルフの女魔術師マルシェル。常識人であり、パーティのつっこみ担当でもある。罠や鍵の解除を担当し、少し冷静な視点でパーティを眺めるハーフフットのチルチャック。中立的であり、個性的なメンバーのクッション的役割も果たす。モンスターを調理し、若き一行を導く役割を果たす戦士(ドワーフ?)のセンシ。この人は料理のレシピの解説も行い、クッキングパパみたいな役割を果たす。これ以外に、ドラゴンに喰われてしまって、現在はドラゴンの腹の中にいる僧侶のファリンがいる。ダンジョン&ドラゴンズやウィザードリィに倣って能力別の職業わけがなされているだけでなく、キャラクターの性格付けも明確に分かれており、これが本作の物語を引っ張っていく。


 物語の舞台となるのは、狂乱の魔術師の支配する迷宮であり、モンスターに倒されても即死ではなく、死からの回復の手段も残されており、迷宮の奥深くで遭難したパーティを探索隊を作って回収に行くことができるなど、ベースとなる世界観はウィザードリからの影響を色濃く受けている。宝箱には鍵や罠が仕掛けられており、その解除が必要だったり、帰還魔法ではアイテムを持ち運べなかったりと、随所にウィザードリィからの影響が見られる。


 モンスターを食するという部分では、やはりダンジョンマスターからの影響が強く感じられる。ダンジョンマスターは、アメリカのFTL Games社が1987年に発表した作品で、リアルタイムで動くモンスターやダンジョン内に経過する時間にスポットを当てた、リアルタイムRPGとして最初期のもの。時間の経過やアイテムの重量、食料や空腹などリアルさを売りとしたゲームだった。ともすれば足枷になりがちな空腹、食事という部分を、上手くゲームの中に落とし込んだ一例といえるかも知れない。


 プレイヤーはダンジョン内に閉じ込められており、この作品にはアイテムとしてのコインはあるが商店や通貨の概念はないため、食料はダンジョン内で調達することになる。先行する他の冒険者が落としたものなのか、ダンジョン内にはリンゴやとうもろこし、パン、チーズ、もも肉といった食料が落ちている。また人型のモンスターを倒すと、まれに食料を持っていることもある。


 ただし、落ちている食料だけでは足りないため、食べられるモンスターを倒して食料とする。これは、スクリーマーという植物か動物かわからないモンスター。倒すとブロッコリーみたいな肉片になる。


 ダンジョン飯だと、このような描写。


 こちらは、名前もそのままにワーム。ダンジョンマスター中盤の強敵。ちなみに毒も持っている。


 倒すとこのようなカラフルな肉片を落とす。これを焼かないで(調理しないで)、そのまま食べる。なんかプリプリしてて、噛むと肉汁も出てきそう。


 リアルに考えるとこうなるわけで、これらのゲテモノ喰いを、それらしく調理して料理に持っていくというところに、この漫画の面白さがある。


 扉絵では、そのまんま方眼紙に書かれた手製のマップという趣が演出されており、オールドRPGを楽しんできた読者には刺さる仕掛けがたくさんされている。それだけではなく、罠の解除の手順が詳細に描写されていたり、スライムがなまこやほやみたいな生き物だったり、宝箱に擬態するミミックがヤドカリみたいな生き物だったり、ゴーレムを畑として利用してみたりと、コンピュータRPGでは省略されていた部分への独自の解釈が楽しい。それ以外にも、迷宮内に店舗があり街があってたくさんの他の冒険者も描かれているため、最近のMMORPGからのネタも入っていると思われる。迷宮内にオークの集落があり、そこを訪れる描写などあるので、ウルティマアンダーワールドからの影響もあるのかもしれない。


 グルメ部分だけに焦点が当たっているというより、迷宮での排泄やトイレの管理はどうなっているか、行き倒れた冒険者はどうなるのか、植物や生き物の生態系はどうなっているかなど、ゲームでは省略されてしまっている部分を、深く考察して独自の解釈を与えリアリズムを追求している点が興味深い。8ビットのコンピュータやファミコンでは、容量や表現力の問題からダンジョン内での生活は大幅に省略、簡略化されており、プレイヤー自身がその空白を想像で埋めることによって、それぞれにリアルな冒険を楽しんでいた。この作品は、その空白の部分を埋めていくというところに作者の情熱が注がれているようにも見える。


 物語を引っ張っていく、それぞれのキャラクターの性格付けも良く出来ていて、それぞれが大変魅力的なキャラクターになっている。 ということで、ウィザードリィやダンジョンマスターなどのオールドダンジョンRPG好き、ファイティングファンタジーなどのゲームブック好きには、なかなかのお勧めの作品になっていると思います。

参考:ダンジョン飯/九井諒子・KADOKAWA/エンターブレイン、Wiki ダンジョン飯、ダンジョンマスターの項、Dungeon Master - Return To Chaos

海外のゲーム&パソコン ガイドブック・オークラ出版

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 こちらは、2015年にオークラ出版より発売された海外のゲーム&パソコン ガイドブック。著者は、コナミ出身の前田尋之氏。


 前田尋之氏は、2014年に家庭用ゲーム機興亡史、ホビーパソコン興亡史、懐かしのホビーパソコン ガイドブックという、懐かしのパソコンやホビーゲーム機を題材とした研究本を出版されており、この本はそれらに続いて出されたレトロハードの資料もの。


 国内ではあまり語られることの少ない海外のホビーパソコン、ホビーゲーム機について、カラー写真とともに解説されているというかなり珍しい書籍です。おなじみの有名どころから、初めて見るような機種まで300機種以上が収められています。


 家庭用ホビーパソコンの金字塔とも言えるAppleⅡ。アップル社が1977年に発売した個人向けに大量生産されたパソコンとしては初めてのもの。アメリカでは1977年6月10日に1298ドル(当時の日本円で30万円ほど)の価格で発売されたが、日本だと本体のみで50万以上したため高嶺の花だった。個人的には、よく通っていたデパートの家電PC売り場に置いてあるはずもなく、ログイン等の雑誌で知っていたのみだった。


 コモドール社が1985年に発売したAmiga(アミーガ)。アメリカより欧州で爆発的なヒットとなった。特徴としては廉価なパソコンにもかかわらずCG・映像製作に特化したパソコンだった点。テレビ番組ウゴウゴルーガのCGもこれで作られていたことが話題となった。当然、ゲーム用途にも向いていて、日本だとシャープのX68000が同じような位置にあった。こちらも、個人的にはBeep誌などの特集で知るのみで、実機は見たこともなかった。


 こちらは、コモドール社が1980年に発売したVIC-20。日本では、1981年にVIC-1001(ビック-1001)として売られた。これは何かというと、これの低価格廉価版がマックスマシーン(MAX MACHINE)で、マックスマシーンは家庭用のホビーパソコンとして日本でのみ売られていた。34,800円という子供にもわりと現実的な価格で、トミーのぴゅう太と並んでもしかしたら家庭用パソコンが手に入るかもという淡い期待を抱かせた夢のマシーン。どちらも手に入ることはなかったですが。


 アタリ社が1977年に発売したアタリ2600。ファミコン登場以前に、家庭用ゲーム機として広く普及し、アタリショックの主役ともなった伝説のゲーム機。日本では数社が輸入販売を行ったが、9万円前後という高価格だった。79年にはエポック社がカセットTVゲームという名称で発売し4万円ほどで売られたが、やはり高価だったため普及しなかった。これも、当時よく行ったデパートの玩具売り場にはおいてあるはずもなく、見たこともないどころか存在すら知らなかった。


 アタリの次世代機アタリジャガーと携帯機リンクス。アタリジャガーは1993年(日本では94年)に発売されたプレイステーションやセガサターンなどと同世代機。アタリリンクスの方は、1989年に発売されたゲームボーイやゲームギアなどと同世代の携帯機だった。この頃だと日本製ゲーム機の方が、価格的にも性能的にも優れており、日本ではまったくといっていいほど普及しなかった。個人的には、リンクスは電気店で中古品が売られているのを見た程度で、アタリジャガーに至っては見たことがなかった。リンクスの中古品は、その当時(90年代初頭)で8,000円くらいで、買うかどうか迷ったが買わなかった思い出がある。


 海外で製造されたものだけではなく、日本製でも海外で売られていた著名なものや主要なものは収められています。


 日本で書かれた海外製コンピュータやゲーム機ハードの本というのは非常に少なくて、あってもほとんど専門書の部類に入る。こちらは2004年に毎日コミュニケーションズより発行されていたApple2 1976‐1986


 洋書だとたくさんあると思われますが、ピンきりで値段も高いためなかなか敷居が高い。こちらは、2006年に日本語に翻訳されて出版されたため、わりと入手しやすいCOLLECTABLE TECHNOLOGY


 コンピュータ、ゲーム機に限らず、電卓や携帯テレビなど電子のガジェットを紹介している写真集。


 こちらは、翻訳はされてませんが日本のアマゾンでも売っているため、わりと入手しやすいElectronic Plastic


 海外の電子ゲームマニアがまとめた電子ゲームに特化した本。


 日本製のハードであれば、2013年、14年に続けて主婦の友社より発行された携帯用ゲーム機コンプリートガイド、家庭用ゲーム機コンプリートガイドが手に入れやすい。こちらも1,000円ちょっとの書籍としては出色の出来。


 日本製電子ゲーム本としては、2000年にオークラ出版より発売された電子ゲーム70’s & 80’sコレクションが定番。海外製、日本製問わず収録されている。ちょっとですがテレビゲームも載っている。


 ということで、日本で出版された書籍としてはなかなか他に類を見ない貴重な一冊と言えるでしょう。80年代~90年代初頭頃までは、日本でもNECのPC-98や88、シャープのX1、MZ、富士通のFM-7とメーカーごとに製品を作っていてウィンドウズの時代のように統一されていなかった。それは欧州など海外でも同じで、イギリスやオランダなど各地のメーカーがそれぞれ思い思いの製品を作って売っていた。コンピュータに個性がみなぎっていた黎明期がちょっとだけうかがえる、そんな一冊です。レトロゲーム好き、ゲームハード好き、全てのホビーパソコンマニアの人にお勧め。



参考:海外のゲーム&パソコン ガイドブック/オークラ出版、Wiki AppleⅡ、Amiga、CVC-1001、マックスマシーン、ATARI2600、Atari Jaguar、Atari Lynxの項、COLLECTABLE TECHNOLOGY/トランスワールドジャパン、Electronic Plastic/Die Gestalten Verlag

散財日記 in バビル2世 限定版 コンプリート DVD-BOX

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 ということで、半月ぶりくらいの散財日記。別のものを予定していたのですが、到着が前後してこちらの方が先に着いたので、こちらから紹介します。とりあえずボーナスは入っても、特に大きなものは買う予定はないのですが、ちょこっとだけ散財。

バビル2世 限定版 コンプリート DVD-BOX・(新品/メーカー不明) 4,090円

 こちらは、イタリア輸入版のバビル2世コンプリート DVD-BOX。例によって廉価な輸入物DVDセット。バビル2世DVD-BOXは、国内版だと2004年と2006年に発売されており、2015年にはBlu-ray BOXも出ています。国内版の価格だとプレ値も付いているのか新品で30,000~40,000円程度、中古やオークションでも15,000円~程度はします。


 バビル2世は、横山光輝氏原作のSF超能力漫画。原作は、1971年から1973年にかけて週刊少年チャンピオンに連載されていた。テレビアニメ版は、テレビ朝日系列で1973年に放送開始。原作では、単行本12巻に渡る長編漫画だが、テレビ版は全39話にまとめられている。その後も、平成版が2001年からテレビ東京系で、OVA版が1994年に全4巻で発売されている。また2010年よりバビル2世 ザ・リターナーという続編が、週刊少年チャンピオン誌に連載されている。水木一郎氏の持ち歌として、懐かしのテレビアニメソング番組などでも繰り返し流されているため、その意味でも有名な作品。はるかな昔にバビルの塔を作ったバビル一世の後継者として選ばれた主人公が、3つのしもべと呼ばれる強力な兵器を従え、世界制服をたくらむ超能力者ヨミとの死闘を繰り広げる。


 ボックスから取り出したところ。アニメのキャラクターがふんだんに描かれていて、結構良い感じ。


 セットは、4つ折になっています。日本版のDVDセットでは、一巻ごとにパッケージングされていたそうですが、廉価に売られているものなのでこんなものでしょう。


 小冊子も着いている。所どころカラーで、設定画なども収録されている結構本格的なもの。イタリア語なので、全く読めませんが。


 DVDは、6枚組みに全39話を収録している。フランス版のウィングマンやエバンゲリオンなどとは違った、ちょっと変わった収納法。


 2枚が半分重なった形で収められており、上から押すことでストッパーが外れ取り出せるようになっている。これはちょっと傷付きやすいと思われるので、フランス語版DVD式の方がよかった。最初は外し方がわからなかったし。


 DVDのラベル部分にも、主要キャラクターが使われていていい感じ。イタリアとかフランスのおたくは、日本と感覚が近いのか、海外版といってもそれほど違和感はありません。


 ディスク5枚目からは、あの悪名高き牧場編。最初のテレビ版では、全39話のうち27話から牧場に舞台を移して、原作とは異なったオリジナルの展開になっている。これは、伸び悩む視聴率(平均9%)に対してのテコ入れだったとか。


 実は最初の方でもブルーの戦闘服を着用し、バビル2世号、バビルカーという乗り物に乗って移動するなど、原作のストイックなイメージからは随分変えられている。個人的には、本放送でなく夏休みに放送されていた再放送で見たくちなのですが、調べてみると夏休みこどもアニメ劇場の定番作品だったみたい。本放送時には、視聴率で苦戦していたようですが、何度も再放送が繰り返されるうちに名作として認知されていったのかもしれません。アニメを見たのは一回きりで、その後は機会がなく文庫化された原作を読んでいたのですが、原作があまりにも出来が良すぎるため、思い出の中で美化されている部分もあるかと思います。とはいえ、野田圭一氏(新右衛門さん)のロデムと神谷明氏(これがデビュー作らしい)のバビル2世、黄金に輝くロプロス、動くポセイドンが見れるのは73年アニメ版だけなので、そういった意味では見る価値はあるかと思います。


 期待していなかったのですが、デジタルリマスターされているわけではないと思いますが、何気に画質も良い。また子供向けに改変されているはずの脚本も何気に良い出来で、ぐいぐい物語に引き込まれる。イタリア版ではオリジナルの日本語のセリフと日本語の主題歌も収録されており、十分に懐かしさを感じられるようになっています。再生方式が異なるため国内のDVD再生機では再生できませんが、価格の安さ、手軽さを考えると、なかなか良いと思います。バビル2世に思い入れのある人、3つのしもべという言葉に反応してしまう人にお勧め。


トロン:レガシー・(中古/ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社) 135円(送料350円)

 トロン:レガシーは、2010年に作られたアメリカ・ディズニー映画。1982年に作られたトロン TRONの28年ぶりの続編にあたる。前作トロンと同じく、CGを駆使してコンピュータ内部世界での冒険を描く。
 

 物語は、前作の続きからとなっており、前作の主人公ケヴィン・フリンが謎の失踪を遂げたところから始まる。その20年後、ケビンの息子サムはポケベルに父からのメッセージを受けとり、そのメッセージの謎を探しているうちに、かって父が探索を行ったコンピュータ世界へと取り込まれてしまう・・・。


 前作トロンは、世界初のCG(コンピュータグラフィックス)を使った映画ということで話題となりました。本作では、実写と見間違う映像を作れるほどに進歩したCGを使って、前作のCGっぽい世界観を再度構築するという、ちょっと倒錯した感じの作品になっています。まだ全部見ていませんので、内容はわかりませんが、前作のようなエポックメイキングな意味合いはありませんので、あくまでもアクション映画のひとつとして位置づけられる作品になると思います。


 とはいえ2003年にTron 2.0というパソコンゲームが作られるなど、トロンの続編を期待する声があったことも事実。なので、ファンサービスの一環として、あるいは今の技術で作ったトロンが見たいという要望に答えたという意味ならば、それこそが本作の作られた理由なのかもしれません。


 元々のトロン自体も、それまでに見たこともないような画期的な画像や、デザインされた世界観を売りにしており、物語や脚本自体はあんまり面白くないという評価でした。本作も映像は綺麗ですから、トロンの続編という目的は十分に果たせているのかも知れません。


ウォーターボーイズ(通常版)・(中古/東宝) 214円(送料350円)

 ウォーターボーイズは、 2001年に公開された日本の青春映画。2003年から2005年にかけてフジテレビ系でテレビドラマ化もされた。今日では、夏の定番映画のひとつとして認識されており、青春映画の名作としても位置づけられている、なかなか評価の高い作品です。


 物語は、静岡県の男子校にある廃部寸前の水泳部に新任の女性顧問が赴任する。彼女は、水泳が専門ではなくシンクロ競技が専門だった。彼女目当てで集まってきた男子生徒たちは、それがわかると一斉にいなくなってしまい、残された5人組が男性のシンクロ競技に挑むことになる・・・。埼玉県の高校の水泳部で、実際に行われている男性のシンクロ競技をモデルにした話だそうです。


 通常版でも2枚組み。本編と特典映像。


 今では、中堅どころの俳優となった妻夫木聡さんや玉木宏さんの若き日の出世作ということもあり、そういった意味でも人気が高い作品のよう。この頃旬だった眞鍋かをりさんや竹中直人さん、杉本哲太さん、柄本明さん、谷啓さんなど、出演陣も豪華。


