こちらは、1979年製のLSIゲームBambino Soccerです。バンビーノは電子機器を製造していたエミックス株式会社のブランドで、電子ゲームブームの初期の頃にデザイン性に優れた作品を発売していました。
バンビーノといえば、トミーにOEMしていたUFOマスターブラスターステーションやテレビCMもしていたスペースレーザーファイトやBoxing(ボクシング)が有名なのですが、日本国内だけでなく海外でも売られており、数種類のスポーツゲームなどを販売していたようです。これらは珍しいといえば珍しいのですが、特に有名なものでもプレミアが付くようなものでもありません。
特にスポーツゲームの主な市場は海外だった模様で、箱裏の説明書きもすべて英語。MADE IN JAPAN 日本製の文字が今となっては貴重。エミックス株式会社は神奈川にあったようですが、 アメリカでのBambino,INC.は、カリフォルニアのロサンゼルスにあった模様。
デザインは、こんな感じ。洒落たものが多いバンビーノのゲームとしてはずんぐりとした印象。
裏はこのような感じ。裏の説明書きもすべて英語。単三電池4本で動きます。
説明書が付属していなかった上に箱の説明書きもすべて英語のため、いまひとつわかりにくい。フィールドプレイヤーを操作するための4方向キーと、キーパー操作用の2方向キーが付いています。プレイヤーの人数も選べるようですので、2人プレイができるのでしょうか?
ゲームが始まるとますます分かりにくい。スタートボタンに該当するものがなく、キャラが動かなかった。壊れているのかな・・・?と思いきや4方向キーの上を押すとゲームが始まった。しかし、すぐにゲームが止まってしまい、いまひとつ遊び方も分からない。
こちらは、もう少し後に発売されたエポック社のデジコムサッカー。これも対戦プレーが可能で11人は無理ですが、キーパーを除いて3×3でプレイできるようになっている。ただし、これも操作が独特で説明書を見なければ理解しにくいと思われる。多人数を一度に動かすサッカーゲームは、位置が固定された野球と比べるとなかなかゲームに再現しづらかったようです。
帰電さんに解説がないため、国内の他サイトで解説されている可能性はほとんどない。Handheld MuseumのBambino Kick the Goal Soccerの項には、英語版のマニュアルが上がっているのだが、これもなかなか要領を掴みにくい。Youtubeなどの動画を見ると、どうもパスなどなしでプレイヤーは1人のみを操作してゴールまでドリブルでもっていくゲームっぽい。そもそもバンビーノは、電子ゲーム初期のものがほとんどなのでゲームデザインがシンプルすぎるほど単純なものが多い。そのため抽象的すぎて、どのようにサッカーらしさを演出しているのか分かりにくい。サッカーゲームというとCPUが操作している他プレイヤーにパスをしたら、そのプレイヤーを操作できると思い込んでしまうが、そのようなサッカーゲームのフォーマットが出来る以前の製品ということみたい。
ただしバンビーノは電子ゲーム出始めの頃に数多く製品を発売し、海外にも出すことを考えて製作されていたためか、すごく洒落ていて値段も高く手の届かない憧れの玩具メーカーというイメージだった。バンダイやトミーなど大手玩具メーカーではない謎の会社というところも、海外の製品ぽくミステリアスだった。デパートのショーケースに鎮座して、買ってもらおうとすら思えなかった記憶があります。なので、バンビーノというとちょっと特別なものという感情が残っているでしょうか。実際遊んでみると、電子ゲームの出始めのものでゲーム専業メーカーでもなかったため、単純ですぐ飽きてしまうのですけど。
ちなみにこちらは箱もぼろぼろで綺麗なものではありません。オークションでも、最初はもっと高い金額3,000円~?で出ていたものが、入札がなくって徐々に値が下がって1,000円程度にまでなった。まあ、値段が値段な上に珍しいといえば珍しいので、遊び方は分からないけれど良しとしましょう。
参考:Handheld Museum