ドリフだョ!全員集合は、2000年にドリフターズ結成35周年を記念して東芝EMIより発売された、ザ・ドリフターズのベスト版。ビートルズにちなんでドリフの赤盤・青盤と呼ばれることもあります。発売元が、ビートルズと同じ東芝EMIということから実現した企画だと思います。
デビュー時から、映画出演などのアイドル的人気があった頃のドリフのシングルなどが収められた赤盤。荒井注さんが在籍しており、音楽バンドとしても活躍していた頃をメインに収録してある。2枚目は、軍歌を歌った2枚のLPからドリフの軍歌、民謡など。テレビに出演するようになってからのメジャーなヒット曲を収録してあるため加藤茶さんがメインボーカルを務めた楽曲がほとんど。いかりやさんの自伝などに出てくる仲本工事さんがメインボーカルを務めていた頃の、洋楽のカバーなどは収録されていない。
志村けん人気が爆発した後期ドリフが収められた青盤。東村山音頭、ヒゲダンスのゲーマ、ドリフノ人形劇(飛べ孫悟空)など。
赤盤のほうは、軍歌なども収められているため、ほんとに懐メロといった感じがする。
青盤のほうは、早口言葉やワンダードッグ、加藤ちゃんのラップ、スキャットなどもあって、実に今風。右の歌詞カードに掲載されているのは、1970年代にトンボの高級鉛筆「MONO」を1ダース買うともらえたおまけドリフの首チョンパ。今だととんでもない値で取引されている。
歌詞カードなどはかなり簡素。当時発売されたドリフグッズなども紹介されている。せっかくの記念盤なのだから、もうすこし詳しい解説やおまけなどを付けて欲しかった。
若い頃のドリフは、ザ・ビートルズの日本公演の前座を務め、主演映画が1967年(昭和42年)から1975年(昭和50年)までで、実に21本にも上ったというスーパーアイドルグループだったんですね。今でいうとSMAPといったところでしょうか。このCDが発売された2000年頃というと、まだDVDが出ていない頃だったので、全盛期のドリフを振り返るという意味では貴重な資料だった。
荒井さんが脱退後、志村さんは生粋のコメディアンでバンドマンではなかったため、音楽コントがなくなったTVのドリフという感じの後期。リアルタイムでわかるのは、こちらのドリフ。それにしても、軍歌から民謡、ラップ、スキャットまでやったバンドは他にはないように思う。
ヒゲダンスのテーマなども収録されているため余興用としても使える。ドリフの音楽を知るという意味では決定版と言えるでしょう。個人的には、日本のビートルズと言っても過言ではないスーパーグループ、ドリフの青盤、赤盤でした。