 まだ途中までしか見ていないため、感想は保留しておきます。個人的には、水泳部だったため、夏の青春映画というと水泳部というイメージが強い。またネタとして紹介します。


孤独のグルメ【新装版】・(古本/扶桑社) 123円(送料250円)

 孤独のグルメは、原作・久住昌之氏、作画・谷口ジロー氏による漫画。1994年から1996年にかけて扶桑社の月刊PANJA誌で連載された。以後もSPA!誌上で不定期に連載されており、2000年には文庫版、2008年には新装版が、2015年には孤独のグルメ2が発売された。2012年からは、松重豊さんの主演でテレビ東京でドラマ化もされており、2015年からは中国版の孤独のグルメも製作されている。帯付きのそこそこ綺麗なものが安かったので購入。


 物語は、個人で雑貨輸入商を営んでいる井之頭五郎という中年の男性が、行く先々でふらっと立ち寄ったお店で食べたものの感想を述べるというグルメ漫画。連載当時から、マニアックな漫画として知られていたが、連載終了後もじわじわと売れ続け、遂にはテレビドラマ化されてしまうほどメジャーな作品となった。


 五郎さんが行くのは、雑誌やメディアに取り上げられるような有名店ではなく、いわゆる名店でもないお店。街中を散策する途中にふらりとたちよる町の定食屋みたいな所が多い。数ページの物語の中で、落ちもなければ、山場もなく、淡々と物語は進行し、終わりを迎える。ただ単におっさんが飯食って、独り言をいうだけの作品というところが、この当時としては画期的だった。


 町の定食屋とか店に入ればまだよいほうで、電車内でしゅうまい弁当を食べる話、コンビニで惣菜を買い込んで食べる話、デパートの屋上でうどんをたべる話、飲み屋街の屋台でたこやきを食べる話、公園のベンチでカツサンドを食べる話など、ある意味なんでもあり。


 定食を前にして、おっさんが真面目に思案する、そんなところが受けたのだと思う。ハードボイルドグルメ漫画などとも言われている。個人的には、当時月刊PANJA誌に連載されていた時に読んで知っていた。その時には、おっさんの漫画という印象しかなかったのだが、年月を経て見てみるとえらく共感できる漫画だということが理解できた。五郎さんは、個人で雑貨輸入商を営んでいる自営業なので自由人だし、人目は関係なく自分の行きたいところで、自分の食べたいものを食べている。そういったことが、多くの人に共感を読んでハードボイルドと感じさせる点なのでしょう。これがわかる年齢になっていたということなんでしょうな。


 ということで、デパートの屋上とか寂れた観光地とか、シャッター街の商店街とか、そういった場所に限りない哀愁と愛着を感じてしまう人には、お勧めの作品だと思います。

散財日記 in 昭和カルチャーズ ど根性ガエル DVDブック

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 ということで、散財日記。前回より一週間ほどしか経過していませんので小ネタ。溜めてからまとめてやると、作るのも結構大変なので、なるべく小出しにしていきます。

昭和カルチャーズ ど根性ガエル DVDブック(角川SSCムック)・(古本/KADOKAWA/角川マガジンズ) 900円

 こちらは、KADOKAWA書店より2015年に発売された昭和カルチャーズ ど根性ガエル DVDブック。この昭和カルチャーズ シリーズは、現時点までに天才バカボン feat.ウナギイヌ 、侍ジャイアンツの3冊が発売されています。DVDと書籍をひとつにした、いわゆるDVDブックですね。書店に行くとトムとジェリーとか、ディズニーものとか良く見かけます。


 なぜこれを買ったかというと、1,000円ほどという手頃な価格で、ど根性ガエル8作品が見れるということで、そのお手軽さにひかれたため。DVD-BOXとかだと、30,000円~ほどしますので、そこまで出すのは躊躇するけれど、1,000円くらいのムック形式であれば、ちょっと懐かしさを感じるには丁度いいと思います。DVD-BOXとか買っても、時間が取れないため結局見ないですし。


 DVDブックとはいっても、ムックの方は18ページほどしかなく、あくまでDVDがメインの作り。DVDの解説がちょっと詳しく、豪華になったものと考えれば良いでしょうか。


 古本扱いですが、DVD未開封。書店に並べられて、返品されたものかもしれません。ど根性ガエルは、週刊少年ジャンプ誌に1970年から1976年にかけて連載され、アニメ版は1972年と1981年には新・ど根性ガエルとして、2度アニメ化されている。72年度版の全206話の中から8本を収録。他にテレビのオープニング2本とエンディング、ど根性ガエル音頭が収録されている。


 記念すべき第一話から、ゴリライモ、五郎、京子ちゃん、ヨシコ先生、梅さん、町田先生など、それぞれのキャラクターが活躍した印象的な話がピックアップされている。


 2015年には、松山ケンイチさん主演でテレビドラマ化もされました。このムック本は、ど根性ガエル45周年の記念の時にそれに合わせて発売されたもののひとつだと思います。


 薄い本ですが、キャラクターの設定画や原作版との比較なども収録されている。ひろしのかあちゃんの推定年齢は意外なことに34歳。教師生活25年の町田先生でも40代後半くらいになる。30代のかあちゃんの仕事が内職というところに時代を感じる。


 多分、このムック本の一番の売りと思われる、原作者の吉沢やすみ先生のインタビューも収録。先生の娘さんである大月悠祐子さんの手による、大ヒットの裏側を描いたど根性ガエルの娘なども話題になっていますから、連載開始時から何度目かのど根性ガエルのリバイバルの時期なのかも知れません。


 個人的には、72年度版は夕方の再放送で見た記憶がある。ひろしの食べる朝食のめざしが美味そうに見えて、めざしの朝食が食べたかった。とんねるずが主題歌を歌った新・ど根性ガエルの方は、リアルタイムで見ていて、こちらの方はちょっと印象が薄いでしょうか。ということで、書店の店頭にもまだ置いてあると思いますので、ど根性ガエルに思い出のある方にはなかなかのお勧め。


ピクセル・(新品/ソニー・ピクチャーズエンタテインメント) 1,000円

 前回、到着が遅れてバビル2世と入れ替わってたのは、こちら。こちらをメインにしようかと思っていた。ピクセルは、2015年9月に公開されたアメリカ映画。2016年の2月にDVD&ブルーレイが発売されていましたが、2016年の7月に半年もたたない内に廉価版が発売されたので、早速購入してみた。


 物語は、1982年にNASAが宇宙に送ったメッセージには82年の全米のゲーム大会の記録が収められていた。2015年に突然、そのメッセージに収められていたゲームキャラを再現した宇宙人が地球に来襲してくる。ゲームに興味のない方には、何がなんだかというストーリーですが、ここを見に来られる人はすでに視聴された方も多いかと思います。元ネタは、2010年に映像作家のパトリック・ジャン氏が作った2分半ほどの短編映像が原作。古いテレビから登場したゲームキャラが町へと襲来し、やがて世界をゲームのようなキューブ状のドットで作られた世界へと変えてしまう。


 その2分半ほどの短い映像作品をハリウッドが約100億という費用をかけて、本気で作り上げたのがこの作品。パックマンやドンキーコングなど往年の名作ゲームのキャラが立体化し実像となって町を破壊していく。


 ゲーム好きの間ではとても話題となり、期待されていた作品。ただし作品の評価はすごく分かれてしまった模様。宇宙人がゲームキャラになって地球を侵略してくるという無茶苦茶な設定、それを迎え撃つのは、今はただのオタクなおっさんとなってしまった80年代のゲームチャンピオンたち。それを可能にするために、主人公の友人が大統領というかなりご都合主義の設定などが、評価の分かれるところなのだと思います。


 個人的には、ドンキーコングやパックマンが実体化して街で暴れまわるという設定だけで星5つを付けてしまいたいほど楽しい作品だった。この82年ごろの作品を知っているかどうか、思い入れがあるかどうかで、評価が変わってくる映画だと思います。ということで、こちらはまた詳しくネタとして紹介します。


OLD GAMERS HISTORY Vol.5 アクションゲーム黎明期編・(新品/メディア・パル) 1,200円

 OLD GAMERS HISTORY Vol.5 アクションゲーム黎明期編は、メディア・パルより2014年に発売されたレトロゲーム関連本。レトロゲームについてまとめたOLD GAMERS HISTORYシリーズのアクションゲーム編。1972年から1986年に登場したアクションゲームが収められています。ピクセルを買うついでに、その資料としてということで購入。


 アクションゲームに関しては、Vol.5 アクションゲーム黎明期編、Vol.6 アクションゲーム黄金期編、Vol.7 アクションゲーム戦国時代編と3冊に分冊して取り上げられている。元々このシリーズ、2005年のOLD GAMERS白書というところから始まっており、2010年のARCADE GAMERS白書で高井商会を取材した成果が生かされたのか、このVol.5 アクションゲーム黎明期編では貴重な筐体の写真が表紙を彩っている。


 OLD GAMERS白書の頃は、ファミコン、PC-エンジン、メガドライブなどのゲームを並べて紹介しただけのわりとライトな作りだったのだが、このシリーズ段々と本気度が上がっているように思う。


 ライトなゲームの歴史本だと、せいぜいブロック崩しやサーカス、へたするとスペースインベーダーから始まってしまうものも多い中、ちゃんとATARIのPONGから掲載されている。日本だとインベーダーゲームのヒットからビデオゲームが始まったかのような印象も持ってしまいがちですが、そこに至るまでにも数多くのゲームが発表されていた。これらの古いゲーム機は、80年代以降ビデオゲームが主流となってからもエレメカなどと一緒にデパートの屋上やゲームコーナーの片隅に置かれており、この時点でもまだ遊ぶことが出来た。


 OLD GAMERS HISTORY Vol.3のRPG編では、ちゃんとパソコンのRPGゲームから取り上げられていたことに驚いたが、このアクションゲーム編でもその本気度は生きている。


 もちろんドンキーコングやパックマン、クレージークライマーなどの有名どころは、しっかりと押さえられている。72年から86年までなので、スーパーマリオもナムコの黄金期のゲームも収録されている。その上で、セガのトランキライザーガンやSNKのファンタジー、アルファ電子のJump Bugなど、かゆいところにも手が届く作りになっている。


 それだけでなく、ATRI2600やぴゅう太、カセットビジョン、MSXなどアーケードやファミコン以外のゲーム機からも入れられている。ただあまりにも風呂敷を広げすぎたのか、これらのゲーム機からは1~2本程度と少なめ。書籍の半分くらいまでいったところで、やっとファミコンのゲームが登場するというなかなかマニアックな構成になっている。


 それらのゲームを搭載していたゲーム機の紹介やテレビゲームの成り立ちなども入れられている。


 ただ、風呂敷を広げすぎたのか、どういう基準で取捨選択をしているのかという問題はあります。3冊に分冊されているとはいえ、ファミコンのアクションゲームだけでも紙面が埋まってしまうほどの量があると思われますので、あれが入ってない、これが入ってないという不満は残る。それでも、近年発売された1,000円程度のゲーム本としては、異例の本気度を誇るシリーズだと思います。こちらも、もう少し詳しく調べてネタとして紹介します。

冬物語/原秀則・小学館

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 冬物語は、1987年から1990年まで少年ビッグコミック、ヤングサンデー誌にて連載された原秀則さん原作の漫画。


 それまで青春漫画の舞台というと、その読者層を反映してか高校が圧倒的に多かったのですが、この作品ではこの時期としても珍しかった予備校での生活を描いている。時代背景としては、そろそろ世代数の多い団塊ジュニア世代の受験期にかかってきており、受験生の数が多くなり予備校で浪人するということが珍しくなくなってきていたということがあります。4年制の大学数も、少子化といわれている現在では約800校近くあるものが、1990年頃だと約500校と少なかったこともあって、偏差値や競争率が急激に上昇した時期でした。この漫画の連載時期にあたる1987~90年頃はバブル期にあたっており、社会に余裕ができたこともあってか予備校生のイメージも、それまではキテレツ大百科の勉三さんみたいなものから少しずつ変わってきていたのだと思います。


 そのような時代背景もあってか冬物語はスマッシュヒットを飛ばし、全7巻が刊行されて第33回小学館漫画賞を受賞している。


 物語は、主人公の森川光は偏差値が最低レベルといわれる大学まで全て不合格となり、専修大学に合格した彼女とも別れて浪人生になる。予備校の受付で出会った雨宮しおりに一目惚れをし、彼女と同じコースを選択することを決める。だがそこは、東大専科コースだった…。出だしこそ漫画的ですが2巻からは私立文系コースに進路を変更し、もう一人のヒロイン倉橋奈緒子が登場してきます。勉強そっちのけで女の子の顔色を伺う優柔不断な生活がたたってか、第一志望だった日東駒専レベルの大学はすべて落ちてしまい、現役のときに落ちた偏差値が最低レベルといわれる八千代商科大になんとか合格する。それでもあきらめきれない光は、大学を休学し仮面浪人を決断するが…。


 バブル期ということもあってか、予備校での勉強シーンが多いのは2巻ぐらいまでで、喫茶店でしゃべったり、飲みに行ったり、旅行に行くなど遊んでいるシーンが多くなってくる。服装もそれまでの浪人生というイメージからは遠く、かなりファッショナブルな格好をしている。人気が出たためか大学に入った後も物語は続き、必ずしも浪人生の物語ではなくなったという事情もあるでしょうが、意外に今でいうリア充な話になっています。また主人公は、ひたすら偏差値や知名度で大学を決めており、何学部かだとか、何を学びに行くのかといったことは、すっぽりと抜け落ちている。ただ、これはこの時期の文系の学生としてはそれほどおかしなことでもなく、わりとそんなものでした。


 個人的には、浪人していた時期に読んでいて、あの頃の予備校独特の空気感とかが上手く表現されている2巻ぐらいまでしか読んでいなかった。


 奈緒子という可愛い子に熱心にかまってもらい、いくらおしゃれなお店や飲み屋に立ち寄る生活であっても、予備校という場所、身分は一時的なものであり、常にリミットは迫って来る。また大学生のようにバイトできるわけでもないし、金もなく自由な生活でもない。そのような限られた時間の刹那が物語の主題だったのかなという気もします。


 1989年に東宝で映画化され公開された。当時上映は、同じ小学館のビックコミックスピリッツで連載されていて浅香唯さんの主演で映画化されたYAWARA!。残念ながら、どちらもDVD化されてない。


 監督は、佐賀のがばいばあちゃんの倉内均さん、主演はパンツの穴の山本陽一さん、水野真紀さん、ビーバップで人気の出た宮崎萬純さん。公開当時、映画館に見に行ってYAWARA!を途中まで見たところで寝てしまった。唯一記憶に残っているのは、YAWARA!に仲本工事さんが出演していたことで、全員集合が終わってからも活躍されているのを見て良かったと思ったこと。


 どのような内容だったのかはまったく覚えていませんが、原作のイメージや雰囲気は良く出ていると思います。


 個人的な思い出としては、予備校の寮に入って浪人生活をしていた頃にこの漫画を読んでいた。門限が20時で消灯が0時など、入ったばかりの頃にはカレンダーに丸をつけてこの生活が早く終わればいいのにと考える日々だった。ただ少しずつ予備校での生活にも慣れていき、同じ高校の同級生も何人かいたことから、夜中に誰かの部屋に集まって遅くまでしゃべったり、門限後も塀を越えて寮を抜け出しラーメンを食べに行ったり、オールナイトの映画を見に行ったりするようになった。予備校は高校とは異なり、大教室で選択した講義を受けるという形式なので、朝入り口で出席のタイムカードを読み込ませれば後は出席は取らず、自習室に行こうがさぼって街に行こうが自由になる部分もあった。慣れてくるにつれて開店前のパチンコ屋に並んでおっさんと席取をしてみたり、代ゼミに行った友達とボーリング場で待ち合わせをしてゲームをしてみたりと、予備校生なりに楽しい生活となった。ただ基本的に金はないし、田舎者ということもあって、この頃流行っていたディスコなどに行ったことはなかった。街中をあちこちウインドウショッピングして大型の書店で立ち読みをし、お気に入りの漫画を買い帰って寮で読むというだけで満足していた。


 もちろんそんな自由な生活も大学生ではないため、長く続くものではなく、あくまでも一時の場でしかなかった。夏期講習が終わり模試の結果なども出てくるとあせりも見え始め、受験が近づくにつれてからは、寮の部屋にこもって朝から夜中まで勉強をするという生活に切り替えた。1月の終わり頃には予備校での講義もなくなり、寮を出なければならない時期も近くなって、まだその時点では合格発表も出ていないため、どこにも行くところがなかったらどうしようという現実を見つめる羽目になった。同時に、この楽しかった時間もいつかは終わってしまう、ずっと過ごせるわけではないのだと、感傷的な気持ちになった。その予備校は、今はもう取り壊されてありません。少子化や大学全入時代を迎えて、代ゼミが全国27校を7校に縮小するという、この頃が嘘みたいな時代になっています。大学も社会人や留学生に門戸を開くなど生き残りに懸命で、もうこのような予備校にスポットがあたる時代はないのでしょう。


 この作品は、そんなバブル期特有のふわふわとした空気感、若さゆえどこで何をしても新鮮で楽しいという期待感、まぶしさ、高校生でもなく大学生でもないという予備校生特有の焦燥感、所在感のなさなど、いろいろなものが混ざり合っている作品だと思います。あの頃に受験生だった人、予備校での生活を経験した人には、今読んでもなかなか楽しめる作品になっているよう思います。



参考:冬物語/原秀則・小学館、Wiki 冬物語(漫画)、原秀則、倉内均の項、各種偏差値データ、DVDで見れない傑作映画、幻の黄金時代 昭和50年代 80年代、バブルの時代 バブル経済

ピクセル Pixels・ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

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 ピクセル Pixelsは、2015年9月に公開されたアメリカ映画。80年代のゲームキャラが現実化して、街を襲ってくるという奇想天外な話を、ハリウッドが約100億円という金額をかけて実現してしまった作品。


 物語は、1982年にNASAが宇宙に送った友好のメッセージには82年の全米のゲーム大会の記録が収められていた。2015年になって突然、その友好のメッセージを誤解した宇宙人が、メッセージに収められていたゲームキャラを再現して地球に来襲してくる。未知の宇宙人から挑まれたゲーム勝負には、米軍もまるで歯が立たない。そこでゲーム大会の元世界チャンピオンで、現在ではさえないオタクおやじとなった主人公たちが救世主として召集される…。元ネタは、2010年に映像作家のパトリック・ジャン氏が作った2分半ほどの短編映像が原作。古いテレビから登場したゲームキャラが町へと襲来し、やがて世界をゲームのようなキューブ状のドットで作られた世界へと変えてしまう。


 ゲームに興味のない人、あるいはこの時期のゲームについて知らない人にとっては、なにがなんだかという映画ですが、80年代のゲーム好き、映画好きな層にとっては、中学生の妄想をそのまま実写映画化したような夢のような作品。世界的にも大変な反響を呼んで243,700,000ドル(約260億円)という大ヒットとなった。


 主演は、全米の最も稼いだ男優ランキング常連のアダム・サンドラー氏。よくこんな映画に出演してくれたなと思いきや、自身が製作も務めている。1966年生まれなので、世代的にもドンピシャなのでしょう。監督は、グレムリン、グーニーズの脚本、ホームアローン、ハリーポッターシリーズの監督を務めたクリス・コロンバス氏。ということで、B級映画っぽい設定ですが、実は超豪華な布陣で作られたハリウッドA級の作品ということになります。


 登場してくるゲームキャラも架空のものではなく、実際にゲームメーカーに許諾を得て実在する有名作品が使われている。代表的なところでは、米国のATARI社からセンチピード、ミサイルコマンド、ペーパーボーイ、ナムコからパックマン、ギャラガ、ディグダグ、タイトーからスペースインベーダー、アルカノイド、任天堂からドンキーコング、ダックハント、コナミからフロッガー、その他にもQバート(パーカー・ブラザーズ)、テトリス(アレクセイ・パジトノフ)、ディフェンダー(ウィリアムス)、ロボトロン2084(ウィリアムス)、ジャウスト(ウィリアムス/バルーン・ファイトの元ネタ)、バーガータイム(データイースト)などが登場している。※以下ネタばれがあります。


 友好のメッセージを誤解した宇宙人は、メッセージに収められていたゲームキャラに姿を変え、ネタ元となったゲームのルールに則ったゲーム勝負を地球人に仕掛けてきます。一本目は、米軍グアム基地を襲ったギャラガ勝負。これは、何がなんだか分からないうちに一方的に負けてしまう。二本目は、インドの宮殿を襲ったアルカノイド。ここまできて、ようやく地球人側にも事態が飲み込めてきます。三本目は、当時のゲームを良く知るゲームオタクに救援を頼んだセンチピード勝負。元ネタは、1980年製作の米ATARI社のきのこ畑をあらすムカデ退治のシューティングゲーム。


 アメリカ映画なので、ATARI社やウイリアムス社などの日本人には馴染みのないゲームも数多く登場する。アメリカ市場向けに作られているので仕方がないが、ある程度マニアな人でないと分かりにくい部分。逆にナムコのパックマンやコナミのフロッガー、データイーストのハンバーガーなどは、日本以上にアメリカで人気が出たため、アメリカ人に受けるポイントとしてしっかりと入っている。


 四本目は、市街地で車を使ったパックマン勝負。パックマンの生みの親である元ナムコの岩谷徹氏が岩谷教授として登場。岩谷徹氏本人もオープニングにちらっとカメオ出演している。


 アメリカではパックマンは、テレビアニメ化されるほどの有名なキャラクターで、日本よりも圧倒的な人気を誇っている。そのため、劇中のパックマンも敵役として登場するが人は襲わないとか色々と配慮して作られているそう。


 パックマン勝負に勝った景品としてQバートが登場。味方側のキャラとしてマスコット的な扱いになる。ここで、ひとつのエピソードとして、オタクの一人が子供の頃に惚れ込んだドージョークエストという架空のゲーム内のキャラとのバトルが入る。ここは、ちょっと惜しいところで、ワルキューレとかワンダーモモとか、アテナとか、麻宮アテナ(サイコソルジャー)とか幾らでもいそうな気がするけど。一応82年縛りがあるし、これらはアメリカでは人気、知名度ともないため仕方のないところでしょうか。


 ラスボスはこの方。堂々の登場。ドンキーコング版のマリオも市街地を襲来するシーンでちょこっと写っている。すべてCGで作られていると思いきや、メイキングを見ると俳優が演技するステージの方は実物大のセットが作られている。日本だと予算の問題ですべてCGでやると思いますが、リアリティを重視するハリウッド映画ではCGを使うシーンでも実際のセットも併用することが多いよう。


 ということで、ゲームオタクの友人の一人が大統領になっているなど、脚本はかなりご都合主義で、オタクを戦場に立たせるためだけに無茶な設定になっている部分も多い。映画を見た人からの不評の原因も、それらの脚本や物語の流れによるもの。ただ、元々がゲームキャラに扮した宇宙人が攻めて来るという荒唐無稽な話なので、スムーズに物語が進んでくれれば、脚本の矛盾点などはそれほど気になりません。それよりも惜しいのが、登場するゲームキャラが少ないということ。一応82年のゲーム大会からのメッセージを元にしているという縛りがありますが、テトリス(84年)、ペーパーボーイ(84年)、アルカノイド(86年)と例外があって、矛盾が見られます。それならば、いっそスーパーマリオやゼルダの伝説、グラディウス、ラリーX、ボスコニアンなどもっと詰め込んで欲しかったところ。ディグダグが万里の長城を侵食するというネタが中国への配慮で削られてしまったため、余計にそう感じてしまうのでしょう。


 そうはいっても、小中学生の頃に誰しも抱いた妄想を100億もかけて具現化してくれた遊び心に対して個人的評価は星★★★★。Queenを初めとする80年代の楽曲が散りばめられている点、82年縛りでゲームキャラを出し渋ったのも、続編のためかもという期待をこめて星★★★★★とします。この頃のゲームに思い出がある人、ファミコン好き、ATARI好き、任天堂好きな人にはお勧め。

参考:Wiki ピクセル(映画)、アダム・サンドラー、クリス・コロンバス、ATARI、ウイリアムス、センチピード、ドンキーコング、ペーパーボーイ、ロボトロン2084、ジャウスト、Qバートの項、パトリック・ジャン氏の公式サイト、OLD GAMERS HISTORY Vol.5 アクションゲーム黎明期編・メディア・パル

散財日記 in 日本懐かし夏休み大全 (タツミムック)

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 ここのところAmazonばかりで久し振りにヤフオクを使ったのですが、なかなか物が届かないので、とりあえず小ネタですが散財日記。

日本懐かし夏休み大全(タツミムック)・(新品/辰巳出版) 780円

 日本懐かし大全シリーズが好調な辰巳出版より、新刊が出ていたので買ってみた。日本懐かし夏休み大全ということで、実にタイムリーな企画。この懐かし大全は、(仮)の状態で予告されてから発売まで数ヶ月はかかるのですが、こちらはかなりのスピードで発売されました。この時期をねらった企画なのだと思います。


 これまでの懐かし大全では、レトロ食品自販機だとか10円ゲームだとか、カセットテープ、アイス、インスタント麺など、ニッチな隙間を狙って企画されたシリーズでしたが、こちらは夏休みということで、広い層にアピールする一冊だと思います。特別編ということなのか、他のシリーズと版が違い大型でページ数も100ページ足らずと少なめ。価格も780円とかなり安い。書店の店頭に置いてあったら、懐かし大全シリーズを知らない人でも手にとってしまいそうな感じがします。


 内容は、70年代~80年代あたりの小学生位の年代の夏休みを広く扱っている。海水浴、プール、山、キャンプ、夏祭り・・・。


 夏休みの友。毎日少しずつ進めていく形式でした。毎日の天気なんかも書かなければならなかったため、溜めてしまうと後で困った。


 夏の定番、風物詩ともいえる商品郡。CMがいかにも夏という感じがして印象的でした。


 冷蔵庫に麦茶などを冷やしてあったアイスポット。家にあったのは、真ん中のオレンジのやつ。


 当時のアイスから、家庭で作るシャービック、ゼリーエース、フルーチェ。雪印の宝石箱は、懐かしい話題の掲示板では必ずといってよいほど貼られる定番。それだけインパクトがあったんでしょうね。


 ビン入りのジュース、スターウォーズ、スーパーカーなどのコーラの王冠。


 朝の6時半には、近所の広場や学校に集まってラジオ体操。


 カブトムシの飼育セットと、今は珍しい昆虫採集セット。


 薄い本なので、掲載されている商品数が少なかったり、夏休みに関する思い出やエッセイなどの記事も少なかったりと、喰い足りない部分はあります。しかし、リーズナブルな価格ですし、このようなワンテーマに沿って懐かしものを集めてくれたムックは、それほど多くないと思いますので、この表紙やタイトルにビビットくる人にはお勧め。


はじめてのファミコン―なつかしゲーム子ども実験室・(古本/マイクロマガジン社) 1円(送料250円)

 はじめてのファミコン―なつかしゲーム子ども実験室は、2005年に出版されたファミコン本。ゲームサイド誌の前身ユーゲー誌上で連載されていたまるやきくんのなつかしゲーム人体実験というエッセイをまとめたもの。


 ファミコンのゲームを、今時の子供であるまるやき君に遊んでもらい、その反応を見るというもの。ファミコンで遊んでいた世代の子供がそろそろゲームをする年齢になり、そういった意味でも興味深い企画だったのでしょう。


 あまり詳しく読んでいないため、詳しい内容やまるやき君の反応はいまひとつわかりません。ただ連載開始時期2001年に中学生で、連載終了時には高校生になっていたということですから、今だと30歳前くらいになるのでしょうか。プレステ懐かしい~とか言っていそうです。


 子供はすぐに大きくなりますから、次はまるやき君と同世代の人が、子供にセガサターンやらプレイステーションをやらせて、反応を楽しむ時期が来ているのかも知れませんね。時代は繰り返します。


 ということで、ファミコンの時期も懐かしいし、セガサターンやらプレイステーション1の時期も懐かしいし、一冊で2度懐かしい本と言えるのかもしれません。


Final Re:Quest ファイナルリクエスト(1)(シリウスKC)・(古本/講談社) 1円(送料250円)

 Final Re:Quest ファイナルリクエストは、2014年より講談社月刊少年シリウス及びニコニコ動画で連載されている漫画作品。作者は、日下一郎氏と株式会社ヒューガということで、セガガガのゾルゲ市蔵氏の新作だと思います。


 新感覚の全編ドット絵漫画、すべての元勇者に捧ぐ、勇気と再出発の8ビットファンタジーと謳っています。


 この作品の凄いのは、新感覚の全編ドット絵漫画と謳ってあるとおり、全編がスーパーファミコンみたいなドット絵でしかもフルカラーで描かれていること。ユーゲー誌で長い間連載を続け、8ビット読者をくすぐる手を知り尽くした、実にゾルゲ氏らしい作り。


 書籍の冒頭は、取り扱い説明書の体裁を取っており、冒険の手引き、キャラクターの紹介、使用上の注意など、ゾルゲ節が炸裂している。


 物語は、ファイナルクエストという架空のRPGゲーム内での出来事。最終ボスを倒し大円団を迎えたゲーム内で、ある一人のキャラが目を覚まします。異変を感じたそのキャラ(主人公)は、他のキャラに話しかけ彼らが止まったまま動かないことを知る。


 異変の正体は、BUGによりゲーム内の世界が消え去ろうとしているということ・・・。ネバーエンディングストーリーですね。


 この異変を食い止められるのは、勇者様(かってのプレイヤー)しかいないということで、主人公の旅が始まります。途中で人間になりたいと願うモンスターを仲間に加えたり、悪のトルネコみたいな商人が仲間になったりと、どこかで見た事のあるような懐かしい展開が待っています。


 単なる色物っぽい漫画のようにも見えますが、まるで火の鳥未来編を読んでいるかのような重厚な読後感が広がったりもします。誰しも、経験してきたRPGの数だけカセット内にセーブされた(思い出と)キャラクターがいるはずで、何かどこかで忘れ物をしてきたような、そんなポイントを付いた作りになっています。連載中で、現在3巻までが刊行中…。果たして物語の顛末はどうなるのか、気になります。



ドラゴンスレイヤー(ロールプレイングゲームブック)(古本・MIA/日本ファルコム) 300円(送料250円)

 ドラゴンスレイヤー(ロールプレイングゲームブック)は、1986年に発売されたゲームブック。著者は、日本ファルコムとファルコムの宮本恒之氏。このゲームブックの題材になっているドラゴンスレイヤーは、1984年に当時ファルコムに在籍していた木屋善夫氏が、1984年に発表したアクションRPGの傑作。これと、この続編のザナドゥで木屋氏は、80年代のスタープログラマーの一人となりました。


 内容は、4つの話に分かれた4部構成になっていたり、後戻りも可能でマッピングもできる迷路が入っていたりと、かなり本格的。世界観もシリアスになっており、ドラゴンスレイヤーというよりザナドゥのモンスターが登場している。ドラゴンスレイヤーのモンスターだと、足とかピロエースだとか、タモリだとかなので、やりようがなかったのでしょうが。


 特定の部屋に入るとNPCがいて、イベントが挿入される。


 このゲームブックの一番の特徴と言えるのが、巻末に魔法やアイテム、装備品などのページが用意されており、ページには折れ線が入っている。アイテムや情報を入手したときには、対応するページを折り曲げてしおりのように検索がしやすくなるという仕掛けがしてある。アイデアとしては面白いと思うが、本を折り曲げるのには抵抗があるし、素直に記録用紙に書いた方が良いかなと思う。


 このMIAというのはアスキーの出版ブランドで、ゲームブックや攻略本を当時出版していた。このドラゴンスレイヤーは、数が出たのか1,000円以内くらいで入手できるのだが、ストラットフォード・コンピュータセンター(マジカルズー)と東本昌平氏により書かれた魔塔バイアスの謎―ザ・スクリーマーの方は、10,000円超という希少本になっている。これは、ドラゴンスレイヤーと同じくパソコンのゲームが原作でゲームブック内に東本昌平氏の漫画が挿入されるという作りだった。これは、当時も欲しくて、今も欲しいゲームブックの一つになっている。


 ということで、ドラゴンスレイヤー(ロールプレイングゲームブック)でした。これは、また詳しく調べてネタとして紹介します。

アーケードゲーマー ふぶき COLLECTION・吉崎観音/バンダイビジュアル

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 アーケードゲーマー ふぶきは、ケロロ軍曹の吉崎観音氏が1998年~1999年頃に月刊ファミ通Wave、ファミ通ブロス誌上で連載していた漫画。


 物語は、普通の中学生だった桜ヶ咲ふぶきが、ある時に謎の人からパッション・パンティをもらう。このパンティは、その力を発動するとゲーム魂が宿り、ゲームをする際に必殺技が使えるようになるというものだった・・・。漫画の好評を受けて、2002年から2003年にかけてアーケードゲーマー ふぶき①~④巻としてOVA化された。2006年に発売されたアーケードゲーマー ふぶき COLLECTIONは、それまでの①~④巻までの作品を一本にまとめて収録したコレクション版。これ以外にも、バラで発売された①~④巻までをまとめて収納できるBOXと特典DVD1枚をセットにしたアーケードゲーマーふぶき 一撃でクリアー BOXというのが発売されている。


 OVA版では、原作では全18話の話を4巻にまとめてあるわけですから、細部が色々と異なっています。原作では、ふぶきと友人の国分寺花子の学校とゲーセンでの日常的な生活を描いた話がメインで、最終話付近で世界ゲーム大会が開かれるという展開になっています。OVA版ではゲーム大会の日本予選にふぶきが参加し、そこから勝ち進んでいく中で原作にも登場したライバルキャラが絡んでいくというようになっています。


 OVA版について特筆すべきは、セガと日本物産、すがやみつる氏協力の元、実在のゲームがOVA内に登場しているというところ。ベスト・オブ・アーケードゲーマ(世界ゲーム大会)の予選が日本で行われ、最初のバトルは中野サンプラザの壁を使用した特設ステージに日本物産の1980年のアーケードゲーム・クレージークライマーで勝負をするという展開。しかもその筐体はバンダイのLSIゲーム・クレージークライミングを模したものという、どんだけマニアックなんだよという設定になっています。この後も、ファンタジーゾーン(86)、ムーンクレスタ(80)、トランキライザーガン(80)、バーチャファイター(93)など、実在のゲームを使ってのゲームバトルが繰り広げられます。声の出演にも、キーとなる人物に古谷徹氏、藤岡弘、氏などの豪華なキャストがあてられている。アーケードゲーマーふぶきは、ゲームセンターあらしのオマージュ漫画として有名ですが、OVA版では原作に登場したキャラやエピソードなどを上手くストーリの中に盛り込みながら、ラストの方ではオリジナルの展開に変更されている。藤岡弘、氏を起用している点、漫画の連載時期が1998年~1999年だったこと、セガが協力していることなどから、これも当時を知る者にとっては、感涙ものの一種のパロデイ的な展開になっている。


 こちらは、ユージン版の桜ヶ咲ふぶき。ふぶきの必殺技一撃でクリアを再現。ちなみにこの筐体は、クレージークライマーのものでOVA一巻に登場する中野サンプラザでのクレージークライマー勝負の時のものを再現している。前述のように、この筐体の元ネタはバンダイの電子ゲームであるFLクレイジークライミング。


 すがやみつる先生協力の元、ゲームセンターあらしオマージュ漫画ということであらしも謎の人さんとして登場。原作では、クライマックスのラストシーンでゲームに対する万感の思いのこもった一撃を披露したが、OVA版では最初から登場している。少年時代のあらしと、現代の謎の人さんとして、全編に渡って活躍を見せる。


 ふぶきのライバルである十文字ちづる。ギュラシック四天王の1人で、人呼んでシューターちづる。ディグダグのプーカを模したゴーグルがお洒落。


 金髪アメリカ女性のゲーマーメロディー・ハニー。同じ吉崎観音作品のケロロ軍曹にも登場している。お笑い好きで、ライバルとして登場しつつも、わりと中立的なキャラとなっている。作品内では、明るい天然なキャラだった。もちろんOVA版にも登場している。ノーブラボイン撃ちとかやれそう。


 こちらは、ふぶきと親友の国分寺花子のコンビ。この2人設定としては、女子中学生。ルーズソックスが流行っていた90年代末頃の話なので、今だと30歳過ぎか。時が過ぎるのは、早いですね。


 あらしとふぶきの直接対決。ちなみに何故、筐体の上に倒立しているかというと、あらしのエピソード内で飛行船の中での勝負があり、揺れる不安定な中、筐体と一体化することでそれを克服したという話があるから。ここから、ムーンサルトに発展した。CGを使って数々の必殺技を再現した実写版あらしとかあれば楽しそう。ピクセルのような企画を日本でやる場合、あらしかふぶきの実写版をやって欲しい。


 漫画版は、ケロロの吉崎氏の作品ということで有名ですが、OVA版も出色の出来。作られたのが、もうちょっと後だったら発売元のバンダイとナムコが一緒になっていますので、パックマンやラリーXなどのナムコゲームも登場してきたのかなと思うと、そこだけが惜しい点。今からだと、4巻まとめたアーケードゲーマー ふぶき COLLECTIONが出ていますので、こちらの方が入手しやすい。


 個人的には、連載当時アーケードゲーマー ふぶきは知らなかった。この1998~1999年頃には、ファミ通とかゲーム雑誌はもう買っていなかったので。OVA版に関してもネット上でタイトルだけ知っていて、テレビ放映されたものかなと思っていた。90年代末に約15年ぶりくらいに、一種のオマージュとしてあらしが復活したことになる。この作品には大人になったあらしが出ているなど、オリジナルのあらし世界とはパラレルワールドのような関係になっている。この90年代末の頃でも、懐かしいレトロゲームを扱った漫画として当時を知るファン向けに作られ受けたものだと思いますが、そこから更に15年近くが経過してしまっています。今となっては、昭和だったあらしの世界も懐かしいし、ルーズソックスのふぶきの時代も懐かしいという、2重の入れ子構造のような関係になっているのかなと思います。



参考:アーケードゲーマーふぶき/吉崎観音・エンターブレイン、ゲームセンターあらし/すがやみつる、Wiki アーケードゲーマーふぶきの項

散財日記 in バンビーノ SOCCER

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 ちょっと間が空いてしまった久々の散財日記。仕事上のイベントごとがあって、なかなか手が離せない時期が続いてました。とりあえず、それも終わってしなくてはならないことはひとまず片付いた。散財の方もたいしてやってませんが、すでにもう一つ届いています。あまり増やすと更新が大変なので、残りは次回へまわします。

LSIゲーム Bambino Soccer・(中古/バンビーノ) 1,100円(+定形外送料)ほど

 こちらは、1979年製のLSIゲームBambino Soccerです。バンビーノは電子機器を製造していたエミックス株式会社のブランドで、電子ゲームブームの初期の頃にデザイン性に優れた作品を発売していました。オリンピックシーズンということで(?)、旬なスポーツゲームネタをやります。


 バンビーノといえば、トミーにOEMしていたUFOマスターブラスターステーションやテレビCMもしていたスペースレーザーファイトやBoxing(ボクシング)が有名なのですが、日本国内だけでなく海外でも売られており、数種類のスポーツゲームなどを販売していたようです。特に有名なものでも、プレミアが付くようなものでもありませんが、このくらいの価格だったので落としてみました。


 特にスポーツゲームの主な市場は海外だった模様で、箱裏の説明書きもすべて英語。MADE IN JAPAN 日本製の文字が今となっては貴重。


 デザインは、こんな感じ。洒落たものが多いバンビーノのゲームとしてはずんぐりとした印象。


 裏はこのような感じ。裏の説明書きもすべて英語。単三電池4本で動きます。


 説明書が付属していなかった上に箱の説明書きもすべて英語のため、いまひとつわかりにくい。フィールドプレイヤーを操作するための4方向キーと、キーパー操作用の2方向キーが付いています。プレイヤーの人数も選べるようですので、2人プレイができるのでしょうか?


 ゲームが始まるとますます分かりにくい。スタートボタンに該当するものがなく、キャラが動かなかった。壊れているのかな・・・?と思いきや4方向キーの上を押すとゲームが始まった。しかし、すぐにゲームが止まってしまい、いまひとつ遊び方も分からない。


 そもそもバンビーノは、電子ゲーム初期のものがほとんどなのでゲームデザインがシンプルすぎるほど単純なものが多い。そのため抽象的すぎて、どのようにサッカーらしさを演出しているのか分かりにくいですね。


 ちなみに箱もぼろぼろで綺麗なものではない。最初は、もっと高い金額3,000円~?で出ていたものが、入札がなくって徐々に値が下がってこの値段になった。まあ、値段が値段な上に珍しいといえば珍しいので、良しとしましょう。


21世紀ファミコン (ゲームサイドブックス)・(古本/マイクロマガジン社) 1円(送料270円)

 こちらは、2010年に発売された21世紀ファミコン (ゲームサイドブックス)。前回紹介したはじめてのファミコンと同じく、ユーゲー誌、ゲームサイド誌に連載されていたものを書籍としてまとめたもの。


 ユーゲー誌やゲームサイド誌は、熱心に読んでいたわけではなのだが、書店で見かけたときには手に取っていたため、そういった意味でも懐かしい感じがする。


 レトロゲームを懐かしむという趣旨ではなく、21世紀ファミコンのタイトル通り、21世紀にもファミコンを楽しんでしまおうというコンセプトで書かれている。スーパーマリオを2人プレイでやろうとか、ディグダグの地面を全部掘り進もうだとか、魔法使いのみでウィザードリィをやってみようだとか、新しい遊び方が提案されている。


 変わった遊び方をして面白いかどうかというと、あまり面白そうではない。けれど、新しい遊び方を成立させるために、何度も繰り返しプレイしており、やり込みプレイみたいな乗りになっている。そのため、読み物としてはなかなか面白い。


 当時、ユーゲー誌やゲームサイド誌を読んでいた人には、懐かしい感じがする一冊だと思います。そうでない人にも、1円からと安く手に入るファミコンエッセイ本としてお勧め。


路上ポップ・ドールのひみつ・(古本/扶桑社) 60円(送料257円)

 こちらは、懐かしいもの研究家の町田忍氏による路上ポップ・ドールのひみつ。発売も1998年とここで紹介しているレトロものとは一線を画していて、このような書籍の元祖みたいな正統派のレトロ本。この頃だと、なんでも鑑定団の人気とともに古いものに価値があるということが一般にも知られ始め、ホーロー看板の本とかブリキやソフビの玩具の本とか、色々と出版されていた。これは、10年以上前に図書館で見たことがあるような気がします。


 ジャンルとしては、企業のキャラクターやノベルティを詳しく扱ったもの。不二家のペコちゃん、興和のケロちゃんコロちゃん、エスエス製薬のピョンちゃん、佐藤製薬のサトちゃんなど、店頭に置かれていた懐かしいキャラクターが紹介されている。


 企業のノベルティグッズなどは、プレミア的な価格が付くことで知られていますが、それらを街中に置かれている状態で収集して、その歴史などを詳しく調べた書籍は珍しいと思います。


 サトちゃんを10円の乗り物にしたサトちゃんムーバー。薬局も大手チェーン店が市場を席巻してしまい、このようなものが置かれている町の薬局は、すっかり数を減らしてしまいました。


 18年前の書籍ですが、ある意味その内容は古くなっていない。今でも十分通用する一冊だと思います。企業ノベルティグッズが好きな方にお勧め。


BIBLE・(中古/ソニー・ミュージックレコーズ) 400円(送料350円)

  BIBLEは、1991年に発売された松田聖子さんのベストアルバム。これ以外にもBIBLEⅡ、BIBLEⅢが発売されています。松田聖子さんといえば、80年代アイドルを代表する歌姫。シングルの首位獲得数25作、オリコン首位獲得週数50週など、数々の記録を打ちたてた永遠のアイドル。


 松田聖子さんのベスト版が、何か一枚欲しかったため購入。とにかくヒット曲が多いため、流れる曲流れる曲すべて知っているという、怒涛の展開が圧巻です。


 このBIBLEは全盛期に出たため、松田聖子さんのベスト版として有名ですが、実は80年代のすべてのヒット曲が収録されているわけではない。松田聖子さん本人の選曲によるもので、B面やアルバムからの収録曲が4割ほどを占める。このBIBLEに入っていないヒット曲は、BIBLEⅡに分けて収録されています。リーズナブルなため、これを選びましたが、怒涛の80年代ザ・ベストテントップ曲メドレーを望みたい場合には、シングルコレクションや聖子 スイート・コレクション 〜80'sヒッツ、SEIKO STORY~80’s HITS COLLECTION~などを選択したほうが良いでしょう。
 

 90年代に入ると自分で楽曲の作詞、作曲をしたりアーティストという方向に舵をきったり、全米進出が話題となったり、ジェフ君や歯科医とのスキャンダルなどワイドショーのネタになったりもしました。そんな騒動も落ち着いてきて、今となってはディナーショーの女王として君臨されているようです。


 80年代当時には、特に松田聖子さんのファンというわけでもなかったのですが、楽曲が良い、声が良いということで、一枚はアルバムを持っておきたいアーティストの一人かなというように思います。

家庭用ゲーム機興亡史 ゲーム機シェア争奪30年の歴史/ホビーパソコン興亡史 国産パソコンシェア争奪30年の歴史・オークラ出版

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 こちらは、2014年にオークラ出版より発売された家庭用ゲーム機興亡史 ゲーム機シェア争奪30年の歴史と、同じ筆者によるホビーパソコン興亡史 国産パソコンシェア争奪30年の歴史。


 家庭用テレビゲームの歴史、発展史をまとめた家庭用ゲーム機興亡史。著者は、近年レトロゲーム関連の本を出しまくっているコナミ出身の前田尋之氏。ソフトカバーのコンパクトな書籍。


 日本でのゲーム機の発展史を第1章から8章までに分けて解説している。このような書籍としては、アーケードゲームを含めた総合的なゲーム史を扱った、それは「ポン」から始まった-アーケードTVゲームの成り立ちが有名だが、こちらは家庭用のゲーム史のみに特化して簡潔にまとめてある。アマゾンの評価を見ても分かるように、平坦な記述で書かれており、それほど資料として詳しい本ではない。ゲーム史の記録とかそのような大げさなものではなく、どちらかというと軽く読んで楽しむための本といえるでしょう。


 モノクロで文章メインの本ですが、ところどころに該当する機種の写真が入れてあるため、視覚的にも分かり易い。ファミコンのブームを起点として、ファミコン前史、ポストファミコンの時代、CD-ROMとポリゴンの時代、セガのゲームハードからの撤退、プレイステーション2とソニーの覇権、Wii、NDSによる任天堂の復権、現行機、スマートフォンの時代…というように駆け足でゲーム史の流れを俯瞰することが出来る。


 この家庭用ゲーム機興亡史は、ライトな作りで電車の中などでも気軽にゲーム史を俯瞰することができるように書かれている。参考文献がネットの任天堂サイトやコタクジャパンとかなっていますので、ネットで調べればわかる情報ではあるのですが、平坦な記述で簡潔にまとめてくれている点において十分にこの本の価値はあると思います。


 こちらは、2014年にオークラ出版から発売された、ホビーパソコン興亡史 国産パソコンシェア争奪30年の歴史。80年代に家庭に入ってきた当時の国産のPCの盛り上がりと衰退をテーマにした書籍。これまで、この手の昔のパソコン本は少なくて、当時ものの技術書寄りのものとか、ビジネス書寄りのものくらいしかなかったのですが、ここのところ立て続けに出版されている。ファミコンなどの家庭用ゲーム機の栄枯衰退をテーマにした家庭用ゲーム機興亡史に続いての第二弾。


 当時御三家と言われたPC-8801、X1、FM-7を中心に、TK-80などのワンボードマイコン、PC-8001、PC-6001から家電各社のオリジナルパソコン、ぴゅう太、M5、SC-3000、ファミリーベーシックなどのホビーパソコン、第一次PC戦争で御三家に敗退した家電メーカー14社連合が終結したMSXとMSX2、PC-9801を筆頭に、X6800、FM TOWNSなどの16ビット、32ビット機などまで、ウィンドウズが入ってくる前の国産の家庭用のPC歴史が書かれています。


 ホビーパソコン興亡史の方は、文章主体で写真もモノクロと物足りない部分もあるのですが、それを補う資料編みたいな位置付けで発売されたのが、同じ前田尋之氏の手によるホビーパソコンガイドブック。こちらは、全編カラーでハードの写真や当時の広告など、見て楽しむものになっています。ホビーパソコンガイドブックだけだと歴史の中でハードの位置付けや繋がりがわかりにくいため、この2冊は相互に補完するかのような関係になっている。


 憧れの機種だったシャープのパソコンテレビX1。シャープのテレビ事業部が製造しており、同じシャープのパソコン事業部のMZとも競っていた。この頃は、機種が違ってしまえば同じメーカーのPCといえども互換性がなかった。


 NECの安価なホビーPC、PC-6001/6601シリーズ。音声合成が可能で、しかも音階が付けられて歌を歌わせることができた。今考えると、ボーカロイドなど時代を先取りしている。


 80年代8ビットPCの主流となった王者NECのPC-8801SR。FM音源を積んでおり、それまでの味気ないBeep音から流麗な音楽を奏でることができた。スプライトを持たないため、重ね合わせてスクロールさせるアクションゲームは苦手だった。


 近年発売されたもので路線が近いものといえば、当時のカタログ、雑誌の記事などから構成された永久保存版80年代マイコン大百科。当時の雑誌広告からの引用が主体の構成になっている。惜しいことに、こちらはオールモノクロ写真で構成されている。


 10年ほど前に発売されたソフトバンクのBeep復刻版。当時は、LOGiNやマイコンBASICマガジン、テクノポリス、POPCOMなど、主にPCゲームに特化したホビーよりの雑誌が多数発行されていた。機種ごとの専門誌であるOh! PC、Oh! X1、Oh! MZや、技術やハード寄りのI/Oなど、住み分けができていた。このBeepを出版していた頃のソフトバンクといえば、まだPC関連の書籍を出していた、地味ないち出版社にすぎなかった。こちらは、当時の記事をそのままに1/4に縮小して掲載できるだけ掲載したという作り。


 PC-8801のエミュレーターと当時のゲームを詰め込んだ、蘇るPC-8801伝説。この2002年頃に、このようなエミュレーター+当時のゲーム本がちょっと流行った。


 1992年の休刊から、10年の歳月をかけて2002年に復刊されたMSXマガジン永久保存版。好評だったため第三弾まで発行された。


 電波新聞社のマイコンBASICマガジンに連載されていた記事をまとめたチャレンジ!!パソコン AVG & RPG。80年代当時に出版されて、大変な人気を博してVまでシリーズが発売された。こちらも2003年に復刻されている。


 ファミコン前夜とその社会現象に特化した書籍としては、ファミコンとその時代 テレビゲームの誕生がある。シャープ出身で任天堂開発者だった上村雅之氏の手によるもので、当事者本人が書かれたものとしてその資料的価値は一級品。その上村雅之氏は現在は立命館大学におられて、立命館大学ではゲームアーカイブプロジェクトというゲーム史を学術的に扱うプロジェクトを行っており、その一環として書かれたもの。 


 写真は、巻頭に少しとモノクロの小さなものがあるだけで、ほとんど文字だけで構成されているお堅い本。このようなゲーム史を扱った書籍としては、2005年に発売された“それは「ポン」から始まった-アーケードTVゲームの成り立ち”が有名。この本は長らくプレミア価格で売られていたのだけれど、2015年に再販されたようで、現在では普通に定価で買うことが出来る。もっと古い本としては、1988年のテレビゲーム―電視遊戯大全が有名。こちらは、再販される見込みが薄いため、とんでもないプレミア価格が付いている。1994年には電視遊戯時代―テレビゲームの現在として、続編も書かれている。



 ゲーム史に関する本は数多く書かれていますが、ゲーム機の歴史をこれだけ簡単にまとめたものは少ない。同時に80年代当時のパソコン文化に関しても、今となっては書かれることはほとんどありません。そういった意味では、電車の中でも読むことが出来るような平易な文章で簡潔にまとめられたこれらの3冊の持つ意味は大きい。値段も安めだし、当時のゲーム文化に思い入れのある人には、気軽に手にとって読んで欲しいシリーズだと思います。

参考:家庭用ゲーム機興亡史 ゲーム機シェア争奪30年の歴史、ホビーパソコン興亡史 国産パソコンシェア争奪30年の歴史、懐かしのホビーパソコン ガイドブック/前田尋之監修・オークラ出版、MSXマガジン永久保存版/アスキー、Beep復刻版/ソフトバンク、チャレンジ!!パソコン AVG & RPG/山下章・電波新聞社

散財日記 in ゲーム音楽大全 ナムコ名作CD付き

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 ということで、一ヶ月ぶりという久々の散財日記。仕事が忙しいというわけではないのですが、それ以外の予定でちょっと更新もご無沙汰気味です。このBlogは、2006年の9月に始めており、もうすぐ10周年となるのですが、特にサプライズがあるわけでもなし、淡々とやる予定。

ゲーム音楽大全 ナムコ名作CD付き (TJMOOK)・(中古/宝島社) 870円(送料250円)
 
 ゲーム音楽大全 ナムコ名作CD付きは、宝島社より2016年6月に発売された一冊。発売時にはレトロサイト界隈でちょっとした話題となりました。ネタとしては遅れ気味ですが、ようやく入手しましたので紹介。最近では、ファミコンなどのレトロゲーム回顧本がちょっとした流行で次々と出版されていますが、これはちょっと珍しいゲーム音楽に焦点を当てています。


 ゲーム音楽というとCDがプレミア付きの価格で売られていたりと、マニアックすぎてなかなか付いていけないディープな世界。ゲームミュージックを扱った書籍というと、先駆者として電波新聞のゲーム・ミュージック・プログラム大全集なんかが浮かびますが、あれは打ち込みをする人向けに楽譜が収録されているというマニアックさぶりでした。この本では、そのような知識や音楽的な素養がなくとも楽しめるように一般的な作りになっています。


 ディグダグやゼビウス、ドラゴンバスターのBGMを作曲したサウンドクリエイターの慶野由利子氏、チャレンジャーや迷宮組曲を作曲したハドソンの国本剛章氏、ゲームデザイナーの遠藤雅伸氏、高橋名人など、ゲーム音楽やゲーム業界の著名人のインタビューが収められている。


 この本の一番の売りでもあるナムコ名作CD付。ファミコンの音源が収められています。未開封だったため、ほとんど新古本といっても良い感じ。この書籍が出たとき約1,700円という価格に躊躇しましたが、この音源がアーケード版かFM音源であれば迷わなかったのに。未開封のものが送料入れて1,000円ちょいの価格になっていたので購入しました。


 内容のほうは、冒頭の10ページほどを駆け足でゲーム音楽の歴史を解説してある。しかし、日本初のゲーム音楽のアルバムである細野晴臣氏のビデオ・ゲーム・ミュージックにはちょこっとしか触れていないし、タイトーのZUNTATA、コナミ矩形波倶楽部、PCでは日本ファルコムの古代祐三氏とかにも触れていない。ナムコのゲーム音楽には欠かせない大野木宣幸氏や、ゲーム音楽で遠藤氏を引っ張り出したからには小沢純子氏も欠かせないと思うが、こちらもあまり詳しく取り上げられていません。スーパーマリオやゼルダを作曲した近藤浩治氏、GoGoマリオ!!を歌った谷山浩子氏とか、ネタは幾らでもあると思われるのですが。


 この本の売りのひとつがファミコンコレクターKUBOKEN氏による、全ファミコンミュージックレビュー。音楽の専門でないコレクター氏によるレビューとは?とも思ったが、全ファミコンソフトのレビューともなれば、確かにコレクター氏にしかできないという気もする。大変な手間がかかったと思われます。


 ということで、特にゲームミュージックに詳しい人だと色々と物足りない出来だと思いますが、第2弾も予定されているそうなので、そちらに期待しましょう。一般のライトな層がああ懐かしいと懐かしむ分には、ゲームミュージックのCDも付いてくるしなかなか楽しめる企画だと思います。


JK☆B 2 女子高生×バイクイラストレイテッド (MSムック)・(古本/メディアソフト) 840円

 JK☆B 2 女子高生×バイクイラストレイテッドは、2015年に発売されたJK☆B 女子高生×バイクイラストレイテッドの第2弾。ばくおんに代表されるバイク+女子高生という、メカものに萌えの要素をプラスしたムック本。前作JK☆B 女子高生×バイクイラストレイテッドがバイク本として見てもなかなか良かったということと、帯付きが1,000円を切っていたため購入。


 このシリーズのポイントは、バイクの車種の取捨選択が絶妙だという点。最新のものに織り交ぜて、バイクブームの80年代~90年代から通常のバイク雑誌などではまず取り上げない、マイナーな車種やマニアックな車種などを集めている。今のレトロバイクを扱った書籍だと、今でも高値で売れるいわゆる名車といわれるものがほとんどだが、こちらはそんなことおかまいなしに絶妙に懐かしい車種が多数収録されている。


 個人的にツボだったのは、昔所有していたFZ250フェザー、今も所有しているドリーム50、はじめてのバイクであるヤマハJOGが収録されていた点。女子高生のイラストは普通だと思いますが、バイクのイラストはかなり精巧に描かれていて出色の出来。


 イラストだけでなく、当該車種の紹介、時代背景なども解説してありますが、これもなかなかの良い出来。メディアソフト社はパズル誌などを出版しているところでバイク専門誌を出版している出版社ではないのだが、縛りがない分ライター氏の思い出や思い入れなど独特の視点が加味されている。


 ということで、80年代~90年代のバイクブームにはまった人には、なかなかのお勧め。今バイクを降りてしまった人でも、忘れていたことを思い出せてくれて楽しめる一冊だと思います。


少年ブーム―昭和レトロの流行(はやり)もの・(古本/晶文社) 140円(送料250円)

 少年ブーム―昭和レトロの流行(はやり)ものは、2003年に晶文社より出版されたレトロホビー本。著者は、日曜研究家の串間努氏。近年のレトロブームに合わせて出版されたものというより、そのレトロブームを作り出して牽引してきた第一人者による一冊。昭和の時代の懐かしい流行(はやりもの)が、これでもかと詰め込まれています。


 前回紹介した町田忍氏やこの串間努氏などが、このような昭和レトロものネタの先駆者のひとりだと思います。90年代あたりから2000年代初頭にかけて、昭和の玩具や雑貨、お菓子などいろいろなテーマで本を書かれていました。出版社が文芸書や思想書、サブカル本などで有名な犀のマークの晶文社という点もポイント。他のレトロ本とは一線を画しています。


 串間努氏は、1964年の生まれなので70年代がやはり中心。氏がストライクな世代としては、特撮、ゴジラ、仮面ライダー、ウルトラマン、スーパーカーブームなんかの頃だと思います。それだけではなく、メンコやベーゴマ、忍者ごっこなど戦争直後からびっくりマンやキン消しなど80年代の末あたりまで、戦後の昭和を網羅するように取り上げている。氏の世代とはちょっとずれてしまうためなのか、ファミコン関係は少なめ。ゲームや任天堂関係だとゲーム&ウォッチに一章を割いています。


 メーカーに取材したり、串間氏の手持ちの資料を駆使したり、資料としても通用するなかなかの労作。


 玩具や商品にとどまらず、牛乳の蓋や熱帯魚のブーム、昆虫、オカルトなどとにかく幅広い。レトロ本としては、なかなか他に類を見ない質の高さだと思います。


 この本は、10年ほど前に図書館で読んだことがあるような記憶があります。図書館においてあっても違和感のないレトロ本の教科書的なテキストだといえるでしょう。そこはかとなく漂っているサブカル臭がたまらない。


 串間氏と同年代か40代あたりだと楽しめる書籍だと思います。それ以外の年代であっても、古い昭和の時代を知ることの出来る貴重な資料のひとつとしてお勧めできる一冊だと思います。


ザ・おかし・(古本/扶桑社) 1円(送料250円)

 ザ・おかしは、同じく串間努氏の手による一冊。1996年の発行とここで紹介する本の中では古め。そのタイトル通り、懐かしいお菓子の歴史について書かれた本。串間努氏は、ザ・ジュース大図鑑、駄菓子屋百科事典、ザ・ガム大事典など、懐かしい商品を取り上げた書籍も数多く書かれている。


 串間氏はおかしのパッケージなどを捨てずに大切に収集していると何かで読んだ記憶がありますが、そのような膨大な串間氏の手持ちの資料やお菓子メーカーへの取材などを通して、主に戦後に発展してきたお菓子の業界史をいっぺんに俯瞰できるよう書かれている。


 当時、流行ってバンバンCMが打たれ話題となったお菓子や、今現在でも売られているお菓子でも、発売当初はパッケージが異なっていたりして面白い。さすがにひとつひとつの商品のパッケージ遍歴とかは無理だろうが、ああ懐かしいと感じるような定番の菓子はだいたい網羅されている。


 ゲームや玩具だと人を選ぶと思いますが、こちらは万人が楽しめる一冊。最近だと、懐かしい商品を扱った辰巳出版の日本懐かし大全シリーズが好評なようですが、こちらはその元祖と言える一冊だと思います。


∞(アンリミテッド)・(中古/ポニーキャニオン) 30円(送料350円)

 ∞(アンリミテッド)は、おニャン子クラブより生まれたユニットうしろゆびさされ組のラストアルバム。今では秋元康氏の奥さんである高井麻巳子さんとゆうゆこと岩井由紀子さんの2組のユニットでした。フジで放送されていたハイスクール奇面組の主題歌を歌って人気を博した。80年代アイドルのベスト盤は、2000年代の現在でも新たに企画されたリマスター版が普通に売られているのですが、リーズナブルに入手可能だったということと、ハイスクール奇面組で使用されたシングルの全A面とB面の一部が収録されていて、ベスト盤としても機能するということから購入。


 おニャン子クラブの歌というと、大勢で歌う場合であってもユニゾンが多かったと思うのですが、この2人は珍しくハモリを売りにしていた。2人で歌ってハモルことで、耳に心地よく名曲と呼べる楽曲が多いような気がします。以上の理由から、当時おニャン子クラブの中でも好きなグループでした。秋元さんも力が入っていたのか、楽曲にも恵まれたような気がします。


 ハイスクール奇面組の番組が終わらない内に高井麻巳子さんのおニャン子卒業ということから、ユニットは解散。ハイスクール奇面組からついでにとんちんかんの主題歌枠は、後輩のうしろ髪ひかれ隊に引き継がれた。


 80年代アイドルの企画盤は今でも普通に売られているのですが、なかなか中古で安くは売ってない。当時のアルバムでも安く手に入ればちょっと集めてみたいかなあ。


成龍 ジャッキー・チェン アクションDVDセット3 (7枚組)・(中古/ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン) 950円(送料350円)

 こちらは、ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパンより2006年に発売された成龍 ジャッキー・チェン アクションDVDセット3。一本売りでは難しいジャッキーチェンの初期の作品を集めた企画ものになるかと思います。以前アクションDVDセットの1を紹介しましたが、あれは五福星、ヤングマスター師弟出馬、バトルクリークブローの3作品でした。こちらは、豪快に初期の時代劇カンフーものを7作品も収録しています。


 アマゾンの商品説明ではわからないのですが、7作品収録ということで実物はかなりの分厚さ。ジャッキーチェンは、78年(日本公開は79年)の酔拳で日本に紹介されて注目を集めました。その勢いをかって同じようなフォーマットの蛇拳も公開され大ヒットを記録します。それまではブルースリーのシリアスなカンフー映画しかないところに、ギャグを取り入れた点が目新しかった。以降、ジャッキーの新作は順次日本でも公開されていくようになりますが、あまりの人気のため過去の作品も新作として劇場公開されるようになった。酔拳、蛇拳がヒットしたため、関係ないタイトルの映画でもジャッキーチェンの○○拳と日本だけのタイトルが付けられて公開されていた。


 少林寺木人拳(76)、クレージーモンキー 笑拳(79)、 カンニング・モンキー 天中拳(78)、ジャッキー・チェンの醒拳(83年)。この辺は一本売りでバラでも売っています。日本版のパッケージとは異なった、微妙にシリアスなパッケージ。


 成龍拳(77)、龍拳(78)、蛇鶴八拳(77)。この辺だとタイトルを見ただけでは、区別が付かない。


 昔の香港映画なのであまったフイルムを繋げて一本新作を作ってしまったりだとか、1年間に3本も4本も新作を作っていたりだとか、全部B級といえばB級なのですが、日本では劇場公開された以外にゴールデン洋画劇場などでもバンバン放映されていたので、そういった意味でも懐かしい。中でも木製の木人が印象的だった少林寺木人拳、クレージーモンキー 笑拳、 カンニング・モンキー 天中拳などは、放送後学校でも話題となっていました。


 今は安いのが売り切れて3,980円から~となっていますが、これを買ったときには1,000円前後からだった。1,000円でこれらの初期作品7作が手に入るという意味では、なかなかのお徳版セットだと思います。同じような作品が収録されている、ブルーレイのジャッキー・チェン〈拳〉シリーズ Box Setだと2巻に分かれていて一つが約27,000円と19,700円ほど。アマゾンでの価格は変動しますので、安く売っている時にお勧め。


愛と青春の旅だち・(中古/パラマウント ジャパン) 40円(送料350円)

 愛と青春の旅だちは、1982年に公開されたリチャード・ギア主演の青春映画。名作といわれる定番のひとつだと思います。VHS版は持っているのですが、DVDは持っていなかったため購入。


 退廃的な生活を送る主人公ザックは、ある時士官学校に入学するチャンスを手に入れます。そこで待ち受けるのは海兵隊軍曹の鬼教官フォーリー。次々と脱落者が出る中、鬼教官の厳しい訓練に耐え、なんとか生まれ変わろうとするザックだったが・・・。


 ストーリーは、その後の士官学校ものの映画に影響を与えてある意味お約束にもなった作品。トム・クルーズのトップガンは、この作品のリメイクだったりする。日本だとファミコンウォーズのCM(直接の元ネタはフルメタルジャケット)にも影響を与えていると思います。


 そんなに複雑な話ではなく、シンプルなストーリーなのですが、良い作品。産業もなく寂れた町の工場で日々の生活を送るヒロインと、士官学校を晴れて卒業しエリートへの扉を開いた主人公の対比が、旅立ちという邦題にふさわしい爽やかで印象的なラストシーンを迎えます。


ナイトメアー・ビフォア・クリスマス・(中古/ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテインメント) 1円(送料350円)

 ナイトメアー・ビフォア・クリスマスは、1993年に公開されたミュージカルアニメーション映画。原案・原作はティム・バートン監督によるもの。別段ハロウィンだからというわけでもないのですが、ハロウィンっぽい映画ということで。


 この作品は、1993年製ということでCGはあまり使っていないと思われるにもかかわらず今時の映画と変わらないような印象を与えてくれます。その理由は、ハリーハウゼンの流れを汲むストップモーション・アニメーションの技法を取り入れていること。少しずつ動かしてあたかも動いている様に見せるあれです。そのため、CGで作るのに比べても膨大な手間がかかっていると思われます。今の時代だったら、なんということはないのでしょうけど。ただ、その膨大な手間隙が芸術性を生んでいるのかなという気もしますね。


 今でもお洒落雑貨屋などに行くとフィギュアが売っているという人気キャラクターのひとつとなっただけでなく、東京ディズニーランドのアトラクションのホーンテッドマンションでは、ハロウィンから年明けまで期間限定でこの映画を元にしたホーンテッドマンション ホリデーナイトメアーが公開されるなど定番のひとつとなりました。

散財日記 in ATARI GAME OVER&ビデオゲーム THE MOVIE

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 ということで、前回に引き続いての散財日記。用事があるといいながら、しなくてはならないことがあると他のことがしたくなるのは、学生の時分に試験前に部屋の片付けをしてみた頃からのお約束。

ATARI GAME OVER アタリ ゲームオーバー 通常版・(中古/ポニーキャニオン) 1,432円(送料200円)

 ATARI GAME OVER アタリ ゲームオーバーは、2015年に発売されたドキュメンタリー映画。元々は、米国のエンターテイメント企業Fuel IndustriesとXbox Entertainment Studiosにより製作され、映像ドキュメンタリーとして2014年にXbox OneとXbox 360で独占配信されたもの。日本では、日本語訳と特典の日本版独自のドキュメンタリー映像を付けてパッケージ販売された。発売時より欲しいものリストのひとつだったのだが、ようやく入手した。


 内容は、1982年末の年末商戦を起点とするVideo game crash of 1983いわゆるアタリショックと、その原因とされ大量に廃棄されたゲームソフトE.T.の発掘作業の様子を描いている。アタリショックとは、1977年に発売されアメリカ市場を席巻していたゲーム機ATARI2600向けに作られたゲームソフトE.T.(スピルバーグの映画をゲーム化し1982年の年末商戦に向けて発売された)が、あまりにもクソゲーだったことから大量に売れ残り、それを契機として消費者のゲーム離れが進んでアメリカのゲーム市場が崩壊してしまったことを指す。この時、売れ残った大量のソフトは廃棄処分場に埋められてしまったと言われている。映画では、この都市伝説は、本当だったのかを解明しようとする。


 通常版には、薄い小冊子が付いてくる。簡単な解説とATARIの創始者ノーラン・ブッシュネルのインタビュー付き。CDの盤面に描かれているのがATARI2600版のE.T.のキャラクター。ぱっと見、口に見えるとこが顎から首と腕にかけて。


 ただ単に廃棄処分場を掘り起こせばよいという簡単な話ではなく、元々は砂漠だったという広大な場所であり、30年以上も昔の話なので記録にも残っていない。その上、ニューメキシコ州環境局の許可や処分場のあるアラモゴード市の許可をとる必要があるなど大掛かりなものとなった。作業当日には大勢の観客が詰め掛けマスメディアで報道されるなど、大々的なイベントになっている。伝説のクソゲーを作ってATARIの崩壊とアメリカゲーム市場の衰退の責任を一手に被せられたE.T.のデザイナー、ハワード・スコット・ワーシャウと、ATARI GAME OVERを監督するザック・ペンもこのイベントに参加している。


 発掘のドキュメントと平行して、ハワード・スコット・ワーシャウの当時の回顧録や黎明期のATARI社の様子が描かれている。それは、ゲーム産業の黎明期であり、初々しい希望と開放感に満ちたビデオゲームの輝かしくもナイーブな青春期だったことがわかる。


 ハワード・スコット・ワーシャウは、ヤーズ・リベンジやレイダース/失われたアーク《聖櫃》のヒットがきっかけとなりスターゲームデザイナーとなった。それが逆に仇となり、5週間という極端に短い開発期間でE.T.の製作を命ぜられる。このE.T.は500万本を製造したが、1982年12月には150万本が売れたのみで、残りは返品の山と化した。上の写真が、日本人だと99.9%が知らないと思われるヤーズリベンジ。プレイヤーが操作するのは宇宙蝿。なぜか、アメリカ人はこの作品が好きで好きでたまらないらしい。ちなみにYAR'S REVENGEのYAR'Sとは、その当時ATARI社の社長だったRay Kassar(レイ・カサール)氏の名を逆さまに読んだもの。


 こちらは、映画PIXELSにも登場したCentipede(ATARI2600版)。Centipedeとはむかでのこと。きのこ畑にやってくるむかでを退治するというシューティングゲーム。これもアメリカ人は好きで、好きでたまらないゲームのひとつらしい。車の行き交うハイウェイを蛙が横断するという日本製のフロッガーが、あちらでは日本以上に大受けしたらしいが、アメリカ人の好きなものの微妙なツボがわからない。


 ATARI社やATARI社の発売したゲームに関しては、日本で入手しやすいものとしては、ゾルゲ市蔵氏の謎のゲーム魔境2が詳しい。間違いが指摘されたり、でたらめ書いて読んでいる者を煙に巻くゾルゲ節が炸裂しているが、なかなかこれ以上詳しい書籍はない。


 ぶっちゃけ1時間かけて廃棄処分場を掘り起こすというドキュメンタリーなのだが、かなり面白い。これを見ると、ひとつ間違えばAppleやマイクロソフトみたいに世界を席巻する大企業になっているはずだったATARI社へのアメリカ人のATARI愛が理解できる。こちらは、もう少し詳しく調べてネタとして紹介します。


ビデオゲーム THE MOVIE・(中古/松竹) 1,330円(送料200円)

 こちらは、ビデオゲームの成立から発達、隆盛まで40年間の歴史を描いたドキュメンタリー映画ビデオゲーム THE MOVIE。元々は、インターネット経由で不特定多数の人が他の人々や組織に財源の提供や協力などを行うクラウドファンディングで、1,200万円以上の資金を集めて完成した経緯を持つ作品らしい。こちらも欲しいものリストのひとつだったのだが、中古が安く売っていたので入手した。


 ATARI GAME OVER アタリ ゲームオーバーでは、アタリショックとゲーム市場の崩壊、ATARI社の都市伝説に焦点を当てており、それ以外のことは描かれていないし、その位置付けなども分かりにくい。こちらはビデオゲームの成立から紐解いていき、ATARI社の隆盛、アタリショック、アメリカ市場への任天堂の登場と席巻、プレイステーション登場と任天堂の没落、Wii、NDSによる任天堂のリベンジ、プレイステーション4やXbox Oneなどの次世代機からスマートフォンでのゲームなど最新のゲーム事情までを描いている。


 マリオやソニックが踊っているが、これらのキャラクターが活躍するアニメ映画ではなく、ビデオゲームの歴史について追ったごく真面目なドキュメンタリー映画。


 リオオリンピックの閉会式では、ゲームやアニメがプレゼンに登場するなど、日本製のソフトパワーを前面に出した演出が施されていた。実際、1995年の時点での日本製ゲームの世界シェアは7割を占めていた。ただ、その後は海外勢に押されて現在では3割ほどまでに減少。少子高齢化の影響で、昔は町中にあったファミコンショップも潰れて、アーケードから始まったゲーム産業の衰退は、据え置き機の市場にも及んでいる。スマートフォンの隆盛もあって日本ではゲーム機が売れない時代を迎えていますが、海外に目を向けるとプロゲーマーの試合をスタジアムで観戦するe-SPORTというイベントが開かれたり、まだまだゲームの可能性が感じられる。


 そのようなゲームの歴史とゲームの未来、可能性を感じられるドキュメンタリー映画に仕上がっている。例えるなら、日本の電子産業が注目されて期待されていた時期に製作された1991年のNHKのドキュメンタリー電子立国、1995年の新電子立国を足して、アメリカ人好みにしたような感じ。ここでもアメリカ人のATARI愛と任天堂好き、マリオ好きが感じられる。日本だとゲーム市場は終わったような感じですが、世界的に目を向けてみると映画や音楽、小説などと融合し、それらを超えた新しいメディアへと発展する可能性を感じさせてくれる。


 一般的に、映像作品や音楽など売れるものを作る場合には、マーケティングをしたり、売れる要素を取り入れてみたり、関係各所とのしがらみがあったりとなりますが、これは売れるものをではなく作りたいものを作ったという感じ。ゲームへの愛情が感じられる稀有なドキュメンタリーだと思います。


 ということで、ゲーム史の温故知新、大河ドラマを見ているかのようなこの2作品。ATARI GAME OVER アタリ ゲームオーバーとビデオゲーム THE MOVIEは、ぜひセットで見ていただきたい作品だと思います。こちらも、もう少し詳しく調べてネタとして紹介します。


メタルフィギュア・(中古/Ral Partha Enterprises) 1個300円~400円(送料140円)

 こちらは、アメリカRal Partha Enterprises社製のメタルフィギュア。ラルパーサ社は、テーブルトークRPG用の25mmと15mmサイズのミニチュアフィギュアを作っていた会社で、オハイオ州シンシナティに拠点があったが、2000年に倒産している。メタルフィギュアは、現在でも多くの会社から発売されていますが、意外と高くて1個1,000円~くらいする。当然、1個だと様にならないし10個~10数個そろえると結構な金額になります。


 別にテーブルトークRPGを今更やったりはしないのですが、その独特な雰囲気が好きで幾つか手元に欲しかった。1個300円とわりと安めの価格で出ていたので落としてみました。RPGがブームの頃には、日本のアオシマ社もメタルフィギュアを扱っていて、ウィザードリィの末弥 純氏のキャラクターをフィギュア化したりしていた。現在だとAurora Model Japanというところから日本人向けに作られたものがアマゾンでも売られている。


 BARBARIANの戦士、 DWARFの戦士、魔術師、HALFLINGのシーフ、ELFのシーフ。僧侶がいないのが残念。


 メタルフィギュアって、もっと大きい印象だったのだが、実際はすごく小さい。25mmなので500円玉より小さいくらい。指2本分くらいのサイズのフィギュアに服の模様や携帯する武器など、細かな造形が掘り込まれている。


 モンスターを発見!油断するな突撃するぞ!!ぐあ~!!噛まれた。あひ~助けて!


 助けるぞ!退散!退散!!こら逃げるな!あわてるな、落ち着け。僧侶がいないパーティなんて、最初から無茶だったんだ。


 日本だとゲームブックでひと山あてた社会思想社が次の展開として、フライングバッファロー社のT&Tを販売していた。これの特徴は、ソロシナリオが充実していたことで、TRPGに詳しい人を集めなくても、ゲームブック感覚で遊べた。TRPGの基本セットは安くとも5,000円~からと結構な値段がしたのだが、社会思想社のT&Tに関しては文庫本で展開したため、リーズナブルで一般の書店でも入手することが可能だった。


 TRPGの元祖というだけでなく、ウルティマやウィザードリィなどのコンピュータRPG、ゾーク、ミステリーハウスなどアドベンチャーゲームの元ともなったダンジョンズ&ドラゴンズ。現在でも新版がホビージャパンより売られている。基本セット1冊5,800円~7,600円×3冊、それとは別にシナリオ集、サプリメント(追加設定資料)、これにメタルフィギュア(1個1,000円×10数個)、ダイスなどが必要になるなど、大人の遊び。


 日本製のアニメ絵とかスマートなキャラクターではなく、イギリスの絵師が描いたゲームブックの挿絵のみたいな造形がたまらない。その内ドラゴンなどのフィギュアも手に入れようかな。

散財日記 in なつかし電子ゲームブック

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 ということで、前回より3ヶ月ぶりの久々の更新となる散財日記兼雑記。特に忙しかったというわけでもないのですが、車を買い替えた(といっても中古車ですが)ため、そちらに関心を取られていた。節約という意味もあって、それほど散財もしていません。年末は、飲み会も済んでしなければならないことは後ひとつのみといった状況。ゆっくりと過ごせるといいですね。

電子ゲームなつかしブック(コアムックシリーズ)・(新品/コアマガジン) 1,500円(送料込み)

 こちらは、2016年9月末に発売された電子ゲームなつかしブック。実際には、発売前に予約して同時に入手していたのですが、紹介が遅れてしまいました。ちまたでは、ファミコンミニが話題ですが、そちらも買い逃しています。ファミコンミニに影響されてか、ここのところレトロゲーム関連の商品が発売ラッシュでぜんぜん追いつけてない。とりあえず、これは予約しました。こっちは検討中。Amazonのカート内の後で買うリストはえらいことになってます。


 この電子ゲームなつかしブックですが、タイトル通り電子ゲームに特化した内容。ファミコンミニの影響からか今はファミコン本が多いですが、ちょっと変化球ですね。1983年の発売から1994年の最後のソフト発売まで、約10年という期間現役だったファミコンに比べると、電子ゲームは78年~85年頃まで、実質3年くらいしかブーム期がなかったため、思い入れのある層や知っている人が少ない。そのため、このような資料本も極端に少なくて、出版してくれたこと自体が奇跡だと思える。


 帰ってきた電子ゲームの中の人と、任天堂本をいくつか書かれている任天堂博士の山崎功氏が関わっているため、過不足なく有名どころは押さえてあります。ページ数の関係でそれほど数は多くないため、マニアの人には物足りないと思いますが、書店で見つけて懐かしいと手に取る人にとっては十分だと思います。


 もちろんゲーム&ウォッチも収録されていますが、省かれてしまうことの多い蛍光表示菅(FL)ゲームが多く取り上げられているのが嬉しい。あら、インベーダー2000の発売元がバンダイとなってますな。


 電子ゲームといえばこれも外せないサイモンなどもきちんと収録されている。


 さらになつかし電子ゲーム100として、100本分の電子ゲームのミニレビューが掲載。簡単な紹介や遊び方、解説などが書かれている。ファミコンの攻略記事は多いですが、電子ゲームではほぼ皆無なためこれは貴重。


 アーケードから移植された名作電子ゲームという企画。惜しむべきことにページ数が少ない。ファミコンやゲームボーイも収録されていて、ファミコン芸人の藤田さんも登場しているのだが、Amazonのレビューにも書かれているように、ここは電子ゲームに特化して欲しかったところ。出版する側としては、電子ゲームのみの本だとあまりにも市場が狭すぎるため、安全策としてファミコンの記事も入れたいのでしょうけど。


 電子ゲームだけではなく、同時期のテレビゲームなども多数収録されている。このため、電子ゲームの情報を求めて買う人には物足りない内容となっていますが、バラエティにとんだ内容になっていて読み応えもあります。Amazonでは、★三つ半と微妙な評価になっていますが、ここ的には星★★★★★を進呈したい。


 どちらにしても、今この時期に電子ゲーム本を出版してくれたというだけで価値がある。この時期のことを知っている人ならば、書店などで見かけられたら、ぜひ手にとって見て欲しい楽しい一冊になっていると思います。


ぼくたちのギャルゲークロニクル(オークスムック730)・(自由価格本/オークス) 500円(送料250円)

 こちらは、2016年1月に発売されたぼくたちのギャルゲークロニクル。著者は、近年レトロゲーム関連本を出しまくってるコナミ出身の前田尋之氏。育成、恋愛ゲームと呼ばれるジャンルのゲームの歴史をまとめたもの。同じ筆者によるよりアダルトよりのゲームをまとめたぼくたちの美少女ゲームクロニクルというものも発売されている。


 もともとアダルトゲームの歴史は古く8ビットパソコンの時代からありますが、そこからアダルトの要素を抜いて育成や恋愛という部分にスポットを当てたものが、90年代CD-ROMの大容量を使える時代になると登場してきた。コナミのときめきメモリアルの大ヒットで、一時期はゲームショップの棚にRPGやアドベンチャーと並んで育成、恋愛ゲームというコーナーが設けられるほど隆盛を極めた。そんな、ギャルゲーの歴史について代表的なものを紹介している。


 パソコンの初期の光栄のものやエニックスなどが出していたものなどは、アダルトの要素を含んでいるためこちらでは紹介されていない。ギャルゲーの起こりとして、美少女を主人公にしたアクションゲームやRPGなどを持ってきている。後は、各年代ごとの代表的なものが網羅されている。900タイトルから厳選し240タイトル収録されているということですが、あれが収録されない、これが入っていないという不満はあるらしい。


 個人的には、ギャルゲー全盛期はプレイステーション、セガサターンの頃だと思っているので、見たことある作品が多くて懐かしい感じはしますね。


 この本は、定価1,400円ほどの本なのですが、自由価格本としてかなり安い値段で売っている。新本特価(自由価格本)とは、バーゲンブックとも呼ばれ、新古本とも異なり一度も市場にでていないもの。出版社の判断で安い価格を付けて売りに出したものらしい。自由化価格本の目印として、赤で印が入っていたり線が引いてあったりする。あまり売れなかったのでしょうか。ぼくたちの美少女ゲームクロニクルなどは第二段が発売されているみたいですが。


 ギャルゲー、美少女ゲームに詳しい人には、物足りない内容みたいですが、ギャルゲーの歴史が簡単にまとめてあるため、ライトなゲームファン層にとっては十分な内容だと思います。自由価格本で安く売られていますので、プレイステーション、セガサターンの頃を懐かしんで買うというのもありかも知れません。


激レア! お宝発掘!! 80年代マイコン読本・(ほぼ新品/総合科学出版) 925円(送料250円)

 こちらは、総合科学出版より2016年2月に発売された激レア! お宝発掘!! 80年代マイコン読本。80年代のマイコンと呼ばれていた頃のパソコンゲームについて特化したもの。著者は佐々木潤氏。80年代マイコン大百科、レジェンドパソコンゲーム80年代記に続いての第三弾になります。80年代当時のパソコン雑誌の広告や記事、カタログなど豊富な資料から時代を振り返る。


 80年代マイコン大百科、レジェンドパソコンゲーム80年代記では、パソコンハードから著名な作品、スターゲームデザイナー、有名なソフトハウスまで幅広く掲載されていましたが、第三弾となる本作ではパソコン誌の広告の片隅に載っていたようなマイナーなソフトハウス、ゲーム作品にスポットを当てている。


 そのため前2作と比べてもかなりマニアック。聞いたこともないソフトハウスやらエニックス、光栄、ハドソンといったメジャーな会社の出していた、マイナーソフトまで掲載されている。


 パソコンハードのカタログも掲載されているが、こちらも時代に埋もれてしまったマイナーハードから。VIC-1001は、米コモドール社が発売したハードで、これの廉価版がMAX MACHINE。


 マイコンベーシックマガジンやI/Oなどのモノクロページには、マイナーな会社の広告やパソコンショップの広告が山のように掲載されていて、メインの記事を読んだ後、そのようなモノクロページをチェックするのも楽しみだった。なんだか、そんな密かな楽しみを思い起こさせてくれるような一冊。扱っているネタがマイナーなので、80年代マイコン大百科、レジェンドパソコンゲーム80年代記はすでに持っていて、更にもう一歩踏み込みたいという人向けだと思います。Amazonアウトレットで新古本が安く売られているので、気になった人にはお勧め。


「ゲーセン」最強読本 ―永久保存版名作ゲームBEST100・(古本/宝島社) 30円(送料250円)

 「ゲーセン」最強読本 ―永久保存版名作ゲームBEST100は、2003年に宝島社より別冊宝島の一冊として発売されたムック本。今回紹介しているものは、今年発売と新しいものが多いですが、こちらは10年以上前の別冊宝島ものになります。内容は、70年代~90年代のゲーセンの歴史を振り返ったもの。2000年代の初期頃にも、ファミコンソフトの相場が高騰したり、様々なジャンルで復刻版が流行るなどレトロブームが起こっていました。その頃によくあったレトロゲーム本ですね。


 巻頭ではインベーダーの生みの親西角友宏氏のインタビュー記事、ゲームセンターあらしの新作、すがやみつる氏へのインタビューの後、主に80年代を代表するアーケードゲームが掲載されていますが、100と銘打ってあることからもわかるように、すべてが収録されているわけでもありません。


 巻頭のあらしの新作漫画。あらしは、この頃のレトロゲームブームの中で引っ張りだこでした。記事のほうでは、ひとつのゲームに1ページを使っての解説。惜しむらくことにモノクロ。この本に限らず、このような解説記事はライターさんとの相性もありますから、なかなか満足できるようなものって少ないですね。


 まあ、それでも主要な有名どころは押さえてあるので、この手のライトなレトロゲーム本としては満足。


 それよりも、この本で特記したいことは「ゲーセン」最強読本と名乗っている通り、ビデオゲームだけにとどまらず70年代のエレメカや90年代のプリクラなどゲームセンター全般を扱っている点。エレメカの記事は、なかなかありませんので、そういった意味では貴重なのかなという気がします。


おニャン子クラブ ベスト・(中古/ポニーキャニオン) 280円(送料350円)

 こちらは、80年代を代表するアイドルグループ、おニャン子クラブのベスト盤。秋元康氏のプロデュースでAKB48のプロトタイプともいえるグループでした。このような80年代アイドルもののCDは現在でも企画盤が発売されているのですが、これは1987年の当時もののベスト盤になります。


 今はこのような企画もののアイドルグループがいくつも作られ全盛期ともいえる状況ですが、このおニャン子の時にはアイドルグループとしては、ほぼ一人勝ちのような状況でした。夕方から放送されていたフジテレビのテレビ番組とも連動して、リアルタイムにその情報が得られることが新しかった。卒業という形をとって、メンバーの入れ替えをするというのも、このおニャン子あたりが最初ではないでしょうか。


 歌唱力が求められるグループではなかったため、今聞くと微妙。ただ大ヒット曲セーラー服を脱がさないでや、あんみつ姫のテーマソングでもある恋はくえすちょん、およしになってねTEACHER、じゃあねなどヒット曲が多いため、それなりに楽しめる。おニャン子はソロでの活動も多く、それらのソロでのヒット曲は入っていないため、その辺りがちょっと物足りないですが。


 この当時は、最先端のアイドルグループだったのですが、楽曲もシンプルなため今聞くとのどかな感じがします。それにしても80年代はアイドル全盛期と呼ばれていて、90年代に入ると自分で作詞作曲もするアーティスト寄りのシンガーやバンドでの楽曲が台頭してきて、一時期は森高千里やWINKくらいしか活躍できないほとアイドルは廃れてしまいました。今はまたアイドル全盛期となっていますから、時代は巡るものなんですね。今はもちろんアイドルは聞かないのですが、唯一の例外となっているのがレッド・ホット・チリ・ペッパーズより誕生祝をされている、とんでもない地点に到達しているこのお方。これに関しては次回やります。

散財日記 in ファミコン通信&ファミリーコンピュータMagaine

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 あけましておめでとうございます。とはいっても正月も仕事であったため、特にこれといったこともなく過ぎてしまいました。寒いので出かけるのも億劫になってしまいます。

ファミコン通信 (エンターブレインムック)・(新品/エンターブレイン) 999円(送料込み)

 ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータは相変わらず手に入れてない。年末に再販されて、Amazonやヨドバシ、イオンなどの実店舗でも一時的に入荷したようですが、再び品切れとなった。特に急がないため、中古で出回るようになってからでもよいかな。ということで、ファミコンミニに関連して発売された関連グッズを紹介。ファミコン通信は、現在でもファミ通として発売されているゲーム誌ですが、ファミコンミニにあわせてファミコン通信として復活した。実際には予約して発売日に買っていたのですが、紹介が遅れ周回遅れのネタとなりました。


 裏面は同じく復活したゼルダの伝説の広告入り。このイラストが使われるのは何年振りなんでしょうか、これも雰囲気作りに一役買ってますね。


 内容としては、最新のニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータを扱っているのだけれど、出来るだけ当時の紙面を復活させたような作り。クロスレビュー風の収録ソフトの紹介。これを見ていると、なんだか本当にこれらのソフトが新作として発売されたような錯覚に陥る。


 ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータのハード紹介も抜かりはない。


 高橋名人や毛利名人の対談、カラーコピーにとって切り取って組み立てるファミコンのペーパークラフト、ファミコンソフトのシールと楽しませようという仕掛けはこれでもかと入っている。ファミコン通信独特のノリがあった読者の投稿ページや桜玉吉氏の漫画など、アスキー系の雑誌で見られた独特の空気感も再現している。元々、ファミコン通信はログイン誌で連載されていたファミコン通信、MSX通信というコーナーが独立して出来た雑誌。そのため、ログイン誌の真面目なんだがふざけているのだかわからないノリもそのまま移植されていた。


 ということで、なかなか頑張っている紙面づくりなのですが、Amazonでの評価は星三つ半と微妙な感じ。その理由は、肝心の個々のソフト紹介が、ひとつのゲームに付き一ページしかない上に、文字も大きく文字と文字の間も離れていて、えらくあっさりしたものになっているという点。攻略記事などではなく、簡単に紹介しているといった感じ。


 後半には、当時の紙面も収録されているのだが、マップが掲載されて細かな解説が入るなど熱量が全く異なっている。これならば攻略や紹介は、いっそのこと当時の記事を再録すればよかったのにと思ってしまいます。ファミコンミニを買った何人の人が、収録ソフトを攻略するかといえば、雰囲気だけ楽しむという人が多いはず。なので紹介は簡単なものでもかまわないと思いますが、当時の熱気が再現されていない。そこが惜しむべき点かなという気はします。


 そうは言っても、価格も1,000円ほどだし、再びこの紙面を復活してくれただけでも買いというのは確か。ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータとあわせて買えば、より当時の空気を再現してくれます。出してくれたことに価値がある企画と言えるでしょう。願わくば、クロスレビューなど当時の記者にやって欲しかったかな。


ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータMagazine(Town Mook)・(新品/徳間書店) 1,980円(送料込み)

 ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータMagazineは、ファミコン通信と同じくファミコンミニの発売にあわせて、徳間書店のファミリーコンピュータMagazineが復活したもの。表紙には、実に222ヶ月(約18年)ぶりの大復活と書かれています。ファミコン通信を発売していたアスキーはもう元の形としては存在しませんが、スタジオジブリや大映、徳間ジャパンコミュニケーションズなど数々の関連会社を抱えていた徳間書店も、従来の会社は解散するなどかなり会社の形が変わってしまっています。あれから、随分と月日がたったことを感じさせます。


 裏表紙はファミコン通信と同じくゼルダの広告。この初期ゼルダのイラスト、どこかスタジオジブリっぽい。


 紙面は、出来るだけ当時の雑誌の雰囲気を再現しているかのような作り。こちらもファミコンミニ収録のソフトが、昨日発売されたかのような錯覚をもたらす。


 ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ本体の解説も詳しく載っている。


 ファミマガの売りであった超ウル技のコーナーも再現、当時っぽい漫画なども収録されている。


 1,980円とファミコン通信の倍という価格なのですが、こちらのAmazonでの評価は星★★★★☆となかなかの高評価。その理由が当時のファミマガの記事をスキャニングしたデータが、PDF形式でまとめて1000ページ超えほど収録されたDVDが付録についているという点。おまけでスーパーマリオブラザーズ完全攻略本まで入っているという熱の入れよう。当時の記事なので、当然ながら当時の熱気までDVD内に収められていることになります。


 価格はちょっと張りますが、ファミコン通信とどちらか一冊をということならば、やはりこちら。ただし、2冊買っても3,000円くらいだし、このような復刻の機会はめったにないことだと思われますので、ここは2冊とも買っておくというのが正解でしょう。どちらも、価格のわりには出来が良いと思います。


amiibo リンク【ゼルダの伝説】(ゼルダの伝説シリーズ)・(新品/任天堂) 新品944円

 こちらは、2016年12月に発売されたamiiboの新作、amiibo リンク【ゼルダの伝説】(ゼルダの伝説シリーズ)です。amiiboのゼルダはこれまで2種類が発売されていて、今回風のタクト、時のオカリナと新たに3種が登場しました。この中でも造形的に優れているのは、(大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ)のトゥーンリンク なのですが、これは再販がされていないのかプレ値が付いている。とりあえず、個人的には一番来る初代ドット絵のリンクがヤマダ電機にて表示価格の2割引で売られていたため購入。


 本来は、Wii Uや3DSと連動させて遊ぶガジェットなのですが、そもそもWii Uや3DS自体を持っていないので、純粋にゲームフィギュアとして。ゲームに限らずフィギュアは高価ですが、1,000円ちょいで造形的にも良く出来たものが手に入るという意味では貴重なシリーズかも。


 ドット絵だと正面から見た位置と、側面からみた所しか存在しないが、立体化されているということで、ゲーム内には登場しない正面と横の中間が再現してある。おお、こんなになっていたのかとよく出来ている。


 見る角度により異なりますが、なかなかかわいいですね。


 特にamiibo人気の高い北米などのゲームコレクターさんだとamiiboフィギュアもコレクションされている方が多いようですが、私的にはフィギュア化されることが稀なゲームウォッチ、ファミリーコンピュタロボットと、定番のパックマン、マリオのみ所有している。こういうの集めだすと、キリがないですものね。


 ということで、このドット絵の初代ゼルダに思いいれのある人にはお勧め。風のタクトのトゥーンリンクも、造形的には可愛らしいので、風のタクトに思い入れのある方にはそちらもよいかも知れません。

BABYMETAL、METAL RESISTANCE・BABYMETAL/BMD FOX RECORDS(TOY'S FACTORY)

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 こちらは、昨年2016年に発売された2ndアルバムMETAL RESISTANCEが、全米総合アルバムチャート(Billboard 200)で39位を記録し、坂本九以来53年ぶりの快挙となったことが話題となった日本のメタルグループBABYMETALの1stアルバムと2ndアルバム。BABYMETALは、2010年にアイドルとメタルの融合を掲げて結成されたティーンの女の子3人組によるヘビーメタルダンスユニット。あちこちで話題となっていたため、その名前は知っていたのだが、そもそも現在のアイドルの楽曲自体を聞かないので、特に注目したり曲を聴くこともなかった。それがなにかのきっかけでライブ動画を見ていて、なぜ海外で受けているのかその理由が少しだけ理解できたためアルバムを入手した。


 元々BABYMETALとは、アミューズのローティーンアイドルさくら学園内の企画ものユニットとして登場した。同社に所属するPerfumeがアイドルとテクノの融合を掲げて成功していたことと、プロデューサーのKOBAMETALがメタル好きであったことから企画された。最初の楽曲ド・キ・ド・キ☆モーニングはコアなアイドルファンに話題となった程度で、広く知られることはなかった。ただし、この時点からYouTubu上では海外よりのアクセスが多かったそう。2012年にはヘドバンギャー!!、2013年にはメジャーデビュー曲イジメ、ダメ、ゼッタイ、BABYMETALのアイコンとなった狐をテーマとしたメギツネを発表と順調に楽曲をリリースしていく。日本国内のツアーやロックフェスにも出演し、2013年には14.7歳という武道館公演の女性最年少記録を更新している。2014年には海外ツアーもスタートし、中でも転機となったのはyoutube上にギミチョコ!!の映像が公開されたこと。これが海外より注目され異常な再生回数を記録する。これをきっかけとしてレディー・ガガの北米ツアーにオープニングアクトに抜擢される。また、海外のロックフェスSonisphere Festivalに招待され、6万人の観客を魅了する。これを境として、海外での評価が飛躍的に高まり、単なる企画ものではなく新しいメタルの潮流として認知されることになる。


 2014年に発売されたファーストBABYMETALの海外(UK)版。彼女らの凄い点は、楽曲をほとんどすべて日本語で押し通していること。アイドルのCDだというのに写真すら掲載されていない。海外版では、日本語の歌詞カードと訳詩ではなくローマ字による日本語の歌詞カードが付いている。元々、歌詞を意味ではなく、音の響きとして使っているそうで、日本語が理解できたとしてもあまり意味はわからない曲が多い。


 2016年に発売されたセカンドMETAL RESISTANCE。2015年からは海外ツアーを積極的に行い、海外老舗メタル雑誌の表紙を飾るようになる。2016年からは更に加速して、英国の12000人規模のウェンブリー・アリーナで日本人としては初の公演を行い、同会場内での史上歴代1位となるマーチャンダイズの販売記録を更新する。7月には米国の雑誌オルタナティヴ・プレスが主催するAlternative Press Music Awards 2016に出演、メタルゴッドの愛称で知られるJudas PriestのRob Halfordと共演する。9月にはワールドツアーの最終として東京ドーム2日間公演を成功させている。12月にはRED HOT CHILI PEPPERSのUKツアーにゲストアクトとして帯同、2017年にはGUNS N' ROSES日本公演の前座、METALLICA韓国公演の前座が決定しており、最新の情報として4月からのRED HOT CHILI PEPPERSのUSツアーへの参加も発表された。また米ワーナー・ブラザースによるアニメ化も予定されている。


 個人的には、特に洋楽に詳しいというわけでもないのですが、90年代に入った頃に友達に影響されて聞くようになった。世界史、思想史を勉強するのと同じように、ロック史に付いてもお勉強をした。


 これらロック史の偉人のエピソードの数々は、過ぎ去った遠い過去の物語、遠い国でおこった伝説であるかのように感じられた。そのような場所に、日本のそれもティーンの女の子3人組のバンドが登場してくるとは、想像もできなかった。ヘビーメタルは、70年代に誕生し80年代に全盛を迎えたジャンルで、日本より人気が根付いている海外でもコアなリスナーは40代~50代~(の特に白人男性)といったところらしい。BABYMETALの登場は、驚きと拒絶の両方の反応を引き出したようで、未だに評価が両極端に分かれるらしい。


 70年代の末にどんどん複雑になり芸術的になっていく、ハードロックやプログレッシヴ・ロックへのアンチテーゼとして登場してきたSex Pistolsの勝手にしやがれ!!Never Mind the Bollocks。そもそもロックとは、社会の主流派、体制側への反抗、反逆としても機能してきた。そういった意味では、BABYMETALはどんどん細分化してゆき複雑になっていたヘビーメタルへの最大の破壊者なのかも。実際には、高齢化してきていたリスナーの間口を広げる、若い人への導入口としても期待されているらしい。


 多くの人は、初見でなんじゃこりゃと感じるみたい。そこからいくつかの映像を見ていく過程で、①バックバンドの驚異的な演奏能力に気付く、②ヘビーメタルの爆音にかき消されることもなく、音を切り裂いて突き抜けるボーカルの声の特異性に気付く、③デビュー時のローティーンの頃から何百回と繰り返しただろうバックダンスやパフォーマンスの完成度の高さに気付くというプロセスを辿る様です。つまり、なぜ海外でそれも日本語で歌って受け入れられたかというと、単純に質が高かったからだろうということになります。


 海外のアンチの意見として根強いのは、彼女らは自分で楽器を演奏していない、楽曲を作っていない、資本により作られたギミックじゃないかというもの。特にロックは、アーティストの主張に共感してファンになることが多いという点からすると、そこが本物ではないということらしい。ただ、ローティーンの女の子たちがヘビーメタルを聞き込んでいるわけもないし、自分で作詞作曲をしたり、超絶的な演奏を披露することを期待する方が無理がある。それぞれの専門家が互いの専門に特化したものを持ち寄って、より完成度の高いものが作られたとしたら、そのほうが自然だと思われます。ちなみにBABYMETALの振り付けは、Perfumeやリオ五輪閉会式、恋ダンスを担当したMIKIKO氏。


 BABYMETALを最初に見た海外の人の反応が面白く、わけがわからない、AMAZING、日本にしかこんな狂ったものは作れない、Fuckinすげえとか、そういう反応が多い。METALにJ-POP(アイドル)の要素を持ち込んだこと、ダンスを組み合わせたこと、日本の民謡やカラオケ文化のような合いの手を持ち込んだことなどが新鮮に映っているようです。このよくわからない多幸感(UK)や、意味は分からないままに蹴飛ばされて走り続けるような疾走感(Switzerland)を見ていると、なぜ受け入れられたのかなんとなく分かってくる。


 BABYMETALが、海外で最初に大きく認識されたSonisphere Festivalは、Sonisphereの奇跡と呼ばれる。招待をした主催者側でもこれほど受けるとは思っていなかった様で、最初は小さなテントで演奏してもらう予定だったものが、反響が多かったため急遽メインステージに格上げされたのだそう。日本好き、アニメ好きが集まるジャパンフェスティバルのような場所ではなく、演奏が悪いと小便入りのペットボトルが飛んでくるようなガチのメタルフェスティバルの会場で、当時15歳~16歳の日本人の女の子たちが見せたパフォーマンスは、遠い過去の伝説でもなく現在進行形で進んでいるまさに奇跡なのだと思います。そういった意味でも、昔ハードロックやヘビメタなどにはまっていた年代(おっさん)の方が、彼女らの凄さはより理解できる(泣けてくる)のかもしれません。


 なんだか、このままロック史に残る名盤になっちゃいそうな楽しい2枚。昔、ロック少年、ヘビメタ青年であったおっさん世代にもお勧めDEATH。

参考:Wiki BABYMETALの項、Youtube BABYMETAL公式チャンネル、ハワイとプログレとBABYMETAL、BABYMETALまとめ

散財日記 in S.H.フィギュアーツ マリオ

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 ということで、半月振りくらいの更新。ブログ開設10周年はいつの間にか過ぎていたのですが、気付かない内に閲覧者の延べ人数が100万人を突破しました。とはいっても特に何も特別なことはしませんが、もう少し簡易な形にして更新回数を増やしたいかなと考えています。

namco アーケードゲームマシンコレクション全5種・(新品/FREEing) 1個当たり約3,000円

 予約開始時に注文していたnamco アーケードゲームマシンコレクションが届いた。2,400円ほどで売っていたが、送料、手数料を含めると定価を超えた。5種類なので15,000円となかなかの出費。もう少し足すとレトロフリークが買えてしまう。ただ、この手のものはずっと市場にあるわけではなく、生産分を売り切り終了となることも多い。確実にプレミアが付くと思われるため確保。紹介するため写真を撮ると結構な時間がかかるので、こちらは後日に。


S.H.フィギュアーツ マリオ・(中古/バンダイ) 1,067円(送料350円)

 S.H.フィギュアーツ マリオは、2014年にバンダイより発売されたスーパーマリオのアクションフィギュア。結構前のものになりますが、昨年12月辺りにも再販されていたので定番商品として売れ続けているのだと思われます。80年代をテーマにしたブログなのに、実はここではマリオを紹介したことがありません。それはマリオのゲームソフトや関連グッズ自体を持っていないからなのですが、なにかひとつくらいはフィギュアやぬいぐるみ等が欲しかった。S.H.フィギュアーツ マリオは、定価だと2,980円くらいリサイクルショップだと2,000円~くらいから置いてあると思いますが、約1,000円とまあ安かったため入手した。


 箱より出したところ。1,000円と安かったが、説明書やチラシなども付属品はすべて付いていた。


 造形は、アニメなどにもなっているわりと最近のマリオですな。


 S.H.フィギュアーツ ルイージやヨッシー、あそべる! プレイセットABCなどが発売されていて、ある程度そろえるとマリオワールドが再現できるといった玩具。


 マリオにセットになっているのは、キノコ、コイン、はてなボックス、コイン用のスタンド。


 マリオはキノコを抱きかかえられるわけでもないし、フィギュアを支えるスタンド等ないと、これだけでは遊び様がない。造形は、かわいいですけどね。同じ理由であまり飾りようもない。


 このフィギュアの最大の売りが、可動関節になっていて様々なポーズが取れるところ。


 型が球関節になっているため結構動くが、肩を広げることはできない。同様に首と腰も可動しない。


 股関節は意外と融通が利いて、股を開けたり前後に動く。膝関節は90度くらい。足関節も前後に動く。


 立位姿勢を保持したり、ポーズを決めれるように自由度が高くなっているんでしょう。


 以上のように、それほど自由にはポーズが決められるわけではない。BABYMETALのド・キ・ド・キ☆モーニングの振り付けを、GIFで作成したかったが断念した。ただ、ゲームに登場する基本的なアクションならばポーズが決められるので、簡単なコマ撮りのアニメーションを作ってみるという遊び方もあるかも。


 ということで、このS.H.フィギュアーツ マリオ。価格も安いし飾ったり可動させれたりと遊び方の幅が広いので、なにかひとつマリオフィギュアをということでしたらお勧めだと思います。


OLD GAMERS HISTORY Vol.11 アドベンチャーゲーム・パズルゲーム草創期編・(新品/メディア・パル) 1,404円(送料込み)

 メディア・パルより出版されているOLD GAMERS HISTORYシリーズのVol.11は、アドベンチャーゲーム・パズルゲーム草創期編。このメディア・パル社のレトロゲームシリーズ、最初はOLD GAMERS白書として出版され、その時にはファミコンやPC-エンジン、メガドライブなどのゲームをありきたりに紹介しているといった感じで、あまり食指が動くようなものではなかった。回を重ねるごとに本気度をましていき、現在進行中のOLD GAMERS HISTORYでは、なかなかのマニアックさを誇るようになった。


 Vol.11では、アドベンチャーゲームの歴史とパズルゲームの歴史がひとつにまとめられている。ここが少し惜しいところで、Vol.12もアドベンチャー&パズル編みたいだけれど、ここはやはりアドベンチャー編で2冊、パズル編で1冊と分けて欲しかった。このシリーズ、まとめて揃えればゲームのアーカイブズとしても機能しそうなほど出来が良いため、余計にそう感じる。


 前半は、当時の8ビットPC市場で花開いたアドベンチャーゲームの黎明期の作品が多く収録されている。これがなかなかの濃さで、光栄やエニックスなどの黎明期のアダルトゲームなども収録されているマニアックぶり。電波新聞社のチャレアベ以来、久しぶりに見たと思うような作品群も見受けられる。


 少年ジャンプの人気連載漫画をエニックスがゲーム化したウイングマン。北斗の拳などもゲーム化されていた。


 ディズニーランドをパロった、ハドソンのデゼニランド、デゼニワールド。まだファミコンに軸足を移す前、初期のハドソンはアドベンチャーゲームを得意としていた。


 1985年以降は、少しずつファミコンのアドベンチャーが増えてくる。Vol.12では、プレイステーションなどで花開いたバイオハザードなどのアクションAVGが中心になると思われます。


 パズル編はちょっと少なめ。ロードランナー、テトリス、ザ・キャッスル、キャッスルエクセレントなどの有名どころを中心に収録されている。8ビットPCでもファミコンでも、マイナーどころのパズルゲームは山ほどあったと思われるので、それらを集めてパズル編として一冊にして欲しかったところ。


 ということで、アドベンチャー編とパズル編が一緒になっている点が惜しいところですが、それ以外では出色の出来。8ビットPCを知らない世代の方にも、光栄やハドソン、エニックスの黎明期を知る貴重な資料としてお勧め。


超実録裏話 ファミマガ 創刊26年目に明かされる制作秘話集(古本/徳間書店) 213円(送料250円)

 超実録裏話 ファミマガ 創刊26年目に明かされる制作秘話集は、徳間書店より2011年に発売されたファミリーコンピュータマガジンの2代目編集長だった山本直人氏による回想録。この本の存在は以前より知っていたのですが、当時ファミコン通信は読んでいたのですがファミマガ読者ではなかったため、なかなか手が出なかった。帯付きの綺麗なものが安い価格で売られていたため、やっと入手した。


 ファミマガといえば、ファミコンミニに合わせて18年ぶりに復活した復刊号が、なかなかの好評ということは前々回紹介しました。こちらは、あの熱い熱気を帯びたゲーム誌が、どのようにして作られていたのかという舞台裏を紹介している。


 文字中心の白黒のエッセイ集だと思っていたら、いい意味で裏切られた。当時ファミマガで漫画を連載していた作家によるカラーのイラストが入っており、当時の紙面や攻略記事などもカラーで掲載されている。エッセイもかなり面白い。例をひとつ挙げると、当時ファミコンのギャラクシアンの裏技を掲載したところ、ナムコよりクレームが入った。デモ時にコマンドを入力すると、隠しで入れられたシバの女王や風の谷のナウシカの音楽が流れるというもの。人気作を多数抱えゲーム業界の大手だったナムコからのクレームに編集部は騒然となったが、ファミマガの出版元は徳間書店であり、ジブリの親会社でもあった。そのためクレームは無しとなってしまったそう。


 それ以外にも、アスキーのドルアーガ本(初のゲーム攻略本)に倣って、スーパーマリオの攻略本を初めて出版したところ、重版がかかりにかってゲーム攻略本が2年連続で書籍のベストセラーの1位に輝いた話や、編集部に電話をかけられるサービスを導入したところ、回線がパンクしてNTTが飛んできた話だとか、今の時代からは信じられない熱い時代の話が収められている。


 読んでいて、なぜこんなに面白いのだろうか、初々しく清々しいのだろうと考えてみたが、これはひとつの青春の物語だからと思い当たった。ファミマガの読者だった方には、子供として(読者として)接していた知られざる雑誌編集の裏側を、そうでない人も社会人成り立ての頃を思い起こさせてくれる、優れた青春の物語としてお勧め。

べーしっ君 四コマアニメDVD・アスキー/ネオプレックス・エンジン

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 べーしっ君は、アスキー発行のPC誌、ログインに1984年より連載が開始され、MSXマガジンやファミコン通信にも連載されていた荒井清和氏の四コマ漫画。最近になって復刻版やグッズ等が発売されるなど、再注目を集めている。こちらは、2003年にたのみこむの企画で受注生産が決定して発売された、べーしっ君をOVA化したべーしっ君 四コマアニメDVD①


 物語は、マイコンに興味を持つ中学生の目森べーしっとその父の目森二五六(みごろ)、姉の目森エリア、友人(ライバル)の近藤ましんご臣、ガールフレンドの可愛ろり子などを中心とした、80年代当時のPCネタ、ファミコンネタ、ゲームライフを描いている。巨人の星をパロディにした漫画で、シュールなネタや駄洒落、意味のない擬音など、脱力系の落ちが多かった。そのちょっと斜め上を向いたような作風が、当時のログイン誌をはじめとするアスキーの雑誌のノリにあっていたと思います。


 DVD版のほうは、べーしっ君の四コマ漫画を30本収録している。アニメ化、OVA化とはいっても、フルカラーでべーしっ君が動くというようなものではなく、四コマ漫画そのままの画像に、エフェクトで動きやせりふを表示しているといったもの。注文数300本ほどで生産が決定されたようで、アニメスタジオが製作した本格的なものというよりは、PCで製作したといった感じ。ちなみに①とナンバーは付いているが、これのみで完結している。声優の加藤精三氏がお亡くなりになった今となっては、二度と実現しない企画なので、そういった意味でも永久保存版となっている。


 このOVAの一番の売りは、べーしっ君に古谷徹氏、べーしっ君の父に加藤精三氏と、巨人の星親子コンビを起用している点。べーしっ君は巨人の星のパロディという側面をもっているので、これが実現しなかったら、このOVAの価値が半減していたかも。古谷氏がよく引き受けてくれたなという感じもしますが、古谷氏はMSXマガジン誌のインタビューにて、MSXユーザーだったことを明かしており、PCマニアでもあるため、べーしっ君をやることにも、特に違和感はなかったのかも。すぽーんとかすぽぽぽーんなど、べーしっ君独特の擬音も、古谷氏がセリフで再現してくれています。もうひとつの売りは、本編より長い作者の荒井清和氏のインタビューが収められていること。


 当時、PCは最先端のホビーであったし、日本のビルゲイツとも言われた西和彦氏率いるアスキーも最先端の会社であった。最新ゲームの紹介記事や技術的な記事を読み漁った後に、箸休めのような存在として読者コーナーに掲載されるべーしっ君やのんきな父さんを楽しみにしていた。べーしっ君には、アスキー編集部を舞台とした楽屋落ちのような話も多いため、当時の雰囲気を今に良く伝えてくるように思います。


 タオルやTシャツなど、べーしっ君のグッズも発売されているけれど、これも一種のファングッズとでもいうべきものといえるでしょう。当時もののアスキーコミックの単行本はプチプレミアが付いているし、べーしっ君 完全復刻版も1,700円ほどと高めなので、何より中古で1円くらいから入手できるという価格が嬉しい。ログインやMSXマガジン、80年代のファミ通などを読んでいた人にお勧め。

参考:Wiki べーしっ君の項、MSXマガジン永久保存版、蘇るPC-9801伝説、それは悲しいくらいのピンク色だった/べーしっ君擬音集

テーブルゲーム型 FC互換機・HAC

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 ちまたでは、ファミコンクラッシックミニが買えたとか買えないとか、未だそんな話題が続いていますが、そのような話題に背を向けつつ、このようなものはどうでしょうか。テーブルゲーム型ファミコン互換機。読んで字のごとくテーブル筐体の形をしたファミコンの互換機。元ネタのファミコンの再現度も高く、収録されているゲームのクオリティも高いニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ、ファミコン、スーパーファミコン、PC-エンジン、メガドライブなど一台で11機種ものゲームに対応できるサイバーガジェットのレトロフリークだとか、綺羅星のような機種に燦然と立ち向かう中華製パチ機です。


 箱を開けたところ。付属品は、コントローラー2個とAVケーブル、取り説。すかすかなのは気にしない。


 こんな感じ。単体で見ると意外とかっこいい。


 アーケード筐体型なので、本体側にもコントローラーやスイッチが付いている。


 ただし、こちらはダミー。右側の2つのスイッチのみが、リセットと電源ボタン。


 コントローラーの接続端子は側面に付いている。どこかで見た事あるような形だが、ファミコン純正コントローラーも使えるのでしょうか?


 側面と筐体下部はこのような感じ。単三電池でも動くため、電池ボックスが備わっている。Nintendo Switchのように屋外にも持ち出せるぞ。モニターも必要だけど。


 QCと書かれているところは、ACアダプターの端子。ちなみにACアダプターは付属しない。日本のメーカーのものだとACアダプターのみで1,500円とかしますし、1,000円のゲーム機なので本体より高いぞ。


 こちらは、同じく筐体を模したタカラトミー製の貯金箱。再現の細かさやクオリティの高さは、もちろん比べるべくもない。並べちゃダメ!並べちゃダメ!かっこ悪いよ~!!


 ちなみにこのようにアーケード筐体を再現していて安く手に入る玩具としては、プレイステーション2用の筐体型コントローラーもあります。これも入手したい。


 とはいえ、この形というのはやはり魅力がある(ような気がする)。ファミコンカセットと一緒にすると、さらに楽しげな雰囲気が伝わってきます。互換機を持っていても、今更カセットでゲームはしないので、あくまでもこの形をしたゲーム機というところが重要。筐体の上部分を切り取って、液晶モニターを仕込めば、必要最小限度の改造で筐体型ゲーム機ができるなど夢(妄想)は膨らむ。前述の筐体型コントローラ同梱セットで筐体型ゲーム機を自作したというネタなどが、ネット上には投稿されています。


 元々はクレーンゲームの景品にも使われていたようなもので、値段があってないような感じですが、1,000円~2,000円程度で入手できる。アマゾンでの価格は、結構変動してるようなので安く売っている時に。この形に価値を見出せる人にお勧め。いつまでたってもAmazonやyodobashiでプレ値で売られているクラッシックミニにこれで対抗だ。

レジェンドパソコンゲーム80年代記&激レア! お宝発掘!! 80年代マイコン読本・総合科学出版

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 これは、80年代のレトロパソコンの周辺を描いたレジェンドパソコンゲーム80年代記。2014年に総合科学出版より発売されたフリーライター佐々木潤氏の手による書籍。同じ著者による80年代マイコン大百科に続いて出版された第二弾になります。


 前作80年代マイコン大百科では、筆者のコレクションである当時の雑誌やカタログなどの写真をふんだんに使い、この頃のトピックスを広く浅く紹介するという体裁の本だった。このような書籍は、最近少しずつ増えてきたが、これまでは皆無に近いという状況だったので、そういった意味でも貴重だった。


 本作では、80年代を前期、中期、後期と3つに分けて、パソコンのハード、雑誌、ゲームやソフトハウスなどのエッセイをまとめてある。カタログ本という性格が強かった前作と比べて、エッセイや読み物としての割合が大きくなっている。アマゾンでの評価がいまひとつなので、購入に二の足を踏んでいたが、読み物としては前作より一歩踏み込んでいて面白く良く出来た一冊だった。この頃のパソコンは、ネットもない時代だし実用性も皆無でほぼホビー用といった感じで一般的でもなかったが、ログイン(アスキー)誌を初めとして、マイコンBASICマガジン(電波新聞社)、I/O(工学社)、ポプコム(小学館)、コンプティーク(角川書店)、テクノポリス(徳間書店)、Beep(ソフトバンク)などの総合誌や、Oh!PC、Oh!FM、Oh!MZなど機種ごとにも専門誌が発売されているなど、今以上に活気があった。そんな時代を垣間見せてくれる。


 惜しむべきことに、アマゾンでの評価がいまひとつなことの理由でもあると思うが、全ページモノクロで版も小さくカラー写真がないため、懐かしさはいまひとつ伝わりにくい。黄色い表紙も目立つことは目立つが、内容が伝わりにくく他の2冊とも区別がつき難いので、そういった意味でも不利でしょうか。


 それでも、この時期の広告写真を使ってのエッセイは貴重であるし、この手の本は未だに少ないため資料としての価値も持っていると思う。アマゾンでの評価を見て、二の足を踏んでいる人がいるとしたら、モノクロという点を除けばわりと良い出来なのでお勧めしたい。


 こちらは、同じく総合科学出版より2016年2月に発売された激レア! お宝発掘!! 80年代マイコン読本。80年代のマイコンと呼ばれていた頃のパソコンゲームについてより深く掘り下げたもの。著者は佐々木潤氏。80年代マイコン大百科、レジェンドパソコンゲーム80年代記に続いての第三弾になります。80年代当時のパソコン雑誌の広告や記事、カタログなど豊富な資料から時代を振り返る。


 80年代マイコン大百科、レジェンドパソコンゲーム80年代記では、パソコンハードから著名な作品、スターゲームデザイナー、有名なソフトハウスまで幅広く掲載されていましたが、第三弾となる本作ではパソコン誌の広告の片隅に載っていたようなマイナーなソフトハウス、ゲーム作品にスポットを当てている。


 そのため前2作と比べてもかなりマニアック。聞いたこともないソフトハウスやらエニックス、光栄、ハドソンといったメジャーな会社の出していた、マイナーソフトまで掲載されている。


 パソコンハードのカタログも掲載されているが、こちらも時代に埋もれてしまったマイナーハードから。VIC-1001は、米コモドール社が発売したハードで、これの廉価版がMAX MACHINE。


 マイコンベーシックマガジンやI/Oなどのモノクロページには、マイナーな会社の広告やパソコンショップの広告が山のように掲載されていて、メインの記事を読んだ後、そのようなモノクロページをチェックするのも楽しみだった。なんだか、そんな密かな楽しみを思い起こさせてくれるような一冊。扱っているネタがマイナーなので、80年代マイコン大百科、レジェンドパソコンゲーム80年代記はすでに持っていて、更にもう一歩踏み込みたいという人向けだと思います。Amazonアウトレットで新古本が安く売られているので、気になった人にはお勧めしたいと思います。

参考:レジェンドパソコンゲーム80年代記、激レア! お宝発掘!! 80年代マイコン読本/総合科学出版
